「熱海殺人事件」を知らないあなたに
「熱海殺人事件」というものをご存知でしょうか?
「あたみさつじんじけん」と読みます。「ねっかい」ではありません。
今回はこの「熱海殺人事件」を知らない!見たことない!あんまり興味がない!
そんなあなたに向けて拙い文章ではありますが、ちょっとでも劇作家「つかこうへい」の残した作品、熱海殺人事件に興味を持ってもらえたらと思いつらつら書いてみます。
殺人事件という言葉から分かる通り、簡単に言うと刑事さん達と容疑者さんの取り調べ室の話。とでも言っておきます。
まず出演するのは4人。それぞれ役は
・木村伝兵衛(きむらでんべえ)部長刑事
・熊田留吉(くまだとめきち)刑事
・水野朋子(みずのともこ)婦人警官
・大山金太郎(おおやまきんたろう)容疑者
となっておりまして、この4人が喋って喋って喋り倒します。
約2時間ずっと出ずっぱりです。
しかも舞台上には机が二つ、、、
だけ。
いわゆる「素舞台(すぶたい)」というやつですね。シャンデリアが落ちてきたり、ヘリコプターが飛ぶこともありません。
飛んでくるのは役者の汗です(笑)
さて、ここまで読んで一体何が面白いのかさっぱりからないと思います。
実際自分で読んでもそう思います。
机二つしかない素舞台で繰り広げられる4人の攻防、最大の魅力はなんといっても「つかこうへい」の熱いセリフにあります。
普通に戯曲を読んでみると到底日常会話とは程遠い暴力的な言葉や、差別用語を含んだセリフが山の様に出てきます。
「テメー!」「コノヤロー!」「バカヤロー!」なんてかわいいもんです。
わざわざお金払って、時間割いて見に行くのにそんなの見たくないと思ったあなた!
この「熱海殺人事件」は生まれて約40年、役者を変え、劇場を変え今も全国どこかの劇場で上演され続けています。
そこまで愛され続けているのは何故なのでしょう。
やはりその過激なセリフの中にある、胸掻き毟る程の「愛」があるからだと思います。
「愛とは、安らぎのことではありません。
何ものにも負けぬ強い志のことです。
恋とは、優しさのことではありません。
ともに天を頂かんとする強い意志のことです。
そして幸せとは、
その腕で勝ち取るものなのです」
熱海殺人事件に出てくるセリフで個人的に好きなセリフでもあります。
耳で聞くというより、脳みそに直接ダイレクトにくる!そんな感じです。
知らないうちに涙が流れてきたり、気づいたら前のめりで客席に座っていたり不思議なもんです。
ダラダラとずっと書いてしまいそうなので一旦止めて続きはまた書きます。
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