2004-12-13 10:31:47

「レディジョーカー」オススメ度☆

テーマ:日本映画


著者: 高村 薫

 大ヒットミステリー本を映画化する難しさを改めて感じさせてくれた一本でした。

「レディジョーカー」の前にミステリーなどの原作を映画化することについて一言書きたいと思います。

このタイプの映画は原作を読んでる人とそうでない人にわかれます。
読んでいる人は、ラストも犯人も知っているわけですから、予定調和の中でどれだけ映像的演出がされているかを楽しむわけです。これではどれだけ衝撃的などんでんがえしが待っていても楽しさは半減だと思います。さらに一冊の本を映画化するにあたって、すべての要素を2時間に詰め込むことは不可能なので、かなり原作をシェイプアップすることになります。これが原作の奥深さが描けていないと指摘される原因になるのです。

読んでない人は、犯人探しやミステリーとして楽しむことができるでしょう。しかしそもそも映画化を目指して作られた原作ではないので、脚本に描けない部分が多々でてきます。そうすると原作から魂がするりと抜け落ち、原作のストーリー展開をどるだけの映画になってしまいがちです。そうすると説明不足な面がどんどんと露呈し、原作を読んでいない人からは、人物が描けていないうすっぺらな映画という評価をうけてしまうのです。ここは脚本家の腕の見せ所なのですが、うまくいっていないのが現状ではないでしょうか。

さて、それではどうすればいいのでしょう。
私の個人的な見解を言わせてもらえば、「原作など忘れてしまえばいい」これに限ると思います。原作の要素をすべて映画にしようとするから無理が出るわけですから、原作のテイストだけいただいて、後は「映画」にしてしまえばいいのです。原作から映画的飛躍をするのです。少し古い映画ですが松田優作主演の「野獣死すべし」はその点で大成功を収めた映画といえるでしょう。原作からどんどんと逸脱してどこまでもつっぱしる松田優作に感動させられました。しかし原作を無視して映画的にも失敗すると「模倣犯」のように目も当てられない惨事になるので注意が必要です。

リスクを負って映画的成功を目指すか、無難に原作を映画化するか、私は映画制作者の方々に前者であってほしいと願います。

それでは本作「レディジョーカー」について。
若干ネタバレしていますが気にする映画でもないと思います。
私は原作を読んでいません。
まったくひどい映画でした。犯人が行動を起こすに満足たる動機が描けていないし、誰からも怒りというものを感じません。犯人にも被害者側にもまったく緊迫感のない誘拐劇に、ろくに捜査もしない警察。そもそもレディジョーカー命名の理由が最後まで明かされないし、レディ自体ほとんど存在意義のない脇役としてしか描かれていません。レディは原作ではきっと重要な役だと勝手に推測するしかありません。また、20億というお金になんの執着のない犯人と被害者にも?マークの連発です。誘拐劇の一番の見せ場である、現金受け渡しのシーンをまったく描かないで、受け取ったことにした映画を初めて見ました。「とりあえず黒澤監督の「天国と地獄」を百回観ろ!」といいたくなりました。
こうして書いてみるとやはり原作から抜け落ちている部分で、映画についていけていませんね。部落、在日、労働争議、養護問題などのテーマはあるのでしょうけが、それらの深みを一切感じられない映画でした。
原作ファンの方なら楽しめるかといえば、そうでもないと思います。平山監督のまっとうかつ一切奇をてらわない演出が、うすっぺらな脚本をそのまま映画化しているので、凡庸でテーマが描ききれていない映画になっています。
私は観てる途中で、話が戻っているのか進んでいるのかも、わからなくなっていました。
この映画の中での救いといえば、三池監督の映画に出演していた吉川晃司が、アイドルをすっかり脱却しピカロへと成長したことを確認できたことと、「1億人の心をつかむ男」新人発掘オーディションで大賞を受賞した徳重聡のみずみずしい演技が見れたことでしょうか。
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2004-11-25 04:42:55

「ゴジラ -ファイナルウォーズ-」観ました さらば、ゴジラ!

テーマ:日本映画
12月4日に公開され、様々なところで賛否両論が飛び交っています。当ブログにもコメント欄へ様々な意見が書き込まれています。記事を読まれた方は、私の意見だけでなくそちらも読んでいただけると幸いです。

ネタバレはしていませんが、あまりよいことは書いてありませんので、気分を害されると思われる方は読むのをお控えください。


まず始めに「ゴジラ -ファイナルウォーズ-」の北村龍平監督に一言。

 拝啓 北村龍平監督

 あなたに初めて出会ったのは4年前の10月29日東京ファンタスティック映画祭でのことでした。そこで観た「VERSUS ヴァーサス」の衝撃は今でも忘れることができません。ストーリーよりもアクションを見せることを追求し、殺陣のかっこよさと勢いだけで2時間を見せきった凄い映画でした。映画として2時間退屈せずに観れてしまったことに驚愕したのを覚えています。日本のアクション映画の未来を託すべき人が現れたと思いました。続く「the messenger -弔いは夜の果てで-」ではスタイリッシュな映像が際立ち、「荒神」では2人の格闘シーンだけで映画を撮ってしまうという荒業を見せくれました。しかしそんなあなたに疑念を覚えたのは「ALIVE アライヴ」からでした。本来精神的側面を重要視したホラーになるべき原作を、なぜか格闘アクション映画にしてしまったことに違和感を感じました。そしてその疑念は「スカイハイ-劇場版-」で確信へと変わりました。人の業を描いた原作を、またしても格闘アクションにしてしまったのです。登場人物に刀を持たせないと何もできないあなたに不信感を覚えました。続く「あずみ」では刀を持たせてもドラマと撮れないあなたの弱点を浮き彫りにしました。
 そしてこの「ゴジラ -ファイナルウォーズ-」・・・さらば、北村龍平!あなたに日本映画の未来はなかった。

 かしこ                  ハリネズミ

さて、なんと言いましょうか、とりあえず怪獣映画ファンの方にはお悔やみを申し上げます。これがゴジラ最終作ではゴジラも死んでも死にきれないでしょう。
 この映画は怪獣映画ではありません。例えこの映画がDVD化したとしても、レンタル屋の店員さんは怪獣映画の棚に入れてはいけません。この映画はパロディ映画です。「最終絶叫計画」や「ホットショット」や「レスリーニールセンシリーズ」と同じ棚に並べるべき映画です。歴代のゴジラシリーズのパロディに始まり、「海底軍艦」や「妖星ゴラス」などの特撮映画のパロディが花を添え、さらには「マトリクス」「マトリクスリローデッド」「ミッションインポッシブル2」「インディペンデンスディ」「GODZILLA」「X-MEN」などなどハリウッド映画のパロディも目白押しの超豪華なパロディムービーです。他にもまだまだ隠されたパロディがあると思うのでみなさんも探してみてください。これほど豪華かつ絢爛なパロディムービーはいまだかつてなかったのではないでしょうか。
という風にでも観なければ、また怒りでデビルマンに変身してしまう人が多数でると思います。とにかく怪獣映画好きは期待して観に行くことだけは絶対にやめたほうがいいです。いいですか、パロディです。パロディ、笑って観ましょう。

まだ観ていない人がたくさんだと思いますので、具体的な中身については触れませんが、「デビルマン」meets「ゴジラ」とつい言ってしまうぐらい突込みどころがたくさんある映画でもあります。今年は「デビルマン」だけでおなかいっぱいだと思っていたのに、年末にこんな核爆弾級の映画が待っているとは、東宝さんもあなどれませんね。
ゴジラや特定の怪獣に思い入れがなく、なおかつ映画をこだわって観ない人は楽しめるのではないでしょうか。

言い忘れてました、それと2時間5分のうち2時間は音楽なりっぱなしなので、耳が弱い方は気をつけましょう。あぁ後、音楽は外国の方がやられていますので当然いつものテーマ曲はありませんよ。全編ロックですので、こうなったら覚悟を決めましょう。

もしかしたらこの「ゴジラ -ファイナルウォーズ-」は本来与えられた使命を違ったところから果たすかもしれません。つまりゴジラを終わらすという使命を本当にやってしまうかもしれないのです。制作費20億で作り上げたパロディ映画が巨額の赤字を計上するのは目に見えています。もしかしたらこれを期に本当にゴジラが封印されてしまうかもしれません。これで本当にさようならだとしたら、悲しすぎるよゴジラ・・・。
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2004-11-18 12:54:36

「血と骨」 オススメ度☆☆

テーマ:日本映画
この映画は金俊平という怪物的な男の半生を描いたものです。暴力と性欲、本能の赴くままにどこまでも自分勝手に生きた人間の人生に圧倒させられます。こういう人間を好き嫌いで分けたら、私は大嫌いですが、凄い人生だとは思います。

金俊平役を日本でできる役者はビートたけしだけだと思いますが、それでもこの怪物を演じるには迫力不足だと感じました。「その男凶暴につき」のころの不気味で暴力臭に満ちたビートたけしなら完璧だったんじゃないでしょうか。

それにしても鈴木京香はどうしてしまったんでしょう。一人だけまったく力が入っていない感じでした。他の役者がみんな気合が入っているので、なんだか浮いて見えました。また韓国語の発音もなんだか日本語ぽくて違和感を感じたんですが、韓国の方がみたらやっぱりカタコトの韓国語で話しているように見えるのでしょうか。

この映画は2時間30分ありますが、それでも所々話が飛んでいるように感じました。あんまり長かったので編集でカットされたのでしょうか、催監督は一体何時間にしたかったのか気になりました。一人の男の人生を2時間半に収めること自体に無理があるのかもしれませんね。さらにそれが超絶な男の話ならなおさらです。

さてこの「血と骨」は、観て楽しい映画ではありません。オススメするにも誰に勧めていいのかわかりません。規格外の人間を見て、人生はなんでもありだと感じたい人はどうぞ。

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2004-11-15 02:58:30

「海猫」 オススメ度☆☆

テーマ:日本映画
 「セカチュー」「イマアイ」そして「ウミネコ」なんて気持ちで観に行くと火傷しますよ。究極の純愛ストーリーというより、子供はお断りの大人のラブロマネスクです。ストーリーがどんどん重苦しくなっていき押しつぶされそうになります。観ていて苦しかったです。
 
 宣伝では伊東美咲が体当たりの濡れ場に初挑戦とありましたが、一体どこがひっかかってR-15になったかわかりません。少なくとも伊東美咲のシーンではないことは確かです。でもとても可憐で笑顔がかわいくて、それだけで許せてしまいますが・・・。

 演出も凄くベタベタでびっくりさせられます。天下の鬼才といわれた森田芳光監督の作品とは思えません。「 阿修羅のごとく」から作風がもの凄く地味になりましたが何かあったのでしょうか。「家族ゲーム」や「ハル」の時の森田監督はどこへ行ってしまったのでしょう。

 「いま、会いに行きます」はラスト30分ですべての観客に涙させましたが、この「海猫」はラストの30分で私を眠りに誘いました。ラストで盛り下がるところも評価が下がる原因ですね。

どうしても美咲ちゃんの細い足と下着姿が見たいという方、佐藤浩一のたくましい体が見たいという方、中村トオルの意外なマッチョぶりが見たいという方にはオススメします。

追伸 MISIAの歌はこの映画の雰囲気にマッチしていてとてもよかったです。
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2004-11-06 15:55:57

「いま、会いにゆきます」 オススメ度☆☆☆

テーマ:日本映画
 すべてが優しい映画です。物語の雰囲気に映像がぴったり合っていて不思議な調和感があります。そのおかげか、かなり無理のある物語の展開にもすんなりついていくことができました。
 死んだ人が返って来るという設定は「黄泉がえり」と同じですが、こちらはひとひねりもふたひねりもされていて、いつの間にか引き込まれてしまいます。ただこの返ってくるという設定で嫌気がさす人がいるかもしれません。しかしここはぐっとこらえて許して観ましょう。最後には涙してること請け合いですよ。
 役者もみんな凄いうまいと思います。ただ中村獅子童だけはちょっとミスキャストな感じがしますね。演技は凄いうまいと思うのですが、彼からは強者のエネルギーがでているので、脳に軽い障害を負った人間には見えません。後、松尾スズキのいい人役は恐すぎます・・・。
 さて、この映画は恋愛映画としては「セカチュー」よりずっとオススメです。「セカチュー」でハンカチを濡らしたあなたは是非映画館まで。ただ私みたいに一人でみると帰り道が寂しいこと請け合いです・・・。

公式ページ なぜか凄い重たいです
http://www.ima-ai.com/index.html
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