1年目の勝負(1)Jリーグ・大東和美チェアマン@朝日新聞11.3.8. | Field of Dreams

1年目の勝負(1)Jリーグ・大東和美チェアマン@朝日新聞11.3.8.

「2、3年で」では勝てない

 Jリーグの19季目が開幕した。つまりJリーグができて20年近く。出来た当時のひたむきさや必死の姿勢を選手にもう一度求めたいと新人研修や開幕前の監督会議で話した。

 海外では上位と下位の差がはっきりしているリーグもあるが、J1は過去7クラブがタイトルを取った。昨シーズンは名古屋が初優勝。活性化の意味で優勝未経験クラブのタイトル争いに期待したい。

 鹿島の社長から昨年7月にチェアマンになった。高校時代からプレーしたのはラグビー。2005年に住友金属の九州支社長から鹿島専務となり、翌年から社長だったが、サッカー界はまだ5年ほど。チェアマンを打診された時は冗談かと思った。名誉だが経験不足と思った。だがチャレンジ精神が自然に出た。

 何事も1年目が大事だ。

 鹿島の時も1年目を強く意識した。2年先、3年先に勝とうとしてもだめ。変えるには1年目からだと。社長になって半年後、アウトゥオリ監督からオリベイラ監督に代えた。迎えたシーズンは出だしが悪く、サポーターに呼び出されたこともあった。サッカークラブの社長は割に合わないと思ったが、結果的にその07年から3連覇した。

(画像は3連覇優勝報告会@鹿島神宮09.12.14.)
Field of Dreams-優勝報告会05/33

昔、出身の早大ラグビー部監督になった時も1年で全国大学選手権を奪還した。28歳のときの経験だ。2、3年で、と思うと絶対に勝てない。それはチームも組織も同じだ。

 Jリーグ事務局は2月から3グループ制を2統括本部制に変えた。外から分かりやすくしたかったのが理由の一つ。例えば広報部門は「リーグプロデュースグループ」から「広報室」になった。

 私がチェアマンとして初めて迎える開幕はJ1、J2合わせて38クラブ。格差が出ている現状に合った体制にしようとも考えた。経営や運営で表に出てこないほころびが生まれているのは事実。Jリーグ自体が抱える課題もある。どう対応するか、このコラムでビジョンをお話したい。

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大東和美氏(62)を第4代チェアマンとして迎えたJリーグが幕を開けた。ピッチの外から見ればクラブの経営や日程など課題が山積み。大東チェアマンが1年目の意気込みを語ります。