渡辺貞夫さんと共演 | 吉澤はじめ MY INNER ILLUSIONS

渡辺貞夫さんと共演

つい先日。
大阪NOONで、こんな感じや
吉澤はじめ Jazz from the Edge of the Universe
あるいはこんな感じの
吉澤はじめ Jazz from the Edge of the Universe
はたまた、こんな感じの
吉澤はじめ Jazz from the Edge of the Universe
ハードボイルドな演奏を繰り広げたトリオ。

が、
渡辺貞夫さんのFM番組に出演することになり、
昨日、音響ハウスで演奏を収録してきたのだ。
吉澤はじめ Jazz from the Edge of the Universe
そもそも、
貞夫氏の甥で、彼との共演経験もあり
信頼も厚い本田珠也に、
プロデューサーのN氏から白羽の矢がたったのが、
ことの始まり。

珠也がほかのメンバー招集を任され
荒巻と僕を誘ってくれたのだが、
はじめに電話をもらったときには、
貞夫さんとの面識もないぼく(実はあったんだけど)
が一発勝負のセッションに呼んでもらえるのか、
不安でいっぱいだった。

しかし珠也やN氏の根回しのおかげもあって、
共演が決まったのだ。

前日は、
事前に渡してもらっていた貞夫さんのオリジナル曲を、
僕のスタジオで荒巻と二人で練習した。
当日は、昼の12時に収録スタートということもあり、
時差ぼけ調整のため?
いつもより早めにつぶれるために速攻で飲みまくった。
(それでも3時まで眠れなかった)

当日30分前にスタジオ入りすると、
演奏曲ががらりと半分以上変わっていて、
面食らう。
決して譜面に強い方ではない僕なので、
大丈夫かなー?と多少不安に。

しかし、演奏がスタートし、
あの貞夫さんのサウンドが自分のピアノと
交わったとたんに、
強烈な多幸感に満たされ、
よけいな緊張がすべてほぐれた。

うーん。音楽ってすごいです。

思い起こせば、
貞夫さんのカリフォルニアシャワーというアルバムが、
僕は大好きだった。
中学生のころ、佐賀県でレストランの厨房で働いていた頃、
一日に4回ぐらい聴いていた。
皿洗いの休み時間に、
箸やフォーク、ナイフなどをスティックにして、
音楽に合わせてドラムの練習をしていたもんだ。

彼のあたたかくて、切なく、
そしてとびきり明るいアルトサックスの音色や、
頭から終わりまで全部うたえてしまうような、
メロディアスなソロが大好きだった。

将棋界でいえば大山名人のような、
野球界でいえば長島茂雄のような、
漫画界でいえば手塚治虫のような、
フロンティアであり、スーパースターの彼と、
僕が愛する最高のメンバーと共演できるなんて、
本当に光栄なこと。

セッションが進めば進むほど、
貞夫さんのエネルギーが開放されるのがわかった。

珠也も、荒巻も、自分の持ち味をがんがん出して、
サウンドがみるみるフレッシュになっていく。

中でも、貞夫さんがあっという間に作ったという、
Times Agoという美しいバラードや、
ユーモラスでファンキーな
What Second Lineというブルースなど、
演奏が終わるたびに、
メンバーの笑顔がこぼれ、最高の雰囲気に。

そして楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

貞夫さんは金曜日から
新しいアルバムのレコーディングのためにNYに発つらしい。

70の齢をすぎても、
なお、彼のように音楽に満ちあふれた人生を、
送っていられたら、と激しく思った。

今回この機会を与えてくれた貞夫さんと、
僕を誘ってくれた珠也に大感謝なのである。

放送予定が決まったら、またお知らせしますねー。