注目の最高裁の判決

2010-07-12 19:12:33
テーマ:相続・資産税

7月6日、注目の最高裁の判決がありました。


「生命保険金の遺族が年金として分割で受け取る場合、相続税と所得税の両方を課すのは違法な二重課税に当たる」


長崎の主婦が、夫の契約していた生命保険金を10年間で分割で受け取った場合の課税関係について国側を告訴していたものです。


具体的には、相続時に生命保険金の総額につき「年金受給権」として相続税が課されて(評価上は総額の6割)、毎年分割で受け取る際に年金(雑所得)として所得税が課されているのはおかしい、「相続によって取得したものには所得税は課さない」とした所得税法違反ではないか、というわけです。


我々、実務家の立場からすると、昭和43年に出された国税庁の通達で、「年金受給権と年金は別」とされたのを納税者に説明して納得していただいていたという面があります。


地裁では、原告側の勝ち、高裁では国側勝利となっており、最高裁の判決が注目されていました。


今回の判決で、財務大臣が時効分を含めて過去の申告分すべて訂正することも検討するとコメントしましたが、そうなるとその数は数百万件になるともいわれています。


また、この判決の趣旨をとらえると、他にも二重課税に該当するのではないかというのがいくつか考えられます。


例えば定期預金。


相続時には、定期預金元金と相続時までの利息を未収利息として相続財産に含めていますが、定期預金が満期になり、受け取る際には、利息には利子所得税が課されているからです。

同じように「配当期待権と配当」などがあります。


これらは、いろいろな控除の適用がある関係で、還付される金額はそれほど大きな金額ではありません。

今回の判決でも還付される税金は2万数千円とのことです。長い裁判や納税者の勝率が一割程度という費用対効果を考えるとなおさらです。


しかし、我々が当たり前に処理していたことに疑問をもち、おかしいと主張していく姿勢には大いに考えさせられるところがあります。





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