アメリカ ・ 家族のいる風景


監督  ヴィム・ヴェンダース

出演  サム・シェパード  ジェシカ・ラング  サラ・ポーリー ティム・ロス  ガブリエル・マン


昔、トップスターだったが、今は、落ちぶれた俳優のハワードは、西部劇の映画の撮影を抜け出し、30年ぶりに母親に会いに行く。そして、母親から、昔愛した女性に子供がいることを聞かされ、会いにいくが・・・・・・・・


30年音沙汰がない息子のハワード。急に家に帰ってきても、何を咎めるわけでもなく、快く、受け入れる。そして、母がスクラップした記事。全盛期のとき、問題を起こしたときなど、今までのハワードの姿がそこにあった。ずっと、息子を影で見守っていたんだ。そこに、深い母親の愛情を感じた。


それに比べて、ハワードといったら・・・・・

全盛期のときはやりたい放題。その後は、問題を起こし、今になって、自分が一人であることに気づき、家族が必要と感じるのだ。そして、自分の仕事を放り出してしまう。本当に、身勝手な男だ。以前の恋人や息子アールにしたら、そのときの苦しみを乗り越えて、今、平穏に暮らしているだろうに、今頃、会いに来られても、困るだろう。アールが家具を窓からほうり投げるシーン。それほどまでに、父親を毛嫌いするのに共感してしまった。


一人の女性スカイの存在。お骨を抱いて、何か、意味ありそうなこの女性をこの映画に登場させたところがいい。

スカイの純粋な気持ちがが、ハワードとアールの気持ちを変えたのではないだろうか。親子の愛情に、わだかまりが、すぐに消えるものではないだろうが、家族というものの暖かさを知ったハワードは、どこか嬉しそうに思えた。

お気に入り度★★★★