2009-04-05 02:12:55
秋月記にみる現代のサラリーマン論
テーマ:好きな本
秋月記/葉室 麟

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本屋で立ち読みしていて、しかも仕事の合間に心に残る本を見つけるのはとても困難なこと。「秋月記」に何故引きこまれたか?僕の産まれた町、ちいさな城下町。高鍋。秋月氏の故郷、秋月藩の話だから。秋月藩は鎌倉時代にまでさかのぼり、天下分け目の戦いで敗れ、秋月氏は僕の故郷・高鍋に幽閉された。それが僕の町・高鍋のルーツである。元々文武両道を掲げた教育はいまだに受け継がれ、たくさんの有識者を生み出した。いまだに2万人クラスの小さな町であるが、排出した歴事上の人物は多い。僕も実際に幼少の時分から剣道、弓道を稽古して、勉強もたくさんさせられていた(笑)それはそれとして、秋月藩は悲しい歴史であったりもする。幽閉された城主から福岡藩という大きな組織力を持つ藩制を長くしかれ、秋月藩、いわゆる福岡藩であった。実際にあった話の中から、生粋の秋月藩士が外様で我が侭な政治を行う本藩の恐怖政治に一生をかけて立ちむかうという話。ただの時代小説だと思われるが、話の中に現代社会におけるサラリーマンのつらさ、考え方、そして管理職に必要な判断力などを考えさせられる話である。主人公である間小四郎の幼少~家老職を失脚させられ、反謀で処分されるまでの話である。その中には気弱で争い事が大の苦手であった幼少時代、自分が弱かったために唯一の妹を亡くしたことがきっかけで「逃げない自分」にするために剣の修行をしたり、その側では勉強にもいそしみ、江戸へ留学し、世の中のレベルを知り、藩にもどり、外様政治が延々続く故郷で「秋月イズム」を取り戻すために翻弄するその姿は現代人でサラリーマンであるしかも、景気の悪い世の中における僕たちの姿そのものであった。場面場面に訪れるリーダーとしての「決断力」を問われる。間違っていても進まなければ未来がない。同時に、家族のリーダーとして家庭内での自分の身の置き方、ストレスの矛先としての家族への愛などなど・・・本当に今の自分の日本人としての侍イズムを問われる作品であった。小さな町で起こった田舎侍の小さな体制に対する小さなレベルの話かもしれないけどこの話の中に、今の日本が凝縮されてる気がした。それに今僕らの身体の中に流れる血はこういう侍魂に裏打ちされた血ではないのか?こんなに燃え上がるのは何故か?やはりこんな僕にも侍の血がながれているのか?こんなに小四郎の気持ちが解るのは何故か?作品の作者の書き方がいいのか?いやそうじゃないと思う。多分僕にも、そして、これを読むあなたにも侍の血が流れているのだろう。読んでみると必ず体感するこのなんとも言えない気持ちを解って欲しい。

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