ハラスメント体験記 加害者編 [2]
私は不用意な一言を言い放ったことも忘れ,他の後輩と談話していました.
それからしばらくして,サークルが使うもう一つの部屋に行ってみると,なにやら様子が変です.
「どうしたの?」と聞くと,
「Aちゃんが泣きじゃくってたんです…」心配そうに言う後輩たち.
私はそれを聞いて,自分の言った不用意な一言を思い出しました.
「まさかとは思うけど…」
そう前置きしながら,自分が先程言ったことを後輩に伝えました.
「そんなの先輩の考えすぎですよ~!」
そう言ってくれる後輩たち.
しかし,私の疑念は晴れることはありませんでした.
そして,それがいつのまにか揺るぎない真実として,自身に重くのしかかってきたのです….
私の言った不用意な一言.
その後に,別室で泣きじゃくるAちゃん.
状況証拠は充分です.
「私のせい…なんやろうな…」
ぽつりと呟く私.
「違いますって!」
「考えすぎですよ!」
口々にそう言ってくれる後輩たち.
しかし,肝心のAちゃんがいません.
本当のところを聞こうにも,もし私の考えが正しければ…,
そんなことを本人が言えるはずもありません.
Aちゃんは私を恐怖の対象として見ているでしょうから.
「疑わしきは罰せず」…そういいますが,私の中ではもはや,限りなく黒に近いグレーでした.
私はサークルの代表格としての責任がありました.
皆を引っ張り,指導する立場として,自らを後輩たちの模範として律してきたつもりでした.
そして規律とは,万人に適用されるものと考えています.
それは代表格であろうと例外ではありません.
むしろ責任が大きいほど,より厳しく律する必要があると考えていました.
私は規律を正すため,代表格として最後の責任を果たす覚悟を固めました.
すなわち…退部です.
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