はるのつぶやき

/////////// 【音楽】【アニメ】【動画】などについて書いてます
/////////// 不定期な更新で思いつくままに日々綴っております
/////////// よろしかったらのぞいていってください <(_ _)>


テーマ:
『音無結弦(おとなしゆづる)の場合』


この世界、死んだあとの世界に来て…

俺は生前の記憶を失っていた…

ゆりや、みんなはこの世界で理不尽だった人生に抗うために戦っているという…

でも、俺には戦う理由もない、抗うべき人生も知らない…


そんな俺にゆりは過去を思い出すようにと言う

直井の催眠術によって…

そして…

思い出した…





俺は生きる意味が見いだせず、毎日、無為に過ごしていた…

人づきあいも面倒だ…

一人でいるのが一番いい…

俺は生きている意味が分からない…

他人に興味が持てない…

他人と関わらずに生きていた方が楽だった…

最低限、食っていけるだけのバイトを惰性で続けて…

そんな暮らしで…充分だった…


それでも俺はずっと、妹にだけは会いに行っていた

2年以上、寝たきりで入院する妹に…


いつも漫画雑誌を買っていった。

いつも適当に買っていくから、話が続いているのかすらわからない…

でも…

「ありがとう」妹は決まってそう言った。

結局何でも嬉しいようだった。

妹は俺とは違う。

生きることに希望を持っているし、生きる意味もきっと見つけられる…。

なのにずっと、この2年、退院できないまま過ごしている。

可哀そうに…。代わってやれたらいいのに…。

何の希望も持たない、生きる意味も分からないこの俺と…。



生きる意味なんて考えると…、

バイトすら辞めてしまいそうで、俺は考えないようにしていた…。


冬になった。

妹にプレゼントを買ってあげようと考えた。

そして、クリスマスに医者に相談して外を見せてあげようと。

どこに行きたい?って訊くと、

妹は、木に灯りが灯る街の大通りを見たいと言う。

先生から聞いたって言っていた。

「行けるの?」と心配そうに訊く妹に、

「先生にかけあってみる。だめでも内緒で連れてってやる。」って言ったら…

「ありがとう、お兄ちゃん。」

これまでで一番大きな、ありがとう、だった…。


俺はバイトのかけもちを始めた。家では寝るだけになった。

今は目的があるから働ける気がする。

ただ、気がかりなのは…

妹の容態が…悪くなっていることだった…。

クリスマスの夜も…当然、外出の許可は出なかった。

だから俺は面会の後、病室に忍び込み、夜の街に連れ出した…。

妹をおんぶしながら、ライトアップされた並木に俺もすっかり圧倒された。

綺麗だった…

「すごく綺麗…」

妹も背中で綺麗だと喜んでくれている。

「俺も見られて良かったよ。お前のお蔭だな…」

「さぁて、これから楽しい時間が続くぞぉ。まずはプレゼントだ。」

俺は金を貯めてきたから何でも買ってやるって言った。

妹は背中でこう言ったんだ。

「お兄ちゃん、ありがとうね。」

それから、プレゼントをどこで買うか、

食事を予約していること、コース料理だという事…

これから待っている楽しい時間のことをずっと一人でしゃべり続けた…


そして、歩き続けた…




俺は一人ぼっちになって初めて気づいた…

俺はちゃんと生きがいを持って生きていたんだ…

生きる意味はすぐそばにあったんだ…

気付かなかっただけだ…

俺はあいつに「ありがとう」って言ってもらえるだけで、

生きていられたんだ…

幸せだったんだ…


馬鹿だ…オレ…今頃、気付くなんて…

そんな大切な存在だったのに、何もしてやれなかった…

ずっとあいつは俺の買っていった漫画雑誌を読むだけで…




あいつは、幸せだったんだろうか…

そして、それを失った俺の人生も…終わってしまったのだろうか…


気付かないだけの幸せに、満たされていた日々…

その時間は過ぎ去ってしまった…

もう、俺には、何も残されてはいない…


「お世話になりました。」


「退院、おめでとう。」


「ありがとうございました!」


「元気でねぇ。」



街角で見た、ささいな風景だった…

でも…

もう一度…

俺は生きる意味を…

見いだせるかも…しれない…

そう、思わせてもらった…


誰かのために、この命を…費やせるのなら…

俺は、医者を目指して勉強を始めた…

必死に勉強した…

何もわからなくて、学校なんて行きたいなんて思わなかった俺が…

そして…

俺は手ごたえを感じて、入試の日を迎えることとなった。

その日、俺は試験会場に向かう列車にいた。

受験票を握りしめ、妹、初音(はつね)のことを思い出していた…

もう少し、もう少しで、俺も人生の意味を見出して、

人の役に立つことができるかもしれない…



列車が激しい音とともに大きく揺れた、受験票が舞うほどの激しい揺れ…


そこで直井の催眠術が解け、目が覚めた。


惰性で生きて無気力だった俺は、自分の生きる理由をお前に教えてもらって…

みつけて…それで…夢半ばで死んだのか…

何も成し遂げずに死んだのか…

そんなのってねぇよっ

ねぇよっ

死にきれねぇよっ

初音…





ゆりは、記憶が戻るとみんな、そんな風だと言う…。

ゆりは過酷な過去を持ちながら、この世界で自分の人生に抗っている…

強いと思った。

そして、俺にも、この世界、死んだ世界で戦う意味ができた、そう思った。




俺は、死なないはずのこの世界で一向に目を覚まさない天使、奏(かなで)の胸の上で、

いつの間にか夢をみていた。







≪DAY1≫

俺は大学の医学部を受験するため、試験会場に向かう電車の中にいた…

その電車は大きな音を立てて急ブレーキが…。

…。

暗い中、目覚めた。

体中が痛い…。

携帯電話を取り出して時刻を確認すると、受験の時刻はとっくに過ぎている。

辺りを見回すと、段々と目が慣れてきて、電車の中にいることがわかった。

そして、沢山の人が横たわり、ある人は血を流しながら…、苦しそうなうめき声をあげる人もいる…。

事故に遭ったんだ…。

皆一様に寝そべったりへたり込んでいる。

俺は呆然とその光景を見て立ちすくむしかなかった…。

そこに一人の男が隣の車両から移ってきた。

歩いてはいるものの苦しそうだ…。

少しふらふらするが簡単な手当てをしてあげたら歩けそうだ。

二人で車両の外に出ることにした。

そして…

トンネルの出口をふさぐ大きな岩…

俺たちはトンネルの中に生き埋め状態になったことを知った。

携帯の電波も届かない。

二人で車両に取り残されている人たちを助けることにした。

「五十嵐だ。」

「音無。」

医者を目指して勉強したことがこんなことで役立つなんて…


簡単な応急手当をしてあげたが、みな一様に不安と疲労で座り込んでいた…。

土砂で崩れた反対側も…

同じように土砂が俺たちの出口をふさいでいた。

「みんな!聞いてくれ。トンネルは前も後ろも土砂で塞がっている。

 携帯も繋がらない。外との連絡は取れない。

 ここからは一心同体。一人だけ助かろうなんてことは考えないで欲しい。

 食糧と水を集めて平等に分け合おう!」


 俺の提案に文句を挟んだ男に対して、五十嵐が反論してくれた。


「じゃ、誰が仕切る?怪我人の看病の指揮を誰が執る?

 こいつには医療の知識がある。まさか怪我人は放置、なんてことはないよなぁ?」

「必ず助けが来る。それまでの辛抱だ。」

≪DAY2≫

あいつは、音無って奴はスゴいんだ。


ホントにすごいんだ。


俺はあいつの献身的な看護に感心していたが、


少しずつ皆が閉じ込められた状態で苛立ち始めた頃、


水を独り占めしようとした奴がいた。


そんな、盗人野郎に、あいつはこう言った。


必ず助かると…。


そして、水をこぼしてしまったことに罵声を浴びせる人に、


「大丈夫だ、今のは俺の分だ。」なんて言いやがる。



二人で水を分けることを提案した俺には、「すまない」なんて言いやがる。


≪DAY3≫
そして…3日目に…


頭にけがを負って血を流したおっさんの容体がおかしくて…


休んでいた音無を呼んだんだ。


奴は必死に人工呼吸と心臓マッサージを繰り返した…。


しかし…


素人の俺にもわかった…


そのおっさんが音無の行動にもう応えてはくれないことを…


それでも奴は何度も何度も心臓マッサージを繰り返した…


「戻れぇっ!」


そう叫びながら、何度も何度も…。


そして奴の声が嗚咽に変わる頃…


俺は奴の肩に手をかけた…


心の中でこう言いながら…


「お前は精いっぱいやった…仕方がなかったんだ…」



あの日からは俺は何を頑張ってきたんだろう…

あいつに、初音に、生きる意味を教えられて…

それで…また人の命を目の前で失って…

何も変わっちゃいない…

俺は無力のままじゃないか…

あの時から何も変わっちゃいないじゃないか…

くそっ!くそぉ!


≪DAY7≫

もうみんな息をするのがやっとって感じになってきていた…


食べるものも水もとっくに底をつき、横になって何も考えていなかった…


奴が俺にこう言ったんだ…


「五十嵐、サインペン、あるか」って。


奴は献身的に働いただけに疲労も酷かった…。


腹に怪我を負っているみたいでもあった…


絞り出すように奴は俺にサインペンを求めた…


俺のサインペンを受け取ると寝そべったまま、奴は書きだしたんだ…


ドナーカードにサインを終えると奴は優しく、そして満足げだった…


俺は呆れた…


こんな奴がいるんだなって…


そして…俺も同じようにドナーカードを取り出した


隣で寝ていた奴、奴は音無が仕切るって言った時にケチをつけた奴だ、


奴が「何だよ?それ?」って聞いてきた…


俺は言ってやったよ


「こうしておけば、自分の命がもし尽きても、それでもその命が人のために使われる。


 生きてきた意味が作れるんだ…」


そして、そこにいるみんなは…


ドナーカードを取り出しやがったよ…



「なぁ、やっぱおめぇはスゲェよ…。音無、見ろよ。


 あれだけ絶望してた連中が、みんな、誰かに希望を託そうとしている…


 お前がみんなの人生を救ったんだぜ…音無…なぁ…音無…」


「聞いてんのかよ?」



その直後、絶望的に俺たちの光をさえぎっていた土砂の向こうから…


光が射したんだ…


だのに…お前は…お前は…



…音無…




俺は、電車の事故によって、夢半ばで死んでしまったと思っていた。

でも…

人生の最期で…

人の役に立つことができた…

いや、そうであったと、信じたい…。

少なくとも、そう思うことで、俺の人生が意味が無かったなんて思わずに、

いまいることができる…


初音、お前はなかなか容態の良くならないこと、お兄ちゃんに

「ドナーがいればなぁ」って言ったよな。

きっと、お前のように、人生に希望を持っている、

そんな、『待っている人』に届いたって思ってる。

そして、希望に満ちた人生を俺や、そして、お前の代わりに、

生きている人がいる…。

そう、思うんだ…。

お兄ちゃん、良かったって思ってる。

初音に教えてもらった通り、一生懸命生きて、短かったけど、

生きてきて良かったって思えてる。

ありがとう…初音…。







もう、ここにいる意味なんて無いのか…

ここから消えていく…それがいいのか…

心残りはないのか…


いや…、

俺がこう思ったと同じように…

ここにいるみんなも思えたなら…

ここで辛い過去を背負いながら…

人生に抗っているみんなに、今の俺の様に思って貰えたなら…





『仲村ゆりの場合』

『岩沢まさみの場合』

『ユイの場合』

$はるのつぶやき-Angel Beats!_banner


$はるのつぶやき

 ブログランキング・にほんブログ村へ
AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

はるさんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。