理学療法士が嫌いな理学療法士のブログ

理学療法、理学療法士について書いています。


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世の中の理学療法士が理解していない物理の知識ランキング第一位、

「剛体」。


正常歩行について学習している時にどうも納得がいかなかったこと。


「歩行周期の○○期で床反力がどの方向に働いているから○○関節には○○方向へのモーメントが加わる。それを制御するため、○○筋が働く。」


おそらく物理を知らない理学療法士さんたちは、未だにこの文を、居酒屋でフライドポテトを注文するやつくらい理解できていないだろうが、物理を知っている人は知ってる人で「ん?ちょっと待てよ。」となる。


具体的に例を挙げると「イニシャルコンタクトで床反力は股関節の前方を通るから股関節には屈曲モーメントが加わる。それを制御するため、大殿筋などの股関節伸展筋が働く。」


どこがおかしいの?とお思いの人が多くいると思うが、なんの説明もなしにいきなりこれを聞かされた時、高校物理しか習ってこなかった俺の頭にはクエスチョンマークが激しく点灯した。


高校物理では力の釣り合いを考えさせられ、右回り方向のモーメントと左回り方向のモーメントが同じ値になるように数字を導き出していくことが多い。


その時対象となる物体はすべて「剛体」であった。


「剛体」とは「大きさは無視できないが、力を加えてもまったく変形しない理想的な物体」である。


どんな物体でも力を加えられれば少なからず変形するため、実在する物体には完全な意味での剛体は存在しないとされるが、変形の度合いが小さい場合にはそれを剛体として考えても特に問題はない。


もう一度言おう。「力を加えても変形しない物体」である。


さて、これを踏まえて、さきほどの文章のどこに疑問を持ったかおわかりになるだろうか。


それはまさに剛体の定義「力を加えても変形しない」から大きく逸脱するところ、そう、(股関節周りのモーメントを発生させる「力源」として捉えられている)床反力から股関節までにいくつも「関節をまたいでいる」という点である。


イニシャルコンタクトで踵骨に加わる力は踵骨に対して何らかの影響を及ぼし、その結果、踵骨から距骨、脛骨、大腿骨へと力は伝わっていく(全ての力が骨から伝わるとは限らないが)。


つまり厳密に股関節まわりのモーメントを考えたい時は大腿骨に加わる力が力源(作用点)となり股関節を軸としたモーメントで考えるべきである。


踵骨に加わった力が大腿骨に対してまったく同じ方向に働く保証なんてどこにもなく、その力の向き次第でまったく違うモーメントが発生することだってあるはずである。



例えば「イニシャルコンタクトの時に床反力が肩関節より前方を通るから、肩関節には屈曲方向のモーメントが発生する。つまりバンザイするような方向に力が加わる」なんてことを言われると、イメージ的に「なんだかおかしい」と気付けるが(気付けないかガッハッハ)、股関節や膝関節などに関しては、現実的にも力の向きなんてよくわからないし、物理の知識もないし、本に載ってるし、なんかえらい先生が言ってるし「きっとそうなんだろう」と安易に納得してしまう。


ここで付け加えておくが、俺はなにもイニシャルコンタクトで起こる股関節まわりのモーメントの話が「間違っている」と言っている訳ではない。


「説明が少ない」と言いたいのだ。


自分なりに解釈をするとこの話はおそらく「正常歩行において、イニシャルコンタクの瞬間、下肢は筋肉や靭帯、関節包などの働きで全体として剛体のようにガッチリと固まった物体となるから、足部から大腿骨までをひとつの剛体として扱っても大きな問題はないだろう」ということなのだろう。


話を元に戻して、俺が言いたかったのは、正常歩行におけるモーメントや筋の働きについてどうこうではなく、「剛体」や「作用点」の理解がない理学療法士が多過ぎるということである。


物理の基本中の基本の知識にもかかわらずである。


モーメントがどうこう、床反力がどうこう指導する先輩・上司のなんとまあすっとんきょうな理屈よ。これはもはやテロである。


先輩が後輩に間違った指導をするだけならまだしも、そんなすっとんきょうな理屈で患者さんの治療にあたっているのかと思うと泣けてくる。


そんな理学療法士と一緒に見られているのかと思うと、俺はじゃあもう背中から羽でも生えていたい。


物理を知らない理学療法士が多いから嫌いだ。











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