ファンタビ感想

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映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』観て来ました。

言わずと知れた「ハリー・ポッター」シリーズのスピンオフ。
本編より70年ほど前の時代を描く新シリーズです。


主人公はニュート・スキャマンダー。

後にホグワーツで使われる教科書『幻の動物とその生息地』を執筆する魔法動物学者です。
トランク(魔法動物入り)を手に、イギリスからニューヨークへ渡航してきたニュートを待ち受けるのは?

 

以下感想です。
ネタバレありますので未視聴の方は注意。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

懐かしくて新しい、って感じでした。

ハリポタだけどハリポタじゃない、でもやっぱりハリポタ、みたいな。
舞台がアメリカのせいか、それとも主人公が大人のせいか。

 

ハリーが主人公のシリーズは、特別な男の子が自分の出自=魔法界を知り、そこを居場所として定めていく物語だったと思うのですが、本作を観て、あたり前だけどハリーが生まれる前から魔法界は存在していて、人々の営みがあったんだと再認識しました。

 

それに、前作までの舞台はあくまでホグワーツ。
登場人物たちは基本的に学園という閉じられた空間にいて、大人の庇護下にありました。
一方、ニュートは自立した存在で、開けた世界を自由に旅することが出来ます。

 

主人公の立場が違うと、同じ魔法界でも趣が変わるんだなあ。
子どもの頃夢中になった世界に帰って来た気持ちと、その世界の新しい一面を知る驚き、両方をいっぺんに味わえて得した気分です。

 


実を言うと、舞台設定だけで既にワクワクしてました。
ハリポタの世界観+ニューヨークが舞台の映画が観られるとは!
禁酒法時代のアメリカ好きなんで嬉しいです。

 

自由でありながら抑圧された時代。解放を待つ気風。
魔法使いとノー・マジ(魔法が使えない普通の人間)の関係性やオブスキュラスなどは、当時の時代背景を反映していたように思います。

 

人物の服装や街並み、酒場の怪しい雰囲気だけで楽しくなってきます。
冒頭のニュートを見た時、脳内に「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」が流れましたよ。


ストーリーは割と王道です。
別の空間につながるトランク、逃げ出したものを捕まえて回る……なんだそのブリキの迷宮とパラレル西遊記を合わせたような設定は!と思いましたドラえもん脳。
ミスリードを誘う「子ども」の正体も、実はグレイブスがグリンデルバルドってオチも途中で察しがつきます。
ジョニデが出てきたのにはビックリしましたが。
意外な伏線とドンデン返しがハリポタの面白さだと思うので、その点少し薄味でした。

 

最終的に闇の魔法使いとの対決になるところがハリポタらしい。
魔法界って、派手な魔法や不思議なアイテムがあって一見楽しそうなんですが、すごく闇が深いんですよね。

 

例えばハリポタ界の魔法使いは、純血主義者のみならず普通の人であっても無意識的にマグルを差別していて、それは原作小説を読んでる時からずっと引っかかる部分でした。
この映画でも印象は変わらず。
(70年後の未来ですらそうなのだから、今作で改善されるはずはないんだけど)
そうした因習や慣習の中でグリンデルバルドの野望が生まれたと考えると、ますます魔法界の闇が浮き彫りになります。


クイニーとコワルスキーが愛情で結ばれたのは、本当に一条の光だと思う。

 

魔法使いと人間についての、ニュートとグリンデルバルドの考え方の差が興味深いです。
機密保持法をくだらないと言い、人間から身を隠すべきではないと考えているのはどちらも同じ。
でもニュートの根底にあるのは自由と優しさで、グリンデルバルドは破壊と支配。

 

このあたり、ニュートが主人公でグリンデルバルドが敵役であることに納得がいく。
二人が対立する運命を予感させます。
いや、実際対決するのはダンブルドア先生なんだろうけど、なんて言うか物語の光と闇の象徴としてね。

 

スキャマンダー君、大人しくて自己主張しない人だなあ。
でも冷静でしっかり自分を保ってるタイプ。
最後のティナとのやり取りが微笑ましいです。

 

クリーデンスは悲しかった。
オブスキュラスって未来の世界にもいるんでしょうか、ちょっと気になりました。
絶滅させようとする人がいてもおかしくなさそうな生き物ですが、ニュートが許さなさそう。
宿主に取りつかなければ、そもそも魔法の力を隠す子どもがいなくなれば無害ですよね。
『幻の動物とその生息地』を発行したのがオブスキュラス出版社なのは、何か意味があるのでしょうか?

 

他にも未来と関連する名前が出てきました。
ストレンジ……ストレンジとな。存命なのか故人なのか。

次回作以降、コワルスキーは出るんだろうか。出てほしいけど出たら死んじゃう気がしないでもない。


そして魔法動物。
フランク! フランクと友だちになりたい!
昔からサンダーバードに憧れがありまして。空を舞うシーンがカッコいい。

 

パンフレットに、デミガイズの生皮が透明マントの素材になるって書いてあって複雑な気持ちに……。

 

トランクの中が素敵です。寝室からトランクに入っていくシーンが一番好き。
ココアは飲もうよ。

 

 

さてこのファンタスティック・ビースト、全五部作の予定です。
やはりグリンデルバルドとの対決が軸かと思いますが、ニュートが世界中飛び回って動物と触れ合う姿も見たい。
若き日のダンブルドア先生も登場予定とのことで、期待が高まります。

 

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世界を7で数えたら

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久々に本の感想。最近読んで気に入った本です。

 

 

 

『世界を7で数えたら』
(ホリー・ゴールドバーグ・スローン著 三辺律子訳/小学館)

 

7番目の月の7番目の日に、あたしの新しい両親は、自宅から257マイルの病院まで行って、生まれたばかりのあたしを引き取り、寒冷地帯に生息する木の名前をつけた。ウィロー=やなぎ。そして世界は変わった。
7という数字にこだわる変わり者の天才少女ウィローの悲しくも爽快な物語。

(本書カバー袖より)


ストーリーを補足しておくと、舞台はアメリカ・カリフォルニア。
ウィローは「天才」である一方「集団に溶け込めない」はみだし者でもあります。
上手く中学校になじめないウィローは、問題児としてスクールカウンセリングを受けることに。
カウンセラーのデル、彼のオフィスで出会ったグエン兄妹と過ごしていたある日、両親が交通事故で亡くなってしまいます。
天涯孤独になったウィローは里親が見つかるまで、デル、そしてグエン一家と共同生活をすることになるのです。

 


ウィローは数字の7と医学的状態(人間の病気)と植物にこだわりがある少女。

常に理論的に思考し事実だけを話します。
多種多様な植物が繁る庭を作り上げ、ソフトクリームを食べる時は、チョコレート液に含まれるワックスについて考える。

 

前にも書いた気がしますが、理系の人の物事の捉え方って私の目にはすごく新鮮に映ります。
なので、冒頭からウィローの一人称語りに引き込まれました。

 

「満ち足りた気持ちとつらい思いはセットになることがあるのだ」とか、
「完ぺきな生物などいない。それくらい、科学者ならだれでも知っている」とか、
人生の格言めいたことを言うかと思えば、友だちが出来たことに感激するような面もある。

 

ウィローの人柄が好ましく、気付けば寄り添って読んでいたので、彼女が両親の死のショックで無気力になるのが辛かったです。
しかし、グエン一家と共にデルの部屋に移り住んでからが面白い。

 

家族を失い、居場所を失ったウィローが再び「家」を作る。その過程が楽しいです。
家具を買い部屋を整えていく空間的な意味でも、まわりの人々と絆を結ぶ精神的な意味でも。

 

ウィローと他の人たちとの距離が縮まっていくのが嬉しいなあ。
特にクアン・ハとのシーン。
ビンを割ってステンドグラスを作るシーンが好きだ。
視覚的にもきれいなので映画には絶対入れてほしい(映画化が決定しているらしいです)。

 

そして「庭」の描写が素晴らしい。

 

両親の死によって世界がバラバラになり、今まで出来ていたことが出来なくなってしまった。
好きだった植物への関心も失った。
そんなウィローが、皆と一緒にマンションの庭を復活させる。
この展開が熱いです。
何かを育み形作っていく喜びを感じる。

 

庭を造ることで心を再生させるってのは、『秘密の花園』もそうですが、人の心に訴えるものがあるのかもしれません。
庭いっぱいに咲いたひまわりを想像するだけでうっとりしてしまうもの。

 


また、本書は主人公の喪失と再生を描くと同時に、人と世界との繋がりを感じさせる物語でもあると思います。

 

作中で明言されてはいないものの、ウィローはおそらくアスペルガー症候群で、対人関係が上手くいかない。
そんな彼女が両親以外の人々と交流し、その人々にも変化が起こる。

両者の化学反応にグッときます。

 

奇跡的な変化を遂げたハイロも好きだけど、一番印象深い人物はデル。
彼はカウンセラーでありながら子どもに対して全く真摯ではないし、自分本位だし、はっきり言って魅力のない愚かな太ったオッサンです。
でも、彼がウィローに出会い、価値観を揺さぶられて活気を得ていく様子が良い。

 

事実も感情も整理も不得手だったデルが「自分が何処にも属していないから、せめて自分に属するものが欲しい」と思うのも、他者と「チームになれた」ことを喜んだのも、よくわかる。

共感とは少し違うけど、理解できた。
自分が何か大きなものに属している感覚、世界への帰属意識を持てるって、すごく幸せなことだ。

 

ウィローはデルの家に来て世界と再び繋がれたし、デルもウィローたちと一緒にいることで、やっと世界の一員になれたのだと思う。

 

デルの〈変人分類〉が増えていくのが微笑ましい。この世は型にハマらない人たちの寄せ集めなんだ。

 

 

グエン一家がベトナム系アメリカ人である意味とか、アメリカの児童福祉制度とか、他にもいろいろ考えてしまうな。
読んでいるうちに自分の世界も広がっていくような気がする。
こういう本とても好みです。

 

三辺さんの訳がとてもいい。
読みやすくてスウッと頭に入ってくるけど、軽くない。

一言一言がくっきり鮮やかで心に残る。
言葉選びがとても好きだなあ。

 

私は本を読んで泣くことって滅多にないのですが、この本は何度か泣きそうになったし、読み終えた時は幸せな気持ちになりました。

 

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「黒鉄」連載プレ読切

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今冬より、冬目景の漫画『黒鉄』がグランドジャンプにて復活連載されるとのこと。

連載に先駆けた特別読切がグラジャン11月16日号に載っています。

 

 

いやあ、めっちゃ嬉しいです!

『黒鉄』、大好きなんですよ私。

 

渡世人そして人斬りである主人公・迅鉄が、「銘刀・鋼丸」と共に旅する中での事件を描いた時代劇です。

迅鉄は父親の仇討の末に死んだ少年で、半身をカラクリ仕掛けに改造され蘇ったという過去を持ちます。

声帯を失ったため喋ることが出来ず、意志を持つ刀「鋼丸」が彼の代弁者となっています。

 

この設定からもわかる通り、刃傷沙汰やヤクザ者の抗争など現実的なエピソードに、ほの暗い怪異が交じり合う作品です。

 

非道な人斬りとして生きつつ義理堅くもある迅鉄、

ひょうきんながら特異な経歴を持つ(ウィキペディアでモロバレしている)相棒・鋼丸、

この二人のはぐれ浮草旅がらすっぷりが魅力なんですよ。

 

元々「モーニング」に連載されていて、単行本は5巻まで出ています。

もう何年も休載中で実質完結扱いみたいなものだと思っていたので、今になって続きが読めるとは。

ネットニュース観たら15年ぶりって書いてあって、軽くショックを受けた。

 

 

で、さっそくグラジャン買ってきて読切を見ました。

感想ですが、ストーリーうんぬんの前にまたこの二人に会えたというだけで嬉しくて嬉しくて。

 

今回の話は、『黒鉄』を知らない人に迅鉄と鋼丸を紹介するのが目的のようです。

彼らが流れ者の人斬りであること。

迅鉄が改造人間であること。
喋れない迅鉄の代わりに鋼丸が口を利いていること。
だいたいのことは分かりました。


絵柄が変わっているせいか、迅鉄の目が鋭くなった気がしましたね。
表情のデフォルメが少なくなったのかな。
よりリアルな鉄仮面っぽくなってる。
前はギョロっとした目とか口とかちょっと可愛い感じでしたが。

 

この二人のまわりには常に亡者の気配があり、堅気には交わりがたい存在である。
それをいい具合に思い出させてくれる読切でした。


迅鉄が仮面を取ったことに驚いた。
ちゃんとした食事だ……そういう設定に変更したのか、よほど腹が減っていたのか。
あの「ぞぞぞ」って食べ方面白かったのに(笑)

 

そして、“死んで生き返る少女”というワクワクするキャラが出てきました。
なんだなんだ人魚の肉でも食ったか。
それとも魂を自在に出し入れ出来るとか?
今後の連載ではこの娘がキーキャラなのか。
「あんたを探している奴らがいるよ」なんて不穏な言葉も出てきたし、何か大きな陰謀に巻き込まれるのかも。

 

ギャグ要素一切なしで進んでたので、最後の方でちょっと和みました。
「ザッ」って驚く二人。驚き過ぎ。
そしてまんまと迷惑料を取られる。


丹ちゃんや朱女姐さんも出てくるのかな、出てくるといいなあ。
本格連載が待ち遠しいです。

 

 

 

 

ちなみにコミックは単行本と文庫版があるけど、どっちも中古でしか買えない状態。

 

 

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映画『インフェルノ』観て来ました。

 

『ダ・ヴィンチ・コード』『天使と悪魔』に続くラングドン・シリーズ三作目。
吹替版、ちなみに原作は未読です。


映画の感想記事の度にネタバレ注意って書いてますが、本作は特に謎解き&どんでん返しが肝となるため、何を書いてもネタバレになりそうです。
未視聴の方はお気を付けください。

 

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


人口増加に伴う環境破壊、そして人類滅亡を予期した男が塔から身を投げた。
来たるべき「地獄」を回避するため、男は強力なウィルスを拡散し、世界人口を半分に減らす計画を立てていた。

 

一方、大学教授ロバート・ラングドンはフィレンツェの病院で目を覚ます。
頭に傷を負い、記憶を失った彼は何者かに命を狙われており、ポケットには一本のバイオチューブが入っていた。
チューブの中のポインターは、ボッティチェリの絵画「地獄の見取り図」を映し出す。
それは死んだ男が残したウィルスの在りかを示す暗号だった。

 


本当によく出来たミステリーだなあ!
先が読めなくて驚かされっぱなし。面白かった。


ある人の死に始まり、絵画や歴史的建造物に隠された謎を解いていく…という展開は前作と共通しているものの、

 

・主人公が記憶をなくしており、どういう状況に置かれているのかわからない。
・教授自身に命の危機が迫り、追われる中での推理。

 

このあたりが今までとは違う構成で引き込まれました。
上手いことパターン崩してきたな。

 

むしろシエナの正体なんて1、2作目を観た人の方が見破れないのでは。

 

だってこれまでのヒロインも大胆な才女だったし(幼少の頃から暗号解読の訓練受けてたり、貴重な文献のページ破ったり)、たまたま出会った女医がダンテに詳しかろうが、しれっと男物のスーツ持って来ようが、「まあこのシリーズだしこんなモンか」って思うでしょうよ! え、思わない?

 

……割と勢いや雰囲気に流されてしまうタイプなので、こういう伏線に全然気づけないんだよな。
とにかくシエナに「やられた!」って感じです。


彼女だけでなく、序盤は誰が敵か味方かさっぱりわからず、教授自身が正しいのか間違っているのかさえ定かでない。
やっと状況がつかめてきたと思ったら二転三転するし、不気味な幻覚まで見る始末。


うーん心もとない。
ウィルス拡散まで24時間というタイムリミットもあって、不安と焦燥感でいっぱいになりながら観てました。
コーヒーすら思い出せない教授にハラハラした。

 


ダンテの「神曲」地獄篇を基に描かれたボッティチェリの「地獄の見取り図」。
滅亡の未来と地獄を重ね合わせ、「神曲」になぞらえたメッセージを解読することでウィルスの隠し場所に近づいていきます。

 

あくまで「なぞらえて」いるだけで、最終目的とダンテとは直接関係がないため、『ダ・ヴィンチ・コード』のような歴史ミステリ色は薄いです。
逆に宗教色は控えめなので、ヴァチカンの怒りは買わずに済みそう。

 

暗号を紐解き、真実に迫る過程がやっぱり面白い。
イタリア、トルコ各所の教会、宮殿、美術館に彫像。

旧跡を辿るだけでワクワクしますね。

ダンテのデスマスク関連のシーン、ちょっと笑いました。
盗まれてる!→あ、盗んだの自分だ! って流れ(笑)


物語の展開そのものが、地獄と天国をめぐる「神曲」の道程とシンクロする。
そして印象の逆転。

始めは怪しかったものが実は善きものだった(逆も然り)とわかる。

教授の幻覚の中に出てきた女なんて、すごく怖かったのに。
このへんのキッチリ計算された作りに、ただただ感心しました。

 


また、1、2作目と同じくこの映画が強く印象に残るのは、ミステリとサスペンス要素に加え、観る人に倫理を問うからだと思います。
パンフに書いてあったように、今作では人口増加という「今ここにある危機」を描いているから、余計に真に迫ってくる。
種全体の存続のために個(と言うには大人数だけど)を犠牲にするのか、という究極の選択。

 

「これだから中二病を大富豪にしちゃあいかんのだ」とも思いましたが、ゾブリストの行動も選択肢のひとつなんだよなあ。
私はラングドン教授がシエナに向かって叫んだ言葉を大事にしたい、と言うか、教授がこういう言葉を叫んでくれる人で良かった。


あとは
教授が地獄の幻を見るシーン、なんか『コンスタンティン』を思い出すなーとか、
ドローンで追跡だなんて時代は変わったなあ、とか、
教授とシンスキーのほろ苦ロマンス(*´∀`)とか。

 


シリアスな映画なんで感想まとめるのに苦労しました。
ラストが原作と異なるらしいので、そのうち小説も読んでみようかな。

 

 

 

 

最近読んだ漫画の感想です。

 

 

 

『ゴールデンカムイ』8巻(野田サトル/集英社)

 

また変態が出てきた。

よくもまあ、こう次から次へとタイプの違う変態が描けるなあ。

引くより先に感心しますよ。

て言うかクレイジーすぎて心配になってくる、この漫画がマンガ大賞ってスゲエな。

 

北海道グルメに加え、マタギ飯と剥製のお勉強も出来るナイスな巻でした。

谷垣の過去編が印象的。

母親に負い目を感じているから、アイヌのお婆ちゃんに義理を通そうとするんだな。

彼のバックボーンがわかるのも、杉元と「過去に出会っていた」演出があるのも嬉しかったです。

 

江渡貝くんと鶴見中尉のシーンがかなり前衛的なので、杉元たちのキャッキャウフフなやり取りに癒されました。

作者も狙って描いてるんでしょうけど、落差がヒドいよ。

杉元チーム和気あいあいとし過ぎだよ。

フキ食べて口真っ黒とか、薬売りのあんチャンに対する茶番とか、なんて微笑ましい四人組なんだ。

 

贋作やインカラマツによって、事態がさらにややこしくなりそうです。

「ワタシ 顔に傷のある男性に弱いんです」

うん……めっちゃ傷あるね鶴見中尉……。

パルチザンまで絡んでくるのか、いつの世も大金は人を駆り立てるのだな。

アシリパさんが悲しむ展開にはなりませんように。

 

 

 

 

『ヴィンランド・サガ』18巻(幸村誠/講談社)

 

こっちも主人公チームが微笑ましいです。

トルフィン一行好きだー、グズリ―ズとギョロ目の会話楽しい! 点呼シーン和む!

ヒルドさんも典型的な「コイツは俺の獲物だ」タイプだし、着々と仲間が集まってきています。

仲間はずれの仲間たち、いいなあ。

 

顔真っ赤になるグズリちゃんは可愛いのう。

ヒルドさんと積極的に仲良くなろうとするあたりも好感度高いぞ。

史実通りトルフィンと夫婦になるんでしょうか。

ギョロ目との息の合った漫才を見ていると、この二人がくっつくのも悪くない気がしてきます。

後にソルフィン・カルルセフニとして語られるのはギョロ目の方で、トルフィンは歴史の裏でヴィンランド開拓を成功させる……てな展開になるのではと想像が一人歩きする。

 

過去から逃れることが出来ないトルフィンは辛いし、前途多難なのは百も承知なんですが、それでも今のトルフィンを見ていると「ああ、良かったなあ」って思います。

復讐のことしか考えていなくて、誰にも寄り添わずに生きていた戦士時代に比べて、本当に成長したなと。仲間が出来て良かったなと。

 

初期の戦乱続きの展開ももちろん面白かった。

しかし、戦い以外の方法で目的を果たそうとする今の展開がものすごく好きなので、トルフィンには早く過去を清算して、商人として生きてほしいです。

いや、なかなかそれが出来ずに苦悩する姿も見たいんだけどね(笑)

トルケルに会って「殺すぞテメェ‼」なんて言っちゃうあたり、まだまだ青いな。

 

それと、トルフィンに「ずるいぞ」って言うエイナルが良かったです。

この二人の間にある、友情とはまた異なる誓約(制約?)の絆にグッときます。

思いやりはすれど甘やかさないって言うか。

諦めることを許さない頑なさ、死んで立ち止まることを許さない厳しさ。

アルネイズさんのことがあるから、エイナルは特にその思いが強いんでしょうね。

 

 

 

 

『群青戦記』1~12巻(笠原真樹/集英社)

 

少し前に一気読みしました。

滋賀(安土)の高校生が主役ってことで、地元の書店で結構推されています。

 

高校生アスリートが校舎ごと戦国時代にタイムスリップして、天下統一の戦いに巻き込まれる話です。

現代人が過去で俺TUEEEする話かと思いきや、しっかり苦労&苦悩しています。

いくらスポーツ出来るからってガチの戦いでここまで動けるか? と思うシーンもありますが、まあそのへんは少年漫画なんでご愛敬。

死人はバンバンでるし血もダラダラ流れます。基本シビアで緊迫した作品。

面白いよ!

 

必要に迫られ、戦国時代に順応していく高校生たちが痛ましくて逞しい。

弓道部、剣道部、野球部、アメフト部、卓球部など、各キャラクターが属する部活がそのまま個性になっていて、それぞれのやり方で窮地を切り抜けます。

科学部の子が番狂わせで好き。


「戦国武将VS高校生」のみならず、友情だったり劣等感だったりライバル意識だったりと、高校生同士の関係性も濃く描かれています。

すごく血なまぐさい青春群像劇って感じ。

信長や秀吉といった戦国武将も、既存のイメージから外れたキャラ付けで新鮮です。

 

単なるタイムスリップものと思いきや…な要素もあり、SF的な展開に注目してます。

関ヶ原の戦いまで描き切ってほしいな。

 

 

 

 

『G戦場ヘヴンズドア 完全版』1巻(日本橋ヨヲコ/小学館)

 

なんだこれめっちゃ面白い。

一見相容れなさそうな相手に自分を重ね合わせ、互いに発破をかけ合い救い合う(無自覚に)タイプの二人組ドストライクだから、とても良かったです。

2巻も買おう。

 

主人公の高校生らしい不器用さとがむしゃらさがなー、私の心を沸き立たせるんだ。

自分の「居場所」に対する憧憬と、「マンガを描くこと」による創作への情熱がミックスされてて、切ないんだけどすごく燃えます。

 

帰る場所がないと思っている町蔵の書いた小説を懐かしいと言う鉄男、

自分たちの元を去った母親と久美子をダブらせる町蔵、

久美子にとって心の拠り所である鉄男、

うーん主人公と相棒+ヒロインの関係性ツボだ。

毎回扉絵に描かれてる、二人並んだ背中もいいな。

 

町蔵も鉄男も父親との間にひと悶着あって、父親同士も過去にいろいろあったらしいのがまたワクワクするじゃあないですか。


「…もしお前がもう一度…オレを震えさせてくれるのなら、この世界で、一緒に汚れてやる。」

 

いい台詞だ。ここの精神的な盛り上がり半端ない。

「オレは、お前を本物にするぞ。」も好き。

こういう、ちょっと芝居がかってると言うか、決めゴマでバシッと決め台詞叩き込んでくる漫画に弱い。