義父のひとこと!

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あちきが学校から帰ると必ずパソコンの電源コードが抜いてあり、しかもどこかへ隠してある。

ぜ~んぶ義父の仕業だ。

あちきが学校から帰ったら、あちきの日本語レベルのアップのためと称して、まず、義父の作った日本の昔ばなしのコピーを3回朗読して、それから、義父の質問に答えたらパソコンで自由に遊べるというシカケだ。

所要時間は一時間強だ。


あちきが朗読しているあいだ、義父は、リラックスイスに腰掛けてプリントを見ている。あちきの朗読がたどたどしいと、なんと義父は『ゴーゴー』といびきをかいてやがる。シツレイ千万なやつじゃ!

それで、ときどき、バカでかい声で『・・・と乙姫さまがいいました!』とどなってやったりする。


ある日、あちきがヤケを起こしてプリントをくしゃくしゃにしてやったら、義父のやつパソコンをマジで解体してしまった。ヤバイ~!

こいつ、本気で怒ってら~!


あちきがすごく困っていると義父のやつしばらくしてから一言、言い放った!


『お前は、私を自由自在にコントロールできるんだよ!』


『私をよ~く観察してごらん! 私はどんな人間だ? 私はお前に何を望んでる? 私を喜ばせることさえできたら、私はお前のためによろこんでお前の為になんでもするかも知れないんだよ! なのにお前は私をおこらせてばかりだ! よ~く考えてごらん! 原因は誰が作っているの? 私はこんな人間だ。おあいにく様! 』


だとさ。


まてよ、これは何かのヒントか?


次の日から、試しに、あちきは義父に必死に笑顔を作って

『オハヨ!』

と言ってヤツの頭を平手でハタイてやった。

学校から帰ると、義父を呼びつけて

無理矢理、プリントの朗読を3回聞かせてやった。

義父は、イスに寝そべって聞いているうちに、寝てしまった。

無理矢理起こして最後まで朗読をきっちり三回聞かせてやった。

それから、

『ハイ、質問して!』

と催促してやった。


今、義父は忙しいとか言って朗読の量を減らしているぞ!

あちきは、毎日、好きなだけパソコンで遊べる方法を体得したぞ!

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昨日からママが出張!

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昨日の夕方からママが4日間の出張に出た。中国から招待されてやってくるお客さんの添乗、ガイド、通訳の仕事らしい。仕事に取り組むときのママは実に生き生きしている。

ホテルの予約やら、日程の打ち合わせと、ファックスや電話でいろいろ細かいことをやりとりしている。

こういうときのママはすごいなと思ってしまう。


ママのいない間、あちきの面倒を義父が見てくれる。て、いうか、あちき一人でも大丈夫。ママがいるときはママに甘えて、朝寝坊したり、ママにワアワアいわれるまでな~んにもしない。

でも、いざ、ママがいないとき、あちきは別人だぞ。

義父より、早く目覚めて、義父を起こす。


ママは

「はやく、起きなさい!」

「はやく、服着なさい!」

「はやく、食べなさい!」

「はやく、歯を磨きなさい!」

「はやく、学校行きなさい!」

・・・といちいち、指示を出す。


でも、義父と一緒にいるときは、あちきが

「はやく、起きて!」

と義父を起こし、さっさと仕度して、

義父の準備した食事を取って

義父に言われる前にさっさと学校へ行く。

義父はあちきが登校するのを玄関で見送っているぞ!


ママが帰ってくるまで、あと3日。

さびしさなんてまったく無い。いろいろ言われないから気が楽。

ママがいないと義父もやさしい。だって、ママいるときと義父に対するあちきの態度ぜんぜん違うもん。

ママがいるとき、義父が何を言っても反抗してやるけど、ママいないとき、ちゃんと言うこと聞くもん。


義父がママに言ったそうだ。

「この子はママいないときは、びっくりするぐらいイイコだよ!」


なに言ってんの!

それがホントのあちきだってば!

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納得いかねえ!

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最近、義父のやりかたに納得いかねえ!

最近のあちきの唯一の楽しみは、学校から帰って、パソコン開いてインターネットで中国語でチャットすることだ。いったん始めると何時間あっても時間が足りない。気が付くと真夜中過ぎてる。

「あした学校だから、もう寝なさい!」

「お風呂はいりなさい!」

「ごはん食べなさい!」

と、言われても時間が惜しくてゆっくり風呂にも入ってられないし、ご飯もさっと食べて終わりにしたい気分。


そんな、あちきの生活パターンに業を煮やした義父のやつ、

「日本語もロクに勉強しないヤツにパソコンはさわらせねえ!」

とばかりに、

自分で日本の民話とかいうプリントを刷って、こいつを毎日3回以上朗読して、質問に答えたらパソコンさわってよし、というのだ。

パソコンはやりたいから、しかたなく最初は付き合った。

『桃太郎』、『鶴の恩返し』、今度は『浦島太郎』だ。しか~も、だんだん読む量が増えて来る。

いいかげんにしやがれ!

ってんだ。


あちきの言い分はこうだ!

毎日、日本の小学校で朝からず~っと日本語での授業!

ただでさえ、解らない先生やクラスのみんなの日本語を必死に聞き取ろうとしてあちきの頭はパンク寸前。やっと開放されて家に帰って来たのに、また日本語の朗読1時間以上。ふざけんな~!

今、特に小学校最後の学期で授業も難しくなってきていて、学校から帰ったら疲労こんばい状態。

やい、義父のやつ。ちっとでも想像力があれば、あちきのキモチぐらいわかるだろうに!

せめて、家にいるときぐらいのんびり中国語で遊びたいぞ~。


そこで、本日、義父からわたされたプリントをクシャクシャにして投げ捨ててやった。

ああ、気分いい。


そしたら、義父のやつ、あろうことか、

パソコンを解体してしまったぞ~!

おのれ~義父のやつ覚えておれヨ~!


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あちきが北京から日本に来たのは昨年7月末。当時あちきは北京の小学6年生。日本の教育委員会からは、

「日本語がまったく話せないようだから、5年生くらいに編入したらどうですか?」

といわれた。

ママと義父は

「いたしかたない」

という表情であちきを見たがあちきは断固反対した。

あちきはいっぱしのマセガキ。下級生と一緒じゃいやだ。日本語はからきしダメだけど、算数やら漢字なら絶対負けない。なんとしても、北京とおなじ6年生からやると言い張った。

義父は

「娘がどうしても6年からやりたいと言っているので、なんとかお願いします」

と頼んで無事、日本の小学校の6年生に編入できた。


先日、教育委員会から中学校への入学案内が届いた。学校もクラスで見学に行った。恐ろしく古い学校だ。

「当校は歴史ある学校で・・・」

と、中学校の校長先生がおっしゃった。うなずける。先輩の汗がしみこんだ廊下や教室の机。壁のクスミや窓枠のペンキの剥離、色あせた黒板、つぎはぎだらけの教壇。なにもかもが歴史と伝統の証。

単に、リニューアルの予算がないだけでは無いと信じたい。


あちきにとっても、このほうが気が楽だ。少々掃除の手抜きしたってわかんないし、ふざけすぎて壁に穴開けたっていつのものだかわかりっこ無い。気にせず、思いっきり気楽に活動できそうだ。気に入ったぞ。

この中学校。


さーて、北京じゃ考えられない日本の女子中学生のセーラー服も楽しみだし。今はとりあえず最後の小学生生活を楽しんじゃってる。日本語わからなくたってゼンゼン気にしてない。困ったことなど一度も無い。

漢字の書き取りや算数で同級生よりもいい点とれたとき優越感さえ感じる。

日本語ぜんぜん話せなくても、日本の同級生の誰一人中国語話せないし、中国の漢字ばかりの本を見せたりするとクラスメート全員がおじげづく。なんか、中国人て頭いいのかって思われてるみたいで気分いいぞ。


はやく、来い来い、卒業式。

なにが桃太郎でい!

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最近、義父のヤツ、新手を出してきやがった。

あちきがが学校から帰るとパソコンの電源コードが抜いてある。

もしも、パソコンで遊びたかったら、日本語を勉強しなさいってワケだ。

義父が出してきた課題、それは、


『桃太郎』を朗読すること。


3回朗読したあと、義父が日本語で本文について質問する。


「おじいさんとおばあさんはいつ、どこに住んでいましたか?」


答え、「昔昔、あるところに住んでいました。」


てな、具合。あちきにとってはとっても難しい。


義父曰く、「本文中に書いてあるだろがっ!」  だって。


あちきにとっては日本語はワケわかんない。でも、何日か経つとスラスラ読めるようになってきた。

そこで、あちきの課題が終わった後、義父に言ってやった。


「今度はてめえが中国語版の『桃太郎』を読んでみい。」といって中国語訳の『桃太郎』のプリントを差し出した。義父は汗をかきかき

从前,在一个偏僻的小村子里住着一老夫

と、たどたどしく読み始めた。

義父はママに向かって

「いやあ、まいったまいったあ、やられたワイ!」

と大笑いしながら話していた。

ウチのヘンテコ家族は毎日、平和じゃ!