ナルル暮らし。

PSPのゲーム、ワールドネバーランドのプレイ日記。あとゲームとか。

ワールド・ネバーランドのプレイブログ。最近はククリア国民です。

ワールド・ネバーランドブログのお約束をここに。当ページでは株式会社アルティが権利を持つ『ワールド・ネバーランド~ナルル王国物語~』および同じ『ククリア王国物語』の画像を利用しております。該当画像の転載・配布は禁止いたします。(C)althi Inc. http://www.althi.co.jp/

※ククリアの投稿は創作要素を多く含みます。

イラストを乗せることがありますので、苦手な方はご注意ください。



テーマ:

インターネット上アンソロ企画 ワーネバ暮らし~ある日の風景~



~ワールドネバーランド、○○国物語~

長く続くワールドネバーランドシリーズを愛する方たち、ネバラーさんとお話していて「同じモチーフのネバ話アンソロ読みたい」ということで考えた企画です。多数のご参加、本当にありがとうございました。

(ブログを開設している限り引き続き募集しております)


一つのシチュエーションを決めて、それに沿ってネバ創作を書く企画です。その詳細についてはhttp://ameblo.jp/hana-clover123/entry-12034517000.html をご覧ください。

「ワールドネバーランドシリーズ」の世界で、
【どの国か】【朝の支度(朝食含む)】【待ち合わせ~一緒に出掛ける】【仕事訓練武術(子どもの場合遊びでも可)】【市場で買い物】【帰宅(夕食含む)】【就寝】
の順番で書いていただくというもの。


また今回はエルネア王国開国祝いも兼ねまして、上記内容のどこかで「花をエルネア王国に届ける」という行動を入れていただきました。わたしのリアル事情により同時公開は無理そうで申し訳ないのですが、後でちょっとしたお祝いをしようと思っています。

これについてはツイッター @hana_clover123(霧野ハナ)にてまたお知らせいたします。

本文は各国開国順、またPN(敬称略)のあいうえおABC順に、

国の名前

PN/HN 【タイトル】

URL


の順で記載させていただきました。

分かりやすさを優先し、申し訳ありませんがブログ名は削除しました。


それでは色とりどりのワーネバ暮らしへ、どうぞいってらっしゃいませ。


オルルド王国


エルミオン【ワーネバ暮らし 休息の木の下で…】

http://tumugaresi.blog.fc2.com/blog-entry-4.html


文月ふづき 【旅の一団】

http://yukkuripluto.blog.fc2.com/blog-entry-23.html


プルト共和国


文月ふづき 【とある議長宅の】

http://yukkuripluto.blog.fc2.com/blog-entry-21.html


ナルル王国


エルミオン 【あの花に願いを】

http://infinitonalulu.blog137.fc2.com/blog-entry-169.html


霧野ハナ 【ワーネバ暮らし~ある日のナルル王国の風景~】

http://ameblo.jp/hana-clover123/entry-12046726970.html


みき茶  【ナルル王国 197年15日 はれ】


ククリア王国


カンパリ 【ワーネバ暮らし~ある日のククリア王国の風景~】

http://privatter.net/p/905802


コニー 【「ワーネバ暮らし~ある日のククリア王国の風景~】

http://arkyay5656.blog.fc2.com/blog-entry-170.html

     【ワーネバ暮らし~ある日のククリア王国の風景~ トーマス編】

http://arkyay5656.blog.fc2.com/blog-entry-171.html


そらまめ 【ワーネバ暮らし~ある日のククリア国の風景~】 

http://soramame6161.blog.fc2.com/blog-entry-116.html#more


ナイン 【無才の工芸家の祈り】

http://privatter.net/p/905617


ぱいん 【ベッソン家のとある一日】


ヨハネス 【ククリアぐらし―カルナの塔の親子の一日】

http://privatter.net/p/903817

ろく 【ワーネバ暮らし~ククリア王国 141年14日~】

http://privatter.net/p/907727


エルネア王国


aya 【二人で一緒に.....】

http://privatter.net/p/827784

   【プロポーズ】

http://privatter.net/p/972906

   【出産の裏側】

http://privatter.net/p/980855


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ワーネバ暮らし~ある日の風景~というネット上ワーネバアンソロ企画を主催しまして、わたしもナルルで参加しました。

企画詳細については一つ前の記事http://ameblo.jp/hana-clover123/entry-12034517000.htmlをご覧ください。




※ナルル王国の王族ネタバレを含みます。




花と海の王国、ナルル王国。そこにマナは一年前に移住者としてやってきました。
温暖な気候と明るく光る海、咲き乱れる花々はまさに楽園と呼ぶにふさわしい場所であり、マナはそこで王子と恋に落ち、幸せな結婚をしました、やがて娘が生まれ、国中でお祝いされたのでした……めでたしめでたし。

これはそのマナという娘の、めでたしめでたしの後のお話。

ナルル王国、王の寝所。そこがマナの与えられた住居である。
いつものように天使たちに起床時間と王国の今日の予定を告げられて目を覚まし、傍らに眠る娘アカリの頭をなでる。
低く重く、常に聞こえるのは何かの駆動音。豪華な家具が置かれて一見分からないようになっていても、建材は強度を重視した武骨なものだ。窓は一切作られていない。美しき楽園の主が住まうにしては、あまりに異様な体であった。
義母のマリーが先に起きて、蓄音器にレコードを差し入れている。やがてオルゴールの調べが流れ始めた。耳にまとわりつく駆動音を隠すように。
「おはよう、マナさん。よく眠れて?」
ふわりと笑ったマリーの身支度に隙は無い。何しろ彼女は国王なのだ。
王族の長であるフィース王子と結婚したことで、国のしきたりとして移住者が国王と同じ場所に住むことになってしまった。国民にさえ閉鎖されている区画に移住者が住まうことについて議論はあったようだが、結果的に原則に基づいてマナはここに居る。ただ他の王族のふるまいから、この異様な雰囲気の王宮について口を慎んでいたほうが賢明であることは理解している。
「ありがとうございます、すこしアカリが夜泣きしましたけれど」
「ふふ、そうね、元気に泣いていたわね」
穏やかになされる会話は、よくある嫁姑の会話。実際マリーはよくできた姑であり、甘やかされている感さえあるのでまったく不満は無かった。
「今日は私がアカリをみているわ。フィースと待ち合わせなのでしょう? お仕事もまだ慣れないでしょうから、今日は一日いってらっしゃい」
「よろしいのですか?」
「たまにはお母さんの居ないところで孫を独り占めしたいものよ。親孝行と思いなさいな」
これ以上なにか言うのは失礼に当たるだろうと思い、アカリの着替えやこまごまとした物の場所を伝えると、マナは頭を下げて待ち合わせ場所へ向かった。

待ち合わせ場所の王宮前広場に着くと、すでに夫のフィースがイム像の隣りに腰かけて待っていた。
「早いね」
うん、とフィースがうなずくと、王族の長をあらわす赤い帽子が揺れる。
「ちょっとね、採掘場のメンテナンスをしたいところがあってね」
朝から見ないと思ったら、一足先に仕事をしてきたらしい。
「昨日も遅かったし、アカリの夜泣きもあったし、あなた寝てないんじゃ……」
へへへとごまかし笑いをしながら帽子のずれを直すところなど、とてもあの王族たちの長とは思えない。フィースがこうだったから、さして心配もなく嫁いだのだが……移住者として初の王族入りをするマナに向けられていた国民の視線は、あれはどんな意味を含んでいたのだろう。
「さて、たまには古城に行ってみようよ。はい」
腰に手をあてる形で待つフィースに、マナは手を滑り込ませた。
古城は渡し船を使って渡ったシーラル島にある。現王宮のある本島よりさらに明るく、花や果実の木も多い開放的な雰囲気が目に楽しい。王宮に居ると、本来南国の楽園としか言いようのないナルルの風景を忘れてしまいそうになるのは不思議なことだ。
「さてさて、古城だよ、いい天気でよかった」
既婚者がデートに行くことの多い海岸を素通りする二人を、道行く人がもの珍しげな顔で見ていく。
古城は静かにたたずんでいた。降り積もった時が倒れた柱や床に這う蔦にあらわれ、ナルルの激しい陽差しにさらされて返って静謐な気配を保っている。白い石と黒い影の、静かな世界。畏敬の念を感じるほど美しい場所であるのに、人が訪れることは少ない。
「さて、ひめさま」
最近王族入りをしたマナを、たまにフィースはからかってこう呼ぶ。
「おつかれさま」
ぽん、と頭をたたかれて、少し鼻がつんとする。
「慣れないことばかりお願いしてるからね、僕もなかなか帰って来られないし。どう、王族の暮らしにびっくりしたかな」
「そうね」
マナはゆっくりうなずいた。
「表向きのナルルとは、違うのね」
「核心から来るねえ。君は前からそうだけどね」
赤い帽子の傾きをすっと直し、フィースはつぶやく。
「花のアトリウム以外の王宮が一般国民に対して閉鎖されている意味を、君ならわかってくれたと思う。花のアトリウムが王宮だ。あれがナルルの王宮のすべて。他はクリートエルグの施設だと思ってくれればいい」
これはクリートエルグ長の言葉ね、とフィースが言う。
「もちろん国民だってクリステアの技術がどれだけのものか分かっている。使っていれば分かるよ。ただ積極的に求めないように、知らせないようにはしている」
「便利な技術を国民に周知させないことが、わたしには分からない」
どこからか蝶が飛んできて柱に傍らの柱に羽を休める。熱された柱と陽射しにじりじりと焼かれることに倦んだ蝶は、ゆっくりと影のほうへ移動する。
「マナ」
にっこりと笑うフィース。目の表情は帽子の影がかかって分かりにくい。
「王太女は、君を一時的に王宮から外出禁止にしたほうがいいと言っている。産後の体調が安定しないと公表してね」
王太女、アイリス。五人いるフィースの兄弟の長子である。
「王と王配は反対しているよ。しかし君の出身国は技術的にも発展しすぎていて、思想も自由だ。ここで警戒されることはやむを得ない…… と、言うのはエルグ長の見解」
ぱっと蝶が空に舞う。鮮やかな碧の羽表を見せて、花のほうへと飛んでいく。
「まあね、姉さまの言うことは昔から極端だよ。ただ僕たちにはナルルを変える意思はない。たとえ他国から異様だ異質だと言われようと、穏やかに保たれている楽園、それが僕たちの国。君は国を変えたいのかい? それともここで僕と生きてくれる?」
ざあっという音とともに海からの風が吹いて二人の衣服が踊る。風がおさまるまで逡巡し、マナは答えた。
「国を変えようという意思はわたしにも無いの。ただ家族とこの国が幸せであればいいなと思うだけ。クリステアをうまく使えばもっと発展するのではないかと」
「マナ」
言葉がさえぎられる。吹き返す風が再びマナの髪を乱す。
「僕は君が好きだよ。ただひめさまとしては生まれたてなんだ。君と一緒に居たい。だから少し考えてみて」

フィースとは古城で別れた。
蝶が留まっていた花をふと手折り、香りをかいでみる。たしかポワンの花といったか、黄色く可憐な花だ。くるくると茎をもてあそびながら渡し船へ乗船し、はるか本島を見つめた。遠目からだとよりはっきりと映る、クリステアの尖塔。そして透き通った海。
クリステアの技術があれば、国はもっと発展する。マナの出身国のように。ただ、故郷にこんなに美しい海があっただろうか。そこから逃げて来たのは誰?
ナルルの技術力が国内均一ではないことに、マナは気づいていた。均一、平等がよしとされる国で生まれ、技術をひろく知らしめることがよいこと、それは心の中に変わらずある価値観なのだが。
……ナルルはそうではないらしい。
国は一つではない。同様に国のありようも一つではない。手に持った花を見つめ、そっと海に流した。この花もマナのようにどこかの国に流れ着くだろうか。

何はともあれ、自分の仕事に慣れなければならない。マナは重くなる足取りを自覚しながら仕事場へと向かった。花のアトリウムとは違う入り口からクリートエルグに入ると、入り口こそは白く高級な石で飾ってあるものの、奥へいくにつれ無機質なむきだしの金属が多くなっていく。
「ごきげんよう」
「仕事の調子はいかが」
「いいわ、ありがとう」
ここで働いているのはすべて王族とその配偶者だ。美しい衣装と気品をまとっているが、手にしているのは武骨なツルハシである。奥からかなり大きな音が響いてくるのは、そのツルハシでクリステアを採掘しているからだ。ナルル王族は手で分かる。たいていは大きく、傷があったりまめがあったり、堅くなっていたりする。また、音や跳ね返る破片、粉塵により聴覚や視覚に変調をきたしている者も、実は多い。マナの国の言葉で言えば明らかにオーバーテクノロジーな施設や、作業が国民からは完全に死角になっている場所で行われていることも異様だ。
「ごきげんよう」
いつものツルハシを手に取ると、マナは一つ息をついて採掘を始めた。
「あら、マナさんごきげんよう」
にこりともしないで挨拶を返したのは、長子であり王太女のアイリスである。きりりとした顔立ちが責任感と威圧感を感じさせる、次期王の風格。
「調子はいかがかしら」
「寝所にこもっていないといけないほどではありません」
つい言い返してしまって、自分はつくづく馬鹿だと思った。しかしいつかは出る話題だ。アイリスの目に力が入った。
「目障りだわ」
とアイリスは言った。
「だから嫌だって言ったのよ。この国に移住者を入れるなんて。何も知らないまま王族に入ってくる」
今のはマナが喧嘩を売ったのが悪い。ひたすら聞くしかない。
「今日だって何、クリート入りしたばかりだというのに一番遅くにやってきて。いいこと、クリステア採掘はクリートしかできないのよ。これが無くなったら国民は煮炊きだってできない」
王族は本当に朝から晩まで採掘場に居て、夜に少し飲んで帰るというのが日課であるようだった。せっかく美しい国に住んでいるのに、成人すれば平日外出することは少ない。
「それに、あなたここで見聞きしたことを国民に広めようと思っている、と聞いたのだけれど」
「いえ、……発言をお許しいただけるのであれば、この技術を広く使えばもっと暮らしが豊かになるのではと」
マナはツルハシを見つめた。
「それにクリステアの採掘が手作業であるのは、王族が大変すぎるのではないでしょうか、わたしの国の」
「思い上がりもいい加減にしてほしいわね!」
他の王族の作業の手が止まるほどの大声だった。
「フィースは何を教えたの? あなたこの国を崩壊させる気?」
だん、とアイリスのツルハシが近くのクリステアを粉砕する。
「兵器転用できるのよ」
静かな声。
「分かるかしら。この尖塔だけでこの辺りの海域すべて、永遠に死の海にすることができる」
アイリスのツルハシが震える。
「力はよい方向に働くだけではないわ、調理用や灯り以外の機械にクリステアを使用できる、と気づかせること自体禁忌。クリステアを捨てた国もあるわ、でもナルルはクリステアに頼ることを決断したの、そもそもこの海域は本来人が――」
「アイリスや」
そこへ通りがかったのは王配、今年28歳になるグレゴリーである。マナにとっては義父にあたる。
「そう焦らずとも。今は気候もよいし、クリステアの需要もほどほど。マナさんにはまず国に馴染んでもらうのがよかろう」
「お義父さまは移住者を甘やかしすぎです。だいたいフィースの結婚だって、エルグ長のときにさせずともよろしいでしょう。あの子は末子だから本来はクラウンハイムにも住めなかったはずが、移住者と王の寝所など」
穏やかな語り口のグレゴリーとアイリスは、時折こうして口論していることがある。
「まあ、アイリスはフィースを特別可愛がっていたからの、マナさんと結婚したのが少し寂しいのだろ。大目にみてやってくれぬか」
いよいよ真っ赤になって言い募るアイリス。グレゴリーはそっとマナのツルハシを受け取った。
「さっき様子を見て来たけれど、今日はアカリちゃんもいい子でばあばと遊んでいたようだよ。仕事はいいから少し買い物にでも行ってきなさい」
要は落ち着けということだろう。アイリスとグレゴリー、そしてこちらを見ている王族たちに申し訳ありませんでしたと頭を下げて、マナは外へ行こうとした。
「そうそう、夕飯のあとで少し話そうか。あちこちから突っつかれて混乱しているようだからね」
グレゴリーが小さくつぶやく。穏やかなその声は責める調子ではなかったが、一連の騒ぎについてかかわる気があることは確かだった。
はい、と答えて今度こそマナは採掘場を後にした。

すでに陽は傾き始めていた。市場が最も活気づく時間帯である。この時間にかちあってしまったことに少し後悔しながら、夕飯の食材とアカリのおもちゃになるようなものを選んだ。
道行く人々の顔は色づいた日差しを浴びて暖かな色に輝いていて、今日一日の暮らしが穏やかであったことを感じさせた。マナと同じく家族のために食材や日用品をあがなって帰るのだろう。喜ぶ顔を想像しながら。
王族によって敢えて低く抑えられた国内の技術力。非効率な生産により神秘性を持ちながら産出量を控えられるクリステア。納得はできない。最善の形ではないと、やはり思う。でも。
王族たちに葛藤が無いとは思わなくなっていた。規制をかけることを、国民に秘匿する情報があまりに多いことを、それによって平和を保っていることを、青の衣にかけて背負って来た歴代の王族たち。その歴史を自分が崩す気にはなれない。
これがこの国のかたちなのだと、海に落ちかけた夕日を見て思った。見覚えのある蝶がひらひら、ひらひら飛んでどこかへ消えた。

夕飯時になってもフィースは帰って来なかった。アカリは新しくもらったおもちゃがいたく気に入ったようで、おもちゃをかじった形のまま寝入っている。マナはアカリが抱きしめているおもちゃをそっと取り上げ、掛物を直した。
「お茶を淹れましょうか」
マリーが茶器を温めている間にマナが茶葉を蒸らしておいて注いで回る。グレゴリーは棚からお茶受けを選んで皿にあしらう。
夕食後の、いつものひと時だった。
「マナさん、今日はおつかれさま」
グレゴリーからねぎらいの言葉をかけられ、マナは狼狽した。
「いいえ、お気遣いいただいてすみません……職場の雰囲気を乱して申し訳ありませんでした」
「アイリスがまた先走ったのでしょう。あの子は小さいころから気が強くて」
マリーがす、とお茶に口をつける。
「クリートエルグをはじめとしたこの国の在り方は確かに異質ね」
そんなことを女王が言ってしまっていいのか、と思ったマナに、マリーは小さく首を傾けた。その仕草は内緒話をする娘のようだった。
「マナさんの国とナルルがあまりにも違うということは知っていたわ。わたくしたちからナルルはこうだからと言われたとしても、その違いはすぐ納得できるものではないでしょう。クリートに馴染んでもらいながら考えて欲しいと思っていたことを、だいたいアイリスが言ってしまったみたいねえ」
あの娘は将来王になるというのにもう少し落ち着かなくてはいけないわ、とマリーが独り言のように言って、あなたも同じだったよとグレゴリーが返すのはいつものやり取りだ。
「一つ聞いてもらってもいいだろうか」
グレゴリーが問う。ぴり、と緊張感が漂った。穏やかなグレゴリーだが、王配であるのだ。
「クリートのあり方について、マナさんの答えはまだ求めない。ただ、彼女の手を見て欲しい」
グレゴリーが差し出したのは、女王マリーの手。ひび割れて、ところどころ皮があつく、爪は短く平たく切りそろえられている。
「このような手をした女王があるだろうか。何度採掘の仕事を機械化しようと思ったか、知れない」
けれども、とグレゴリーが言った。
「この手を使うことを諦めてはいけない。この手を傷めることを厭うてはいけない。ナルルの先祖がクリステアの使用を決断したとき、彼らは一番信頼できるものをクリステアの鍵とした」
「誇りを」
マリーが微笑む。
「王族のみで編成されたクリートが採掘を手作業で管理し、クリステアの採掘にクリステアの機械を使わないという誇り。国民の、クリステアの力に頼りすぎないという誇り。それでも幸せであるという誇り。いつ崩れるかもしれない均衡で成り立つこの国のあり方がバグウェルに承認されているという誇り」
次々と言ってしまってごめんなさいね、とマリーはお茶受けを口に運んだ。
「本当はゆっくり理解して欲しかった。ただ、わたくしには時間がないと気づいたの」
「お義母さま?」
ぎくりとした。最近仕事にあまり出ないマリー。食欲の出るお茶を選ぶグレゴリー。母との会話を避けるように仕事にまい進するフィース。
「わたくしはあなたに将来、クリートエルグ長になってほしいと思っているわ。わたくしはずっと、このクリートの制度についてナルル国民以外の意見を聞きたかったの」
マナは何も言えなかった。さまざまな情報が入りすぎて、受けるとも受けないとも言えなかった。
「こんな言い方卑怯だし、わたくしの夢をあなたに託して申し訳ないと思っている。ただ移住者であるあなたこそ、クリートのエルグ長になってほしかった。アイリスを見れば分かるわ、わたくしたちは誇りと言いながら自分たちの価値観に固執しすぎてしまっているのよ」
ひらひら、ひらひら。誰かを探して導きの蝶が舞う。誰かが誰かを想っている、碧い蝶の軌跡。
「ほらまたアイリスがわたくしを探して蝶を飛ばしている。不安なの、あの娘も。わたくしが居なくなることも、自分が王になることも」
わたくしは元気よ、持ち主のところへお帰り、とマリーがつぶやく。
「あの娘を支えてやってくださるかしら。わたくしたちが気づかない、この国の新しい道があなたには見えるのかもしれない」
無茶を言う、とマナは思った。ただ、今更引くにはこの国を知りすぎていたし、好きになってもいた。
「おそらく仰せのままにお受けするのだろうと思います。今日のお話と、これからナルルで過ごす時間と……それがわたしの糧となって長にふさわしい者になれるといいのですが。正直、ちょっと自信がありません」
それだけ言うのがやっとだった。
「そうね、自信がないのはみんな同じ。わたくしもいつも迷うのよ」
マリーは自分の両手を胸の前で包むように合わせた。
「ありがとう、急にいろいろ話してごめんなさい。今日はゆっくりおやすみなさい」
はい、とマナは答えた。
「おやすみなさいませ、陛下、殿下」

アカリが寝入っているそばに近づき、そっと自分の手を確かめてみる。

ふわふわとした娘らしい白い手。整えられた紅色の爪。これが傷だらけになるころには、赤い帽子を被れるだろうか。青い誇りを一身に受けた、身を切るような赤を。
そのころにはクリートのあり方に疑問を持ったことさえ忘れてしまうかもしれない。そうしたら蝶を飛ばそう。フィースに、アカリに、アイリスに、そしてマリーにグレゴリーに。誰かが誰かを想って砕くクリステアがナルルを支える。
明日もまた、駆動音とオルゴールによって目覚めることを思いながら。
マナはゆっくり目を閉じた。

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インターネット上アンソロ企画 ワーネバ暮らし~ある日の風景~


※追記、修正あり。記事番下にて


ツイッターでお話していて、「同じモチーフのネバ話アンソロ読みたい!」ってことで考えた企画です。

一つのシチュエーションを決めて、それに沿ってネバ創作を書く。
本にするには私のリアルの時間が無いので、このブログにリンクを貼る形でまとめることになります。ご了承ください。
エルネア王国開国ということで、ちょっとした開国お祝い企画も入れたいと思います。愛を込めて花束を。


企画概要


一次締切 ※延長しました


2015年6月30日まで 2015年7月15日まで


※期限が無いと書けないというわたしのための期限です。
 途中参加OK、締切後に作品書いたのでって教えてくださるのも大歓迎

 エルネアの配信が6月中に行われる確信が無いため、一時締め切りを7月15日まで延長し、その後まとめます。7月15日までに配信が無い場合もこれ以上の延長はしません。開国祝いについてはアイホン版の配信を待って公開します。

参加方法


わたしのツイッターアカウント @hana_clover123 霧野ハナ まで以下の内容をリプライしてください。

相互さんの場合DMでも可です。
【PN/HN】【どの国で参加されるか】


提出方法


ご自身のホームページ、ブログに発表された後、題名と参加国、リンクを貼るURL(あればブログ名)をリプライでお知らせください。
プライベッターの場合は公開範囲を「全員に公開」にしてください。
題名に迷ったら「ワーネバ暮らし~ある日の○○国の風景~」でどうぞ。


発表方法


このブログ、「ナルル暮らし」に国別でリンクを貼らせていただきます。


プルト共和国
【PN/HN】【題】【リンク】
【PN/HN】【題】【リンク】【ホームページ名←あれば】
という感じで。イメージで。


内容


「ワールドネバーランドシリーズ」の世界で、
【どの国か】【朝の支度(朝食含む)】【待ち合わせ~一緒に出掛ける】【仕事訓練武術(子どもの場合遊びでも可)】【市場で買い物】【帰宅(夕食含む)】【就寝】
の順番で書いてください。
文章を想定してしますが、漫画、イラストの参加も募集します。
ただし漫画、イラストの場合上記のシチュエーションすべてを描くと大変な長編になりそうなので、一部切り取っての参加もOKです。

※仕事・訓練・武術って書いたところをスラッシュに変えました。どれか一つを選んでください。


エルネア王国開国お祝い


上記内容のどこかで、「花を摘んでエルネア王国に届ける」という行動を入れてください。
船便でも、鳥に運んでもらっても、魔法で送っても構いません。どんなに遠くても枯れませんのでだいじょうぶです。
あとでわたしが花束にします。
※エルネア王国での参加の場合は、摘んだ花を酒場まで届けてください。


備考


ワールドネバーランドシリーズの国であれば、どの国からの参加もOKです。
エルネアからの参加ももちろんOK。


物語の主人公となる人物は、ワールドネバーランドの住人であればPCでも、PCの家族でも、NPCでも構いません。
大人でも子どもでも、役職者でもだいじょうぶです。
いむでも、ラダでも、市場のお姉さんでもミナハトさんでもOKですが上記内容をきちんと網羅できるかどうかは保証しません。
要するに一般国民推奨。でも定住NPCや人間以外でもOKです。


内容の待ち合わせについて、恋人デートでも親友デートでも、子供の遊びでもOK。
待ち合わせ相手が居ない! というときは試合のお誘いでもOK。
それでも困っちゃった場合はご相談ください。「誰かとでかける」がクリアできれば大丈夫です。


追記

内容の、仕事・訓練・武術って書いたところをスラッシュに変えました。どれか一つを選んでください。


エルネア王国へ花を送ることについて、エルネアと明記せず「どこかの国へ送る」こともだいじょうぶです。

ただしエルネアに着きます。

エルネアを知らない、もしくはエルネア開国時代には居ないはずの人を主人公にする場合はこんな感じで送ってください。


2015/6/10追記

シリーズ特有の仕事の流れもしくは待ち合わせ時間でシチュエーションが順番通りにならない場合は個別にご相談ください。


途中で人物が変わってもよいか→朝起きる人と最後の寝る人が同じであれば(一方そのころ)的な視点でシチュエーションを消化していただいてもOK、にします。


ククリアの魔獣討伐、子どもの授業は仕事に含みます。


エルネアに花を送るとなるとこのプルトの年だとおかしいな、というのはあると思いますが、年代は矛盾してても届きます。企画に合わせる形になって申し訳ありませんが、主人公的に年代揃えないと変だぞ、というのはお任せします。


お花は押し花にしても郵便公社バグウェルと社員のいむが生花にしますのでだいじょぶです。


2015年6月21日追記


朝食夕食食べないのもあり、昼食は各自適当に(ネバの人あんまり昼食食べないから書かなかった)


なんというかシチュエーション消化だけで長くなってすみません、と思ってるのですが、流れに全部入れて考えてくださる方と公平にするため一応全部入れていただきたいので、~仕事中~の一行で飛ばすとか、絵で飛ばしてみるとか、一方そのころで別の人の描写にするとか、これOKにするとプレイ録と変わらないのでどうしようかと思ってましたがスクショはって説明文入れるもOKということでお願いします。全部スクショだけは無しの方向で( ´ ▽ ` )ノ 文体と合うかってのもあるのでやらなきゃいけないということでは無いです


質問いただいた内容はお名前伏せてタグで共有します、共有したくない場合は伝えていただきたいのですが、公平性を保つためなるべく共有したいので要相談でお願いします


ククリアは待ち合わせのシステム上時間が特定されるので、発表時に注釈で【ククリアの待ち合わせの特徴により順番が前後します】と入れさせていただいて良ければ順番変えても大丈夫です。変わってる場合はお知らせください。


締め切りに間に合わない! ひとまず間に合わせたけど書きたかったこと入らなかった……という場合で後日記事を加筆修正した場合、お知らせいただければタグURL付きでアナウンスします


6月末の一次締め切りまでに発表されなかった方は、どのお花をエルネアに送るかだけ聞きにいきます。あの、これは強制ではないんですけどお花はなるべくお一人一種類がいいです……。わたしの技術力が追いつかずですね、ハイ。


ウェブ上に発表したものをリンクでまとめる企画なので、自分のブログが無い、という場合はプライベッター、evernoteなどご活用ください。もうアカウント作りたく無いしどうしても場所が無いというときはわたしのブログで良ければお名前付きで発表します、が。

そのほか、ご不明な点はわたしまでリプライやDMでお願いします。


短文でもだいじょうぶ、期限もゆるーくお待ちしてますのでお気軽にご参加ください。

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