某誌に、松たか子さんのインタビューが載っていました。
同性の同年代で、さっぱりとした生き方に素直に共感が持てる役者さんです。
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「私の出演作で『あのお芝居、おもしろかったね! あ、そういえば、あの人出てたっけ』という感想を持ってもらえるようになったら、うれしいですね。……大切なのは、作品の鑑賞後、心が動くこと。私の名前が頭に残ることが大事ではない。不思議な時間だったな、おもしろかった、すっきりしない……、感想は何でもいい。その人の心が動く時間になればいいな、と思いますし、そんな演技ができる女優になりたいです」
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私が語っている、素話(ストーリーテリング)は、お芝居とは別物で、それでも、なんとなく通じるところがあるなあと思っていましたが、
上記の彼女の言葉で、両者の共通項は、「心が動く」ことなんだなと、クリアーになりました。
そして、その違いも。
お芝居の場合は、役者が、積極的に、聞き手の心を動かそうとしている、能動的なものであるのに対して、
素話の場合は、語り手と聞き手は、能動と受身の関係ではなく、両者の心が「連動する」「共に感じる」、……説明が難しいですが、一緒にお話の絨毯に乗って、出かけていくようなイメージです。
例えば、面白い本を読んでいると、本の世界にトリップしますよね。
本だと、それは、自分一人での旅ですが、
素話だと、それが、一人ではない、複数の旅の道連れを伴うわけです。
山も、谷も、幸せも、不幸せも、旅仲間と、同時に体験することができる。
これはすごい体験なんですよね〜。
こんなに面白いことは他にはない。
そんなこんなで、
素話は、私にとって、大切なライフワークの一つになっています。