シンドローム

テーマ:

 

 

鬼束ちひろの最新アルバム『シンドローム』買いました。

 

鬼束ちひろ名義では約6年ぶりのオリジナルアルバムとのこと。
そう言えば前のはバンド名義だったっけ。
シングルも買ってるとあんまり期間があいた気がしないな。


【収録曲】
Disc 1
1. good bye my love
2. 碧の方舟
3. 弦葬曲
4. Sweet Hi-Five
5. ULTIMATE FICTION

6. 悲しみの気球
7. シャンデリア
8. 火の鳥
9. good bye my love (acoustic version) 

 

Disc 2
LIVE 2016 BEST SELECTION ~TIGERLILY
1. 月光 ★
2. 眩暈 ★
3. 流星群 ★
4. 私とワルツを ☆
5. MAGICAL WORLD ★
6. everyhome ☆
7. 蛍 ★
8. 帰り路をなくして ★
9. 惑星の森 ☆
10. 夏の罪 ★

 

☆ Live at 大阪サンケイホールブリーゼ on July 22, 2016 
★ Live at 東京中野サンプラザホール on November 4, 2016

 

Disc2は初回限定盤のみのライブ音源CDです。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

この人の歌は本当に心地よいなあ。

「哀しさ」「優しさ」を感じる曲が多いので、じっと聴いていると心身が落ち着く。
鬼ロックも好きな私としては、1曲くらい「激しさ」を感じる曲があってもよかったと思うのですが、次回に期待と言うことで。

 

構成とか雰囲気とか、原点回帰のアルバムですね。
シンドローム(症候群)とインソムニア(不眠症)も、なんだか語感が似ているし。

でも全く同じところに戻って来たのではなくて、別次元へ跳躍した上での帰還です。
自分より年上のアーティストに向かって言うのもおかしいですが、成長してるなあ。

 

彼女は元々、たくさんの人に向かってその人たちの気持ちを代弁したりするタイプの歌手ではなかった。

自分の気持ちを解き放ち、それに共鳴した人たちが勝手について来るタイプで、今もそれは変わらないと思う。

ただ、『インソムニア』の頃に比べて『シンドローム』ではずっと、彼女自身の心が外に開いてる気がする。

 

曲に登場する〈私〉と〈貴方〉にしても、

世界の一員になれない〈私〉が〈貴方〉を必要としていた初期に対し、今は〈私〉自身が危ういながらもちゃんと世界の中にいて、〈あなた〉と向き合ってる(そばにいるにしろ離れるにしろ)って感じです。

 

「最後になど手を伸ばさないで

 貴方なら救い出して」

「どこにも居場所なんて無い」(月光)

と歌っていた人が、

「貴方という終わりで溺れる

 でも 構わない

 辿り着く

 その場所は何処でもいいのだろう」(碧の方舟)

と歌う。

 

「Fly to me Fly to me Fly to me now

(飛んで来て 今すぐ私の元へ飛んで来て)」(Fly to me)

と歌っていた人が、

「千切れた心は羽根となれ飛んでゆけ

 貴方の元からどんどん離れてゆけ」(弦葬曲)

あるいは
「億千の夜を超えて

 貴方の翼になり その背を押していく」(火の鳥)

と歌う。

 

〈私〉を肯定し、〈貴方〉という存在さえ越えて〈私〉を解放する今がある。

このアルバムの収録曲に出てくる「億千の夜」「旅路」は、以前の曲の中にいた〈私〉と〈貴方〉が超えてきた夜であり、辿って来た旅路であるように思えました。

「流星群」で過ごした「言葉にならない夜」であったり、「everyhome」で待ち続けていた「次の列車」であったり。

 

鬼束さんが意図したかどうかは別としてね。

『シンドローム』で歌われる〈私〉と〈貴方〉に、私は無性に物語を見出してしまいます。


「悲しいだけの love song もう歌えない」という歌詞が印象的な「good bye my love」、

切なさの中に解放感がある「弦葬曲」、

他と少し曲調が異なる「ULTIMATE FICTION」、

サビのメロディがきれいな「悲しみの気球」が特に好き。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

Disc2のライブ盤は感無量。

はーっ、鬼束ちひろの声とピアノ(+弦楽器)の組み合わせ。

シンプルかつ絶対美の化学反応。H2Oだ。

 

圧巻の「月光」。

そして「流星群」がとても良かった! 聴いてて涙が出てきました。

「私とワルツを」「惑星の森」は元々好きな曲だし、今の声で聞けたのが嬉しいです。

声の伸びが良い。

 

最後はセルフカバーの「夏の罪」。

激しくしっかりした低音の花岡バージョンに対し、儚くも強い鬼束バージョン。

同じ曲でもガラッと変わりますね。

私はこういう、哀しいながらも熱を帯びてる鬼束ソングが大好きです。

 

今までのアルバムを1から聴き返したくなった。

とにかく、鬼束さん成長してるなあ!と感じるアルバムでした。

 

 

 

インソムニア インソムニア
3,146円
Amazon

 

AD

改めてKUROGANE

テーマ:
「グランドジャンプ」2017年2月15日号にて、冬目景の『黒鉄・改』連載始まりました。
楽しみにしてたのでテンション高い。以下感想です。
プレ読切の感想記事でも書きましたが、また迅鉄と鋼丸に会えて嬉しい。
しかも、丹ちゃん出てくるといいなあ~と思ってたらのっけから出てきたよ!
迅鉄の目つきが悪くなってる傍ら、丹ちゃんも若干目つきが鋭くなってるような。
ハイライトがないからそう見えるだけかな。このへんは絵柄の変化ですね。
 
行方不明の主人公を探す&主人公の相棒と少女が仮タッグを組む。
おう、表紙とアオリで散々迅鉄&鋼丸の二人組感を出しておいて離れ離れとは。
バディものの王道展開であります。
真っ先にポケスペのイエローとピカチュウを思い出した私を許してください。
 
迅鉄と鋼丸は“二人で一人”ってイメージだからなー。
丹ちゃんに拾ってもらえた鋼丸はともかく、あの人相かつ声が出せないって迅鉄にとってかなり不自由な状況になりそうです。
早く合流してほしい気もするし、別行動の緊張感を味わっていたい気もします。
 
ところで、鋼丸はある程度迅鉄の近くにいないと喋れないんじゃなかったっけ?
鉄仮面外せるようになってたり、ちょこちょこ設定が変わっているようです。
 
丹ちゃんに「行くぜ鋼丸」って言われた後の鋼丸のコマに目が行きました。
単に気合を入れた「グッ」なのか、迅鉄以外の人間に振るわれることへの複雑な感情交じりの「グッ」なのか。
 
私、第1話で鋼丸が迅鉄に言った「俺ァ銘刀鋼丸ってェんだ ま おめェには呼んでもらえそうにねえけどな……」って台詞が好きでしてね。
以心伝心の相棒なのに決して名前を呼べない/呼んでもらえない間柄、と言うのが少し切ないと言うか、この二人の独特な関係性を体現する部分だと思っているので、丹ちゃんに「鋼丸」と呼ばれた鋼丸がどんな気持ちなのか興味があります。
 
「おまえセコイな」って、ツッコミ役か。
迅鉄といる時はおちゃらけている鋼丸だけど、丹ちゃん相手だと調子くるいそう。
ああーダメだちょっと、予想外の離れ離れスタートで妄想が捗る。
再会したら、俺のありがたみがわかったかorあの女にこき使われて散々だった的な軽口を叩いてほしい。
妄想が止まらん。
 
丹ちゃんもさ、どんな態度で迅鉄に接するんだろう。
単行本5巻の時点で恨みは消えてるはずだし、まだ「借りを返したい」気持ちでいるんだろうか。
 
幕府なんて単語も出てきましたし、やはり今までより規模の大きな陰謀が見え隠れしています。
プレ読切で謎の少女が言ってた「あんたを探している奴らがいるよ」ってのが、迅鉄を襲ったイレズミ集団なんでしょうね。
薬園で働く兄妹……薬園……前に出てきた白いお薬が絡んでくる?
となると麻紅が登場するかも。好きなキャラです麻紅姐さん。
気になる、続きが気になる!
 
 
せっかくなので他連載の感想もちょろっと。
 
●こううんりゅうすい
秦の使いが倭国で不死の神薬探し。
おおーこういうの好き。ただし戦の持ち込みテメーはだめだ。

●甘い生活
乳丸出しの絵面に「アホやなー」、あらすじと人物紹介読んでさらに「アホやなー」。
海洋戦艦を幻視するブラジャーってなんだよw

●キャプテン翼
試合中に楊枝くわえてていいの?
「サッカーはボールを使った格闘技」……じゃあラグビーやれよ、と素で思った。

●明日葉さんちのムコ暮らし
アホやなー(二回目)
ハミ肉巨乳熟女(と言う名の中年太り)フェチとはちょっと難易度高いが、大井先生の絵はかわいい系だし主人公夫婦が純愛っぽいので緩和されてる気がするな。
後半ちょっとしんみりした感じで良かった。

●ちびしかくちゃん
愛情より金! こんなさくら家いやだw
実はちびまる子ちゃんの原作って読んだことない。

●ムジカ・ノストラ
リンゴからお礼メールすげー。
やっぱ持つべきものは人脈だよなあ。

●不倫食堂
うーん、料理も食べてる顔もあんまり美味しそうに見えない。
唇はエロかった。

●地獄先生ぬ~べ~
実はぬ~べ~の原作も読んだことない。
幽霊も妖怪も出てこないけど、鬼の手ってこういう使い方するもんだったっけ(笑)

●ギャルソン
嫌われ者がいることでチームの結束が強まる法則。
あー、サービスとは何かってのは身につまされるな。
熱意でカバーは新人の特権だね。

●イノサン
絵のインパクトがすごすぎて話が頭に入って来なかったので二回読んだ。
ワイドショー風の演出が面白い。

●王様の仕立て屋
へえっ、スカジャンってワールドワイドなんだ。
何と言うか、ファッションってめんどくせーな!
アパレル業界にいるわけでもないのにこんな風にゴチャゴチャ批評されるなんて、たまったもんじゃない。
しかし勉強になりました。
 
AD

大阪キャッツは良いキャッツ

テーマ:
劇団四季ミュージカル『CATS』、大阪四季劇場公演観て来ました。
キャスト表をはさんで、以下感想です。
 
 
 
 
CATSはいいねえ、いつ観てもいい。
実は去年も観に行ったんですが、お金と時間さえあれば月イチで行きたいよ。
 
満月の夜、ゴミ捨て場で年に一度だけ開かれる“ジェリクル舞踏会”。
そこに集まった個性的な猫たちが、入れ代わり立ち代わり歌って踊ります。
 
ストーリーらしいストーリーがあまりない作品で、そのせいか? だからこそ? 歌と踊りにウキウキするし、キャラクターに愛着が湧いてきます。
舞台の上で楽しそうにしている猫を見るのが楽しい。
各ナンバーで主役になる猫が歌っている間、他の猫たちが隅っこでくつろいでたり、隣同士話してたり飛び跳ねてたりね。
もちろん全員が声と動きを揃えて歌うところも感動的だ。
舞台のどこを眺めても楽しいのがキャッツの良いところだと思います。
 
たくさんいる猫たち全部を把握しようとしても目が追い付きませんので、私はついつい好きな猫ばっかり見てしまいます。
前に観た時はマンカストラップを追ってたので、今回はグリザベラ。
 
明るく、ずっと手拍子していたいような曲の多い中、グリザベラの登場シーンは独特です。
皆が踊っているところに入ろうとして威嚇され、ひっかかれて去っていく。
誰もいない時に一人で踊ろうとしてよろけてしまう、自分の尻尾を弱々しく握る仕草が印象的でした。
でも、その一人で歌う姿をオールドデュトロノミーが見ている。
このシーンと演出が記憶に残っています。

早水さんの声好きだなあ。
早水グリザと黒柳バブの響き合いがすごく好き。
グリザベラの淋しいけれど芯の強い声と、黒柳バブのやわらかくて澄んだ声。
対照と調和だ。
 
「お願い 私にさわって 私を抱いて」
ここで思わず涙ぐんでしまいました。
 
歌い方で言えば、泥棒猫2匹の「マン!ゴジェリー!とラン!ペルティーザ!」と、
ディミータ&ボンバルリーナの「マキャヴィティ マキャヴィティ!」も好きです。
ここの歌い方、特に役者さんの個性出る気がするんですよ。
語気鋭くスタッカートの人もいれば妖艶な人も。
吉村ディミと金ボンバルはなめらか滑らかに聞こえました。

ちなみにマキャヴィティのこのナンバー、本人のいないところで小物呼ばわりされてるマンゴジェリーを思うといつも笑いそうになります。
加えて、他の猫を庇うように犯罪王に立ち向かうリーダー猫が見られるので、マンカスファンの私はちょっと嬉しい。
 
ジェニエニおばさんは「ハイ!」「それ!」みたいな掛け声入れてくれたのが楽しかったし、タガーのナンバーは雌猫たちの「にゃ~おんドキドキ」がガチだった(笑)
タガーのフェロモン、パワーアップしてないか?
上川タガーは何て言うかこう、経験値高そうな感じがしました。
 
始めから終わりまで全部好きなんですが、どれか一つと言われたらガス&ジェリロのパートでしょうか。
年寄り猫に優しく寄り添う雌猫。
この二人がツボだし、二人が歌ってる間にデュトロノミーがそばの猫たちと何やら話していたり、それぞれの猫の細かい動きが見られます。
 
グロールタイガー、グリドルの尻尾の扱いに笑っちゃいました。
グリドルの部屋がピンクで可愛い。
ゴミバケツの中(?)とは思えぬキュートなお部屋。
 
 
今回、席が1階の通路に面した場所だったので、駆け抜ける猫を間近に見られて良かったです。
最初の瞳ライトにドキッとし、猫の近さにさらにドキドキ。
ミストフェリーズの持ち場だったらしく、「ネーミングオブキャッツ」の時そばにいたのも、最後の握手もミストでした。
真ん前だったので少し、いやかなりドギマギしてました。

あと、幕間にも通路を猫が通るんですね。
ゆっくり歩いてたり、じっと座っていたかと思えば顔を洗ったり、演じているのは人間なのにそこにいるのはまさしく猫。すごいなあ。
 
休憩時間にステージ上を見学出来るようになっていました。
ん、十数年前はデュト様がサインをしてくれたような?
しかしこれもとても嬉しいサービス。
缶詰、古本、パックに入ったままの割れた卵、プリットのり、たまごっち等々、いろんなゴミがごちゃごちゃしてて面白かったです。
グリコの箱は大阪限定でしょうか。
 
カーテンコールではタガーがサービス。
ふざけて爪を振りかざしミストを追い出したり、観客に拍手を要求したり。最後はちょいとセクシーに。
上川タガー、お茶目だ!
 
 
ああ~やっぱりCATSはいいな!
もう一回観に行くか、京都でやってる『美女と野獣』を観るか、その次の『ノートルダムの鐘』にするか、迷うところです。
 
 
AD

北欧の国と南の島と

テーマ:

降り積もる雪から目をそらしつつパソコンに向かっています。手が冷たい。

最近……と言うかだいぶ前に読んだ本の感想です。

 

 

 

『白夜の爺スナイパー』(デレク・B. ミラー著 加藤洋子訳/集英社)

 

シェルドン・ホロヴィッツ、82歳。孫娘夫婦と暮らすため、アメリカから嫌々ノルウェーに移ってきた。危うい記憶や言動で、周囲を振り回す生活だ。ところがある日、母親を殺された少年を守る羽目に陥る。少年を追う暴力男や、迫り来る尿意と闘いながらの逃避行。道中、覚醒していく元スナイパーの嗅覚。たぎるユダヤ人のプライド。彼らを待ち受ける意外な運命とは? 傑作クライム・スリラー!(裏表紙より)

 

「爺(じじい)スナイパー」ってタイトルとあらすじを見て、『窓から逃げた100歳老人』みたいなスーパーじいちゃんコメディを想像していたら、実際は結構シリアスでした。

 

現代ノルウェーを舞台に、かつて朝鮮戦争に従軍した老ユダヤ人と、セルビア人による民族浄化を経て生まれたアルバニア人少年が出会う。

この時点で社会派っつーか、重いです。

派手なアクションよりも主人公の心情を掘り下げる描写が多く、老人が少年との逃避行を通じて過去と向き合うのが主軸のお話でした。

 

しかし爺のキャラがこれまた想像してたより人間的で親しみやすかったので、ヘビィながらも面白かったです。

怒れる偏屈頑固じじい、好きだね。

文章もさっぱりしたユーモアを交えてあって読みやすい。

 

問いを繰り返す人の話だな、と思いました。

 

逃避行の最中、シェルドンがポール相手に(そして独り言のように)語り続ける姿が哀しく、痛いです。

彼の胸にはホロコーストを黙殺した世界への憤りが燃えている。

その思いは母親を殺されたポールの存在によってさらに強くなる。

シェルドンの言葉を読んでいると、傍観者でいること、関与者であるのに目撃者然とすること、犠牲者のフリをすること、その罪を突きつけられている気分になりました。

 

また、話が進むにつれて、彼の抱える罪悪感や脆い部分も見えてきます。

何度も自問される、息子を戦場へ送ってしまったことへの後悔。

世界に怒りをぶつけるシェルドンが、彼自身の過去とユダヤ人三千年の歴史に押しつぶされそうになっているのがわかる。
だからシェルドンが好きになったし、つい寄り添ってしまうんだよなあ。

 

お前らはあの時なぜああしなかったのか、自分はあの時どうすればよかったのか。

投げかけられる問いは宗教と哲学の領域に踏み込んでいるし、人間性に触れてもいました。

 

悶々と思考する展開に反して、結末は驚くくらいのあっけなさ。

読み終えた瞬間はどうにもスッキリしませんでした。

が、少し考えてみて、シェルドンははじめから未来ではなく過去を向いていた、だからこれでいいのかもしれないと納得しました。

 

シェルドンの行動がただの悪あがきだったとしても、最後には自分を許すことが出来たと思いたい。

命が受け継がれたことに満足出来たのだと思いたい。
 

グッときたのが、息子の時計のひげぜんまいを新しい時計に嵌め込むシーンと、銃をカメラに持ち替えた理由を語るシーン。

戦争を経験した人の中には、本当にこういう理由で写真を撮る人もいるのかもしれないな。

 

 

 

 

『20億の針(新訳版)』(ハル・クレメント著 鍛治靖子訳/東京創元社)

 

2隻の宇宙船が南太平洋に墜落した。1隻に乗っていたのは捜査官、もう1隻に乗っていたのは犯罪者。両者とも人間ではない。高度な知性をもったゼリー状の生物であり、彼らは宿主なしには生きられない。捜査官は一人の少年の体内に宿り、犯罪者は別の人間にとりついている。だがいったい誰に? 容疑者は地球上の人間全員、20億人。様々な寄生生命SFの原点となった歴史的傑作。(裏表紙より)

 

こちらは南の島を舞台にしたSF。

『世界が終わる前に』(BISビブリオバトル部シリーズ)の作中で話題にされており、面白そうだったので読みました。

ぶっちゃけ「寄生獣の元ネタ」ってのに惹かれました。

 

うん、確かに新一とミギーっぽさありますね!

ごく普通の少年とゼリー状生命体、ボブと“捕り手”。二人の相棒関係好きです。

 

“捕り手”は知的で、意外と感情豊か。

ちょっとウカツなところもあるし、楽天的すぎるきらいもある。
癇癪起こしたり悦に入ったりなかなか可愛い。
利発だけどヤンチャなボブにヤキモキして説教するの、イイネー(´∀`)b
そんな“捕り手”をボブがからかうところ、イイネイイネー(´∀`)b

 

昔の作品だからか、ボブが割と物分かりのいい良い子ちゃんなんだけど、だからこそたまに皮肉を言ったり懐疑心が芽生えたりするとニヤッとしますね。
昨今のガンガン衝突して距離を縮めていくタイプの二人組とはまた違った魅力があります。

 

文章があっさりしてて、「え、今2人の絆めっちゃ深まったよね!? ここもっと劇的に書いてもいいのでは!?」ってシーンもさらりと書かれています。
マッチを擦って、“捕り手”への猜疑を払拭するシーンが個人的ハイライトです。

なんかアレな感想ですがいつものコンビ萌えなんで気にしないでください。

私の中ではこれはバディ小説なんだ。

 

思いのほか軽いタッチで読みやすかったです。
地球外生物の追跡劇と南の島での日常、一見ミスマッチな要素が程よくミックスされています。

犯人捜しについてはそこまでスケールが大きくはなく、むしろ「宿主の体から追い出す方法」にドキドキしましたね。

少し古めのジュブナイル小説みたいな趣を感じました。

 

 

 

 

2017年1月9日

テーマ:

明けてますねー年が。おめでとうございます郷里です。

 

昨年末は本の感想か何か更新してブログ納めしようと思ったのに、大掃除をしているうちに時間がなくなりました。

気合いを入れ過ぎて年が明けても掃除してました。

ピカピカの精神はピカピカの室内に宿るというもの。さて何月までもつかな。

 

今年ものんびりやっていきますので、良ければお付き合いください。

 

 

初詣は近江神宮に行きました。

競技かるた大会の開催地として知られる一方、祭神・天智天皇が日本で初めて漏刻(水時計)を設置したことから、時間や時計とも深い関わりのある神社です。

 

境内の石碑に和歌が。

 

 

「人間の知恵のはじめよひそひそと

秘色(ひそく)の水に刻(とき)まあたらし」

 

解説によると、

近江神宮の漏刻に接し、刻を水に繋げた古人の英知に感銘し

水と時間の連続性、永遠性へと思いを巡らしての一首

とのこと。

 

和歌の良し悪しはよくわからんのですが、語感と言うか文字の発するイメージが好みだったので思わず撮影。

「知恵のはじめ」が「ひそひそ」というのが良いじゃあないですか。

 

ちなみに秘色とは←こういう色らしい。ほほう。

 

 

近江神宮は滋賀県大津市にあります。

電車で行ったら、駅に鉄道むすめがいました。

 

 

石山ともかちゃん。

物静かで非常に努力家なんだそうな。アラやだカワイイ。