伝えられなかった言葉。忘れられない後悔。もしも「あの時」に戻ることができたら…。母と娘、夫と妻、父と息子。近くて遠く、永遠のようで儚い家族の日々を描く物語六編。誰の人生にも必ず訪れる、喪失の痛みとその先に灯る小さな光が胸に染みる家族小説集。
ちょうど読み終わったところで、直木賞受賞の知らせです。
おめでとうございます。
家族をテーマにした短編集。
「海の見える理髪店」
床屋の店主が客に話した自分自身のこと・・・・・・
その客は、・・・だったんだね。床屋は、気づいていたのだろう。
「いつか来た道」
母を嫌い、ずっと家を離れていた私。弟に言われ、久しぶりに帰郷すると・・・・・・・・・・・・
母は昔の母ではなくなっていた。年月が母を変えていた・・・・
「遠くから来た手紙」
祥子は、夫に腹を立て、幼い子供を連れて実家に帰るが・・・・・・・
不思議なメールが届く。それが、祥子が、今の自分のことを考え直すきっかけとなる。
「空は今日もスカイ」
両親が離婚。引っ越してきた茜は、家出を決意。海に向かっていく。
誰が悪い人で、誰がいい人なのか。
両親が離婚。引っ越してきた茜は、家出を決意。海に向かっていく。
誰が悪い人で、誰がいい人なのか。
「時のない時計」
父の形見の腕時計。修理にもっていくが・・・・・・・
父の形見の腕時計。修理にもっていくが・・・・・・・
父への思い出がよみがえる。
「成人式」
5年前、中学生の娘が交通事故で亡くなった。両親は、そのことが、まだ忘れられないでいる。
大胆な発想。行動にうつすところがすごい。でもこれで、過去のつらい思いから、抜け出せるといいな。
表題作「海の見える理髪店」が秀逸。「成人式」もいいな。
人は、何かの後悔を背負って生きているのではないか。しかし、その思いに変化が起きることがある。
家族の大切な一瞬を捉えている。ちくっと胸に刺さるような、それでいて、何か懐かしいような……・
そんな作品だった。
お気に入り度★★★★★
そんな作品だった。
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