題名のない子守唄


監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
出演 ピエラ・デッリ・エスポスティ, クラウディア・ジュリーニ, クセニア・ラパポルト, ミケーレ・プラチド
2006年




北イタリアのトリエステに長距離バスでやって来たイレーナは、貴金属商を営むアダケル家の家政婦になろうと必死だ。そのために、今通っている家政婦を・・・・そこまでして、彼女が、アダケル家の家政婦になりたかった理由とは?


現在の話に加えて、過去がフラッシュバックされる。その映像は強烈。彼女は過去に、ひどい仕打ちを受けていたことを知る。どういう事情があるのかの想像を掻き立てる。


イレーナは家政婦として働き、アダケル夫妻から信頼を得るようになる。そして、アダケル家の子供、テアの世話も任され、テアとも心を通わせる。
前の家政婦から、テアは、「転んでも手で支えれない」などの自己防衛の能力がないことを聞いていたから、特訓をする。テアに対する扱いは、乱暴に見えて、実は、鍛えていたのだ。倒されても何度も起き上がってくるテア。この場面はつらく、がんばれって声をかけたくなる。
テアがいじめられっこに向かっていく姿を見たとき、イレーナの喜びは大きかったことだろう。やったあと私も、うれしかった。


ラストで、明かされる真実。衝撃の事実に唖然とした。
サスペンスとしての驚きというより、人間ドラマとしてイレーナの歩んできた人生の重さに衝撃を受けた。そして、イレーナの母性を感じた。

お気に入り度★★★★