2010-04-05 01:30:00 テーマ:コラム -編集委員会だより

滅亡へと歩む自民、支持率を下げても栄えゆく民主政権

編集委員会だより 4月5日(月)

滅亡へと歩む自民、支持率を下げても栄えゆく民主政権



  本紙編集委員(社会班) 巷 探山




ハヤ朝報-自由民主党本部
滅亡に向け、外堀が埋まりつつある自民党

「城」の明け渡しも近いのか!?

(東京都千代田区の自民党本部)


先週は、年度変わりの週となり、いよいよ政権交代を実感する予算も動き出した。

そんな中、自民党を取り巻く状況は、暗たんたるものとなってしまった。年度末となる31日、例によって国会ではいわゆる党首討論が行われたが、もはや自民党の谷垣禎一総裁との討論は、主要なニュースにもならないほど、興味のないものになってしまった。


そしてその日に参議院では、若林元農水大臣による「幽霊投票」事件という珍事が発生。早くも2日には議員辞職が許可されてしまった。もともと7月の通常選挙で勇退となることが決まっていたとはいえ、若林前議員の公設秘書たちは、突然の3ヶ月前倒し失職にさぞかし泡を吹いたことだろう。お気の毒としか言いようがない。


さらにこの週末には、とうとう与謝野元財務大臣らが、「自民党から脱藩?」とばかりに離党に踏み切った。ようやく覚悟を決めたようだが、今後は、金策のこともあるから、すでに離党している鳩山邦夫氏とも連携しなくてはならないだろう。


とはいえ、遅かれ早かれ瓦解することはわかっていた「自由民主党」だが、新年度を迎え、現実味を帯びてくると寂しくも思えるものである。


徳川幕府が始まったころ、関が原の戦いは終わったとはいえ、まだ豊臣家は厳然と大坂城に割拠していた。

この故事と同じく、衆院の総選挙も終わり、自民党は下野したとはいえ、永田町の党本部は厳然と存在している。豊臣家は、その後、大坂冬の陣で巨大な大坂城の外堀を埋められ、裸の城になり、続く大坂夏の陣で自害して果ててしまったが、そろそろ自民党も外堀が埋まりつつあるのだろうか。


今後も、若林元農水大臣のごとく、風変わりな珍事を起こして、突如姿を消す人も出てくるかもしれないし、与謝野氏のように逃げ出す人が出てくるかもしれない。


組織がモノをいう参議院選挙を前に、自民党の伝統的な支持団体も、離反や中立といった形で距離を置く中、どう考えても自民党が勝てる要素が考えにくい状況が深まるにつけ、逃げ出す人は続出しそうである。


そんな中、支持率低迷で表向き悩んでいるフリをしているのが民主党と鳩山内閣である。

しかし、その当事者である民主党にせよ、鳩山内閣にせよ、悲観する様子もない。なぜなら、傍から見ても、不利な要素が、直近の世論調査ぐらいしかないからである。




ハヤ朝報-民主党本部
支持率低落でも意気軒昂な民主党

(民主党本部)


新聞などの大手メディアは、懸命に世論調査に精を出し、政権与党にマイナスとなる数値を報ずるものの、組織がモノをいう参議院選挙を前にして、民主党は組織固めと選挙準備に万全の策を整えつつある。小沢幹事長ら民主党本部が仕掛ける、一見無謀にも見える定数複数の選挙区における複数擁立作戦だが、これも、基礎票となる組織を固めた上での戦術であろうから、共倒れするような事態にもならないのではないか。むしろ、敵が脆弱な状況下で、競争し、凌ぎを削ることは票の掘り起こしになり、自民党側にとどめを差す可能性が高そうだ。


もちろん、複数擁立の2人目があまりにも無名で捨て駒のような候補では、意味がない。

京都選挙区では、福山哲郎・外務副大臣に続く2人目として、地元が、知名度もない、若干30歳の衆院議員の秘書を立てようとしたが、これではやる気がないと思われても仕方がない。結果として、党本部と地元の中を取る形で、衆院比例選出の現職衆院議員が鞍替え出馬するというもったいない事態になったが、そこまでしてでも、強気に勝負に出る民主党の姿勢は、アッパレなことだ。


来る参議院の選挙も、民主党が負ける要素はない。

世論調査の支持率が低いと反論する向きもあるだろうが、話にならない。なぜなら、繰り返し申し上げるように、モノをいうのは組織選挙であり、そして組織プラスアルファだからである。

そのプラスアルファの部分に、低支持率がマイナスの影響を与えるのはその通りだろうが、それなら民主党は辛勝となるだろう。そして、自民党が勝つわけでもなく、第三極が少し割って入るぐらいのことである。

結果としては、民主党、社民党、国民新党による連立政権は揺らがない。


さらに、選挙は7月に予定されているが、政策の実施とその浸透という効果もある。

4月から高校の無償化は実現している。6月には子ども手当が振り込まれる。子ども手当は、3ヶ月分が入るので、15歳以下の子どもが1人いる世帯なら39,000円。2人なら78,000円。3人なら117,000円が振り込まれる。現実に現金が振り込まれ、しかもこれが継続的に続けられるという子育て世帯における心理効果は大きい。


将来の負担だの、財源だのといった賢い心配をして批判的だった人でも、これらのモルヒネはじわじわ効いてくるだろう。

そもそも、子ども手当は、子育ての社会化(社会で子育ての面倒をみる)という意図や、賃金が上がらない今日における子育て世帯の所得保障といった意味合いがあるのだから、対象世帯の人は、遠慮なくもらえばいいのである。


5月までには、米軍再編問題というハードルが待ち受けてはいるものの、その影響は限定的かもしれない。現在は、さじがアメリカ側に投げられた状態なのだが、日本側の提案を受けるしかないのではないだろう。その日本側の提案も、沖縄県民の反対を招く県内移設案と思われるが、そこは、鳩山政権も無策ではなく、何がしかのアイデアが含まれているだろう。

とすると、この問題でも、不安定要素がないとはいえないものの、参院選挙を前に政権の息の根を止めることにはならない可能性が高い。


今後、新聞等では、世論調査で鳩山政権や民主党の支持率が「また下がった」とご親切に繰り返すだろう。これによって、政権や民主党にお灸をすえることぐらいにはなるかもしれない。


しかし、それでも昨年始まった「民主党の世」は、微動だにするものではない。(終)


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