オバマケアとは何か?

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※アメリカの医療制度のことなど知らない素人が一夜漬けで調べて書いたので、もっと深く正確に知りたいのならご自分で調べて下さい。

オバマケアとはどのような制度か?

トランプ政権になって政権の政策をとりあげるのも今更ですが、トランプは「オバマケアを廃止する」といって大統領になったわけですし、今後オバマケアを改革すると言っているわけですから、むしろオバマケアが何であるのか知らなければトランプの掲げる政策の評価ができないわけです。

今まで先進国で唯一アメリカには国民健康保険がありませんでした。ですから、民間の健康保険に入るか、無理して高額な医療費を支払うか高額な医療費が払えないので我慢するかしかありませんでした。その他に高齢者向けのメディケアや貧困層向けのメディケイドという医療サービスはありますが、こうした医療保障の対象にもならず民間の保険にも入っていない無保険者の救済のためにつくられたのが「オバマケア」です。

なぜオバマケアが作られたのか?

オバマケア以前にはアメリカには「PPO」「HMO」という保険制度がありましたが、保険未加入者は4600万人もいました。なぜそれほど未加入者が多かったかと言うと、年間の保険料が35万円ぐらいするため、年収200万円ぐらいのワーキングプアと呼ばれる人達は保険に加入できませんでした。(もっと貧しい人になるとメディケイドが受けられます)

次に会社単位で保険に入るため、失業者も加入できません。そのため、個人で加入しようとしても過去にがんなど再発する可能性のある病歴がある人は保険会社から加入を断られます。加入時にそういった病歴があることを保険会社に隠して加入しても、保険金支払いの際に調べられるので嘘はバレてしまいます。そうなると保険金はもちろん支払われません。(親族の病歴などは保険会社が保険支払いを拒否するためによく利用されます)

こうした人達は病気で治療を受けたものの、高額の医療費が支払えずに破産というケースや、治療そのものが受けられずに死亡するケースがあとを立ちませんでした。

オバマケアでは過去の病歴から保険会社が加入を拒否することを禁じました。また、低所得者も政府からの補助金によって加入することができるようになりました。また、フルタイムの従業員が50名以上の企業では保険加入が義務づけられました。

こうした改正によって3200万人が新たに保険に加入することができるようになりました。

なぜ反対されるのか?

しかし、59%もの人がオバマケアに反対しています。どうしてなのでしょうか?

もっとも強く反対しているのは、白人の中産階級です。この人たちはすでに保険に加入しており、さらにオバマケアの財源として年収2000万円以上を対象に増税を行ったため、最も割を食った形になりました。

また、連邦法として強制的に働くために、これが各州の自治権を認めた憲法に違反しているとして反対している人達がいます。

とはいえ、反対の59%のうち13%はオバマケアが中途半端だとして、より踏み込んだ保険制度を求めての反対となっています。

また、オバマケアによって新たに加入できた3200万人にとっても大変に不満のある制度となってしまいました。まず、それでも保険に加入しない人には罰金が科せられます。保険に加入して病院に行こうとしてもリストで決められた病院でしか保険が適用できず、リストにない病院に行けば実費で支払わねばなりません。

さらに、国の払い戻しが6割にすぎず、残り4割が医者の持ち出しとなるので医者がオバマケアの患者を診たがりません。そのため、オバマケアを利用できる医療機関が少なすぎます。治療のために遠くの医療機関まで行かなくてはなりません。

そして企業にとってはフルタイムの従業員50名以上が加入条件なので、50名に達しないように従業員を49名にしたり、パートタイムにしたり、工場を海外に移転するなどの防御策をとりました。

オバマケアは誰のためのものか?

では、オバマケアの成立によって誰が得をしたのでしょうか?

もちろん保険会社です。加入者が増え、新たに加入した人達の負担も増えたために保険料も値上げすることができました。ちなみに保険会社はアメリカ最大のロビー団体です。

次にメディケイドの拡大で税金によって貧しい人がより多くの薬を買えるようになったため、製薬会社も儲かりました。

今後のアメリカの保険について

アメリカの社会派どっきり番組、「あなたならどうする?」で老婦人が薬局に薬を買いに来たけど、お金が足りなくて買うことができない、というどっきりがありました。薬剤師は必要な140ドル半分だけ買うことにしてはどうか、と話しかけます。しかし彼女は20ドルしか持っていませんでした。

すると、待合室に居合わせた他の客が彼女のことを見かねて、薬の費用を代わりに出してあげる、と名乗り出ました。だいたい待合室に居合わせた人の半数ぐらいは彼女を助けてあげていたそうです。レポーターが彼女を助けようとしなかった人にもマイクを向けて話を聞くと、助けてあげたいのはやまやまだが自分もお金に余裕がなかったので黙っていた、と言っていました。

このようにアメリカ人は目の前に困っている人がいれば手を差し伸べますが、これがアメリカ国内で困っている人達となると、こういった助け合いの精神が働かなくなるようです。

そもそも州というのが日本の都道府県よりもはるかに自治権を持った一つの国家のようなものですから、日本が明治時代に廃藩置県を行わずに藩を残したまま現代まできたようなものなのかもしれません。

大統領選でトランプ大統領が誕生したとき、全米からワシントンに集まったトランプ支持派と反対派があちこちで直に議論を交わしていましたが、南部と北部、西部と東部、本来なら一生会うことのない人たちでした。

このようにアメリカという国は民族も宗教も様々で、もし目の前で困っている人がいれば助けようとはするけど、アメリカのどっか遠くに住んでいる人に対しては共感もわかず、同胞意識も生まれず、国民がバラバラのまま、という印象をうけました。

トランプは政治力も稚拙ですし、行き当たりばったりでビジョンもありません。それが、大半の国民が反対する中、オバマケア廃止を訴える共和党を説得し、最大のロビー団体である保険会社を抑えて、本当に国民のためになる新たな保険制度をつくるのは不可能です。

アメリカのみなさんは健康に気をつけてくださいね


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