私は海外にいた数年を除いて、実家で両親と暮らしています。
結婚もせず、自分の家庭を持っていないゆえ、これまでは仕事以外の余暇は、自由気ままに生きてきました。
が、、、80歳を過ぎた父ともうすぐ80歳の母、年老いた両親はサポートが必要になってきました。
両親を看取るのは私の役目だと、若いころから腹をくくってはいるものの、いざ両親の老いが進み、これまで当たり前にできていた事が少しずつできなくなる姿を見るのは、やっぱり辛いですね。
母は10年ほど前、脳出血で大手術の末、奇跡的に助かったのだけど、脳が損傷していることもあり、最近は認知機能が著しく低下しているようです。
父は歳をとるにつれて頑固さが増し、聞きたくないことは一切聞こえないようです。
そんな父と、その血を引き継いでいる私は、頭に血が上りやすく、冷静に話し合うという事ができません。
最近では、車の運転免許の返納について、「自分はまだまだ健康だ!」と思っている父と、ちょっとしたバトルになりました。
頭では「自分は大丈夫だ!」と思っていても、身体機能はやっぱり衰えている・・・。
それを認めたくない父。
そして、排泄問題があったり。
どんなに家で威張っていても、老いには逆らえない・・・。
そんな両親を見るにつけ、これが老いるということなんだな、とつくづく感じる日々です。
こういう状況で私の反応はというと、戸惑う事も多く、思わずきつい言葉を発してしまうこともあります。
そんな時は、その直後からめちゃくちゃ後悔します。
なんでもっと優しい言葉をかけてあげられないのか?って。
そうは言っても、実際には、自分が描いているような、年老いた両親を思いやる優しい理想の娘ではいられません。
特に、ちんぷんかんぷんな事を言っている母に対しては、きつく当たってしまいます。
それは、『怒り』というようりも『不安』からです。
正直、この状況でどう接すればいいのか?何が正解なのか?わからないからです。
そして、私が生まれてからこれまで、私にとって頼れる存在だった母が、私のこともわからなくなって、私が知っている母ではなくなってしまう『恐怖』があります。
でも、これが今の現実・・・。
抵抗すればするほど、『老い』という親の見たくない現実を見せつけられる。
全てをありのままに受け入れるしかないのでしょうね。
自分の不安な気持ちも、恐怖も、そして、老いていく両親も、今経験していること全てを。
マインドは、理想の自分でない私をジャッジし、どうなるかわからない未来を嘆き悲しんでいます。
でも、私にできることは『今、この瞬間』にフォーカスすること。
両親が生きている今だからできる事を私なりにやりたいな、って思います。
子育てに正解がないように、親のサポートにも正解なんてない。
親の老いという、初めてのことに戸惑いながらも、思考錯誤でなんとかやってる自分に価値を与えたいと思います。
そして、人の一生のうちで『老い』というフェーズを生きる両親の姿を間近で見せてもらえるこの貴重な機会と経験に感謝です。
なにより、両親とのかけがえのない時間を最後まで一緒に過ごせることは、この上ない幸せです。
もちろん、きれいごとだけでは済まないのが現実です。
泣きたくなった時は、自分の感情のまま、思い切り泣きたいと思います。
『老い』とは、誰にでも平等に訪れるもの。
親の老い、しっかりと向き合っていきたいと思う今日この頃です。
みなさんは、どんなふうに親の老いと向き合っていますか?