【映画】ダゲレオタイプの女

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映画「ダゲレオタイプの女」は黒澤清監督の海外初監督作品だ。ジャンルとしては、サスペンスホラーの部類に入ると思うが、ラブロマンスや社会派ドラマ的な要素も含んでいる。今回題材となっているのはダゲレオタイプというフランスで開発された世界最古の写真技術であり、映画に登場するのは、1対1の実寸代の像を映すダゲレオタイプだ。ダゲレオタイプは紙ではなく、銀盤に直接像を映し込むため、露光時間が長く、その間モデルは固定され、まったく動く事他出来ないという身体的な苦痛を味わう事になる。

映画の中で、

「存在する物を記録し、焼き付ける事でその瞬間は永遠になる。」

といった意味合いの台詞が出てくるが、この点こそがこの作品のテーマであり、人生とはなんなのかを深く問いただすものだと私は思った。

目の前に見えている物は幻想であり、それはすべて執着のたまものに過ぎないのだ。


この映画はまさに神の視点で描かれており、どの登場人物に共感を抱くかで、見る側の人生も分かってしまうような、そんな奥の深い作品であった。(★★★★☆)

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