カカオ80%の夏  (ミステリーYA!)


永井 するみ 理論社 2007年4月

高2の三浦凪は、一度一緒に服を買いに行ったこっとがあるクラスメイト笠原雪絵の母親から、雪絵が、置手紙を残して家を出て行ったが、行き先を知らないかという電話を受け、雪絵の調査を始めるが・・・・・・


凪は、特に親友というわけでもな雪絵の所在を成り行き上調べることになる。

凪は、雪絵のことをただのクラスメイトだと思っていたけど、雪絵は、親しい友人と思っていたかもしれない。それなのに自分は~と反省してみたり・・・・・

調べていくうち、雪絵は、なぎのことを利用しただけなのかと失望したり・・・・・

友達という関係に揺れ動く高校生の姿がそこにある。

そんなことを繰り返しながら、多くの人の助けを得て、成長していく姿がいいな。


ミステリーとしてもおもしろく、児童書であるが大人が読んでも充分楽しめる。パソコンから人探しを始めたり、ボランティアや介護の問題など、現代的な要素も取り入れ、よく考えられた内容になっっている。


なぎと雪絵は対照的に描かれている。性格も容姿も家庭環境も違う。

笑ってしまった箇所があるので、引用。

雪絵のことをいうマスターの言葉<凪ちゃんと正反対のタイプ。真面目そうで。かわいくて、ちょっと野暮くさいけど、清純な感じ>

<となると私は、不真面目そうで、かわいくなくて、野暮じゃないけど清純でもない感じ>


カカオ80%のチョコにジェフリー・ディーヴァーのライム・シリーズが好み。こういう設定もうまいなあ。

お気に入り度★★★★