杭州でのG20に隠された習近平の狙い | 浜田和幸オフィシャルブログ Powered by Ameba

杭州でのG20に隠された習近平の狙い

ホスト役である中国の習近平国家主席の采配が注目されたG20首脳会議。



開催地は上海から間近い景勝地として有名な杭州でした。

オバマ大統領が到着した際にレッドカーペットが敷いてなかったとか、安倍総理を迎えた際に日の丸の国旗が準備されていなかった、といった些末な話題でメディアは大はしゃぎ。

内外メディアによる揚げ足取りのような報道姿勢に付き合っていては国際金融の流れを見失います。

小生、G20の直前、中国を訪問していました。



そこでよく耳にしたのが「牛B」という言葉。

状況次第で相手を持ち上げたり、けなしたりするのに使える便利な代物です。

オバマ大統領とは3時間も個別協議に応じていながら、安倍総理とは32分しか時間を取らなかった云々で、日本では今回のG20については否定的な見方が強いようです。

しかし、それでは「木を見て、森を見ず」ということになりかねません。

今回、習近平がオバマと3時間以上も議論した背景には「人民元とドルの覇権争い」が隠されていたのです。

国際通貨基金(IMF)の加盟国がIMFから借り入れをする際に使う特別引出権(SDR)に人民元が加わることになったのですが、その影響は計り知れません。

「米ドルの覇権が終焉を迎えた」ことをオバマに直接通告する。

それが習近平の狙いでした。

「大統領、あなたは牛Bだ」と面と向かって言ったかどうか。