第23話 雨あがる
テーマ:ホークス
第23話
雨あがる
5月29日(日)。ホークスは中日との交流戦最終日、前日の「大勝」の勢いのままいっきに勝負を決めてしまいたいところだった。だが、試合は逆転ののち同点に追いつかれた。9回無死1、2塁のサヨナラのチャンスを主軸が、ものにすることができず延長に。10回に決勝打を打たれ敗れた。
この試合、松中は7年連続の20号本塁打を56試合目で到達。44本打った昨シーズンを2試合上回るペースだ。みごとなホームランが見られたことで良しとするか。
5月30日(月)。東京地方は終日雨。私は前日にエネルギーを使い果たしてしまったのか。あるいはブルーマンディ(憂鬱な月曜日)なのかはわからない。何をするにも気力が湧かない。
前日、早寝をして睡眠はたっぷりのはずなのに、眠い。だが、その日の夕方、私は「熱い」人物に会うことができた。
元ロッテ投手で、江戸川大学助教授、ソフトバンク取締役の小林至である。
小林は『合併、売却、新規参入。たかが・・・されどプロ野球!』(宝島社)を著した論客であり、
「日米の野球ビジネスを知り抜いている」数少ない行動派でもある。
孫が野球について勉強していくうちに「自分と同じ情熱と考えをもっている人物」と小林をソフトバンクに招聘した。
小林は東大から1992年にロッテマリーンズに投手として入団。2年でユニフォームを脱いだのちは渡米し、コロンビア大学で経営学博士号(MBA)を取得。フロリダのTV局に勤めるなどしながら、大リーグやスポーツビジネスの最前線を体得してきた。
小林は熱血漢だが、感情に流されず、論理的に物事を組み立てていく。
「本当の自由競争によって、大リーグに負けないプライドを取り戻すことができます。クラブ単位での真の世界一選手権をやって世界に広がっていく。そうすれば(サッカーがそうであるように)野球がもっと夢のあるスポーツになり、強いチームを作っていけます。ビジネスにもなる」
孫は言う。「日本の超一流選手と大リーグの超一流選手が真剣勝負できる舞台を作りたい」
小林は孫について語る。「孫社長のビジネスや野球に賭ける情熱には凄まじい気迫がある。強いオーラを感じます。いま、真の世界一決定戦をやろうと真剣に思って行動しているのは、孫さんとぼくだという自負がある」。
夢は必ず実現する。
5月31日(火)。雨あがる。
(文中敬称略)






