舌鋒(ぜっぽう)鋭く切り込む論理性、よほどのことがない限り撤回しない頑固さ…。菅直人新首相が党の司令塔となる幹事長ポストに白羽の矢を立てたのは、46歳の枝野幸男氏だった。小沢一郎前幹事長とは常に距離を置いてきた政治スタンスも、世論に好感されているようだ。ただ、絶妙すぎる政界遊泳術に違和感を覚える声や、参院選の陣頭指揮を執ることへの不安感もささやかれる。(松本浩史)

 なぜ小沢氏と相いれないのか。昨年9月の政権交代前に枝野氏に尋ねたことがある。答えは明白だった。

 「小沢氏には民主主義がない。自分の言うことを聞かない人を認めない」

 「幸男」という名前は、初孫の誕生を喜んだ父方の祖父がつけた。「憲政の神様」と呼ばれる尾崎「行雄」を信奉していたため、同じ呼び名となった。政治家になる夢は、小学生のときから抱いていたという。

 旧日本新党の公募で平成5年7月の衆院選に旧埼玉5区から出馬し、29歳で初当選。自社さ政権のときには、厚相だった菅氏とともに、薬害エイズ事件の真相究明に尽力した。

 以後、菅氏側近として重用され、旧民主党時代に菅氏が代表に就くと、枝野氏を政調会長に抜擢(ばってき)。14年に菅氏が代表に返り咲いた際も、同じポストで処遇された。

 もっとも、菅氏に反旗を翻したことも。16年、党代表を務めていた菅氏に年金未納問題の疑いが浮上した際、「きちんと説明できなければ代表をやめるべきだ」と突き上げ、結果的に菅氏を辞任に追い込んだこともある。

 当初から、菅氏が主宰する議員グループ「国のかたち研究会」に所属しているが、小沢氏と距離を置く前原誠司国土交通相の「凌雲(りょううん)会」にも所属。最近は、菅氏の勉強会は「名前だけ」(周辺)で、もっぱら凌雲会が活動の中心となっている。

 つかず離れずで菅氏との間合いを微妙に計りながら、遊泳してきたしたたかさが透けてみえる。

 幹事長としては何よりも、正副幹事長会議など党の意思決定を取り仕切れるかが問われる。すでに小沢氏グループには、「お手並み拝見だ」(中堅)と突き放した空気も出ており、枝野氏が強引に事を進めて亀裂を増幅させる事態となれば、調整能力に疑問符がつきかねない。

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