出版社社員と名乗る45歳男性が、自分が勤める会社のリストラ・早期退職に関する内容をドキュメンタリータッチでブログに書き、話題になっている。2010年5月末に早期退職するまで書き続ける、と宣言、社内の混乱やリストラ後の給与などを克明に記述している。

 ただ、内容が本当なら、内部情報を漏洩したとして、社内処分が出てもおかしくない。

■社員120人のうちの50人を早期退職

 問題のブログは「はてなダイアリー」で2010年3月29日に始まった「たぬきちの『リストラなう』日記」。筆者が勤めているのは業界の売り上げ順位10位くらいの総合出版社だという。勤続20年、編集、宣伝、販売などの部門を経験した。3月中旬に会社が「このままでは立ちゆかないので、社員を減らします。優遇措置を設けたので希望退職を募ります」と宣言、リストラが始まった。以降の会社の対応や自分の心境を、4月21日までに19回綴っている。

 出版社は3月中旬にリストラ策を発表。項目の一つに早期退職社募集があった。対象になったのは50代以上と、営業・管理の40代以上で、社員数120人のうちの50人。早期退職に応じた場合、退職金が上乗せされるが、社に残った場合、過酷な給料カットが待っているという仕組みだ。

■面接者に向かい「お前が辞めろ!」と怒鳴る

 ここでは09年6月に基本給5%カットがあったばかりなのに、40歳以上が15%カット、40歳未満は10%カットされる。そのほか諸々の手当も無くなる。「たぬきち氏」の09年度の年収は1169万7471円だった。仮に早期退職しなければ「だいたい840万くらいに下がる」と計算している。

 色々悩んだあげくに早期退職を決意したのだが、決め手は給与の減額ではなかった。出版社が経営的にピンチに追い込まれていることだけでなく、電子化の流れについて行っていない、など将来性がないと踏んだからだ。

 早期退職の募集を開始してから社内には殺伐としたムードが流れた。「辞めさせる五十名のリストがある」「あいつは載ってる。ガチだ」などの噂が出て、自分の未来を考えるより、デマについて語る時間が長くなる。ある人は早期退職を担当する面接官に「このまま残られても、今と同じポジションで残れるかはわかりません」と言われ、面談の中でキレ、面接者に向かい「お前が辞めろ!」と怒鳴りつけた。早期退職が決まったのは39人。定員に満たず、そのため対象者を「編集部門の四十歳以上も含む」に広げるらしい、と書いている。

■「 退職金を取り上げられるとかあるかもしれない」

 出版社のリストラの内幕を「完全暴露」しているわけだが、退職が決まったからといって社内情報を公開するのはどうなのか。実は、たぬきち氏も心配していて、このブログの存在が知られれば「クビだっ!とかなるんじゃなかろうか」「こっぴどく叱られるかもしれない。退職金を取り上げられるとかあるかもしれない」と書いている。

 それでもなぜ書き続けるかと言えば、勤める出版社は情報公開をしない体質だからだという。今回のリストラも業界紙に小さく記事が載っただけ。

  「こんなこと始めちゃった僕にはもはや、外部の人に対する説明責任があると考えたからだ」

と書き続ける理由を説明している。

 このブログについて、ネットでは「出版業界の置かれている状況がよくわかる」「たぬきち氏の勇気ある発言に心奪われる」などと評価が高い。たぬきち氏が勤務する会社だとネットで名指しされている出版社に、処分はあるのかどうか聞いてみたところ、広報室から、

  「(わが社の)社員であるともないともお答えできない」

との回答が返ってきた。


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