本「陰日向に咲く」

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陰日向に咲く


劇団ひとり 幻冬舎  2006年1月


「道草」「拝啓、僕のアイドル様」「ピンボケな私」「Over run」「鳴き砂を歩く犬」の5編からなる落ちこぼれの悲哀を描いた短編集。


この作品は、出版された当時、話題になっていたけれども、読む機会がなく、月日が流れていったが、最近になって映画化されるということで、読んでみることにした。ホームレスにあこがれるサラリーマンや売れないアイドルに入れあげる青年など、さまざまな人生がうかびあがり、映画にしたらおもしろそうなお話だ。


脇役だった人が他の章で主人公になっている。同じ場面を変わった方向から見るのもおもしろい。それぞれに、最後にちょっとしたサプライズが用意されており、最後にすべての話がうまくまとまっている。なかなかうまい書き方だ。


「ピンボケな私」

「カメラマンになる」と言ってしまったばかりに、カメラを買い写真を撮り始めるが、16枚で撮りきることにする。男に騙されやすいが最後に撮る写真は・・・・・いい写真になりそうでよかった。

「Over run」

賭け事で借金を作ってしまった俺は、電話でお金を騙し取ろうとする。最初、なんとも間抜けな電話に笑えたけれど、婆さんの気持ちを思うと切なくなった。


読みやすく、ユーモアもありおもしろかった。落ちこぼれの人生ではあるが、ほろっとする場面もあり、温かさを感じた。

お気に入り度★★★

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