トンボを見ながらいつも感嘆するのは、翅の美しさです。
特に翅脈と言われる細い管が作り出す美しさには、もう単なる美しさではなく、神秘的な美しさを感じます。
ベニトンボみたいに、翅脈までも自分の色に染め上げてしまう種もいれば、繊細な模様で惹きつけるトンボもいます。
それがハグロトンボです。
ハグロトンボの翅脈はさらに心ひかれるモノがあって、つい翅脈を触りたくなってしまいます。（もちろんしませんが）
できたら翅脈にインクを塗って版画みたいに刷って、それを使ってデザインをしてみたい衝動にも駆られます。（もちろん、もちろん、そんなことはいたしません）
そう思うのも、ハグロトンボが持つ翅脈の緻密さのせいです。
もう一つ、ハグロトンボの翅の美しさに惹かれる理由に、「縁紋がない」と言うのもあります。
縁紋がないので、翅は黒一色。
翅脈の凹凸（おうとつ）が作り出す濃淡を上手く使って、さらにリアルに繊細さを表現しています。
飾りのないところで、きっちり見せ方を考えているなあって、思います。
ちなみに縁紋を持たない日本産のトンボは、ハグロトンボ、リュウキュウハグロトンボ、アオハダトンボ、ミヤマカワトンボの４種ですが、ハグロトンボを除く３種は、♀が白い偽縁紋を持っています。
撮影日 2014/8/22 撮影場所 宮崎県串間市
撮影日 2014/8/22 撮影場所 宮崎県串間市
【これまでのハグロトンボの記事もご覧下さい】
2010年1月20日「ハグロトンボ ♀」
2010年7月16日「ハグロトンボ ♂」
2010年7月17日「ハグロトンボ ♀」
2010年8月29日「ハグロトンボ ♂ 捕食」
2010年8月30日「ハグロトンボ ♀ 捕食」
2012年12月20日「ハグロトンボ 2012年夏」
2013年8月7日「ハグロトンボ ♀ 頭胸部はグリーンメタ」
2014年5月30日「ハグロトンボ ♀ 2014年初見初撮り」
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