扉をたたく人

監督  トム・マッカーシー
出演  リチャード・ジェンキンス, ヒアム・アッバス, ハーズ・スレイマン
2007年

扉をたたく人 [DVD]/リチャード・ジェンキンス,ヒアム・アッバス,ハーズ・スレイマン
¥4,725
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愛する妻に先立たれ、全てに心を閉ざし、無気力な毎日を送っている大学教授のウォルター(R・ジェンキンス)。ある日、ニューヨークで移民青年タ レクと予期せぬ出会いを果たす。ミュージシャンである彼にジャンベを習い始め、二人の友情が深まっていくなか、突然、タレクが不法滞在を理由に拘束されて しまう。数日後、ウォルターのアートの扉をたたく美しい女性。それは、連絡のつかない息子を案じたタレクの母親だった―。ウォルターは彼女と共に、タレク 解放に向けた一歩を踏み出すのだった―。


初老のウォルターは、妻を亡くし、息子は独立、大学で講義を持つが、真新しいことは何もなく、孤独な毎日を送っている。忙しいふり、働くふりをしてすごしてきた。そんな人生をあきらめたようなウォルター。

ウォルターは、ある出来事から、移民青年タレクと知り合い、彼から、ジャンベの演奏の仕方を習う。生活に少し変化が見え始める。そんな時、タレクが、不法滞在で捕まってしまうのだ。ウォルターは、友達として、毎日、タレクのもとに面会に行く。しかし・・・・・・・・

タレクは、身柄を拘束され、本国送還されてしまう。なんと理不尽なことなのだろう。タレクはあんないい青年だったのに。ウォルターが、怒りを爆発させる場面があった。不法滞在がいいことだとは思わないが、彼らの気持ちに同調し、ウォルターの怒り同様、わたしも憤りを感じた。

タレクの恋人ゼイナブや母親モーナは面会にさえも行けないということ、つらかっただろうな。

不法滞在はいけないことだということはわかっている。でも、なぜこんなに多いのだろう。この映画は、その問題を提起しているが、それよりも、ウォルターの恋と友情を描き、ウォルターが人間として成長していくさまに重点を置いて描かれているように思う。

地下鉄のホームで無心にジャンベをたたくウォルターの姿が印象的で、ジャンベの音色がいつまでも心に残った。


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