スウィーニー・トッド/フリート街の悪魔の理髪師


監督 ティム・バートン

出演 ジョニー・デップ ヘレナ・ボナム=カーター アラン・リックマン

2007年



スウィーニートッド


妻と子どもを奪われ、無実の罪で投獄されていた理髪師ベンジャミン・バーガーが、15年ぶりに出所する。彼は名前をスウィーニー・トッドとかえ、復讐の鬼と化す・・・・・・・・・


なにかの仕掛けのようなものに、赤い液体、血と思われるものが流れて行くオープニングから引き込まれた。

色調を抑えたダークな色合い、目のまわりに隈を作った化粧、見るからにぞっとするような世界だ。



歌はなかなかいい。

スウィーニー・トッドと、パイ屋の女主人ミセス・ラヴェットが、一緒に歌うシーン。一緒に歌っているのに、それぞれ違うことを思っているのがわかっておもしろい。

肉の味のところで、職業によって味が違うというのは、恐ろしい内容の詩ではあるが、なるほどと納得。


ミセス・ラヴェットは、理髪師ピレリの死体を見たとき、罪のない人を殺してしまうなんてと言っていた。ここまでは正常だったのか。「自分の過去を知っていて、ゆすった。」「それじゃ仕方がないわね。」平然として、財布を盗み取る。したたかな女だ。


スウィーニー・トッドは、愛する妻子を奪われた復讐のはずが、罪のない人まで殺してしまう。まさに狂人となってしまう。復讐のため、首を切る練習?その快感に酔いしれたということか。


スウィーニー・トッドとミセス・ラヴェット、二人は、利害関係が一致して、二人で力をあわせていたけれど、望みは違っていた。だからこういう結末になるのは仕方のないこと。ラストに意外性を持たせ、愛のための復讐が、取り返しのないことになった結末に切なさが漂う。


ベンジャミン・バーガーの若いとき、また、ミセス・ラヴェットの夢を空想するシーン、それだけが色彩を得た明るい色。その他はダークな色合いにしている。使い分けがうまい。


首を掻っ切るシーン、あまりにリアルで気分が悪かった。

しばらくは、ミートパイを食べられそうにない。


お気に入り度★★★★