『第1回 市川猿紫舞踊会』見に行ってきました!!
テーマ:歌舞伎 大好き!(歌舞伎関連)
今度こそ、何か言われるに違いないパコだな。これ…。
ともかく、先日来お話してきた市川猿紫(いちかわ えんし)さんの舞踊会当日を迎えました。
何故か自分の方が緊張していしまうという、不思議な状態で当日を迎える事になりました。
既に舞踊会から1日経過してしまいましたが、今でもその舞台の事は鮮やかに思い起こす事が出来ます。
何故猿紫さんの舞踊会が楽しみであったかと言う事は、度々書かせては頂いていますが、最初に注目したのは
「スーパー歌舞伎 新三国志Ⅱ 孔明編」です。
2002年に博多座で上演された模様は、NHKさまで放送されました。本放送時はノーカットだったと記憶していますが、自分は再放送を録画して拝見させていただきました。
猿紫さんは「孔明の従者」役だったそうですが、この時の画像が、『市川猿紫公式ウェブサイト』さまの「フォトギャラリー」に掲載されておりました。
実は「スーパー歌舞伎 新三国志Ⅱ 孔明編」の再放送は、編集して大幅にカットされたものでした。そのため、猿紫さんの登場シーンはほぼカットという感じでした。それなのに印象に残ったのは、
この時の主役であり、師匠である市川猿之助さんの傍に仕える人間と言う、脇役ではあるものの、重要なポジションを演じられました。
「この人間は信頼できるので、任せても大丈夫だ!という事が、役柄だけでなく、実際の人柄においても明らかでなければ、このような配役はされないだろう。だからこそ、その演技をみてみたい!」
と、それ以来ずっと思い続けていたわけです。
そこに、当ブログでお世話になっているトラloveさんがご紹介してくださったのが縁で、ペタさせていただいたところ、ペタ返しを頂いて、以来のご縁となっているのです。
猿紫さんも色々とお忙しい中でしょうに、毎回ペタ返しをしていただいて、本当にありがとうございます。そのお礼もかねて見に行ってきました。
しかし、冗談抜きで、
ココまで素晴らしいとは思っていなかったーー!!
舞台が終わったのが19:40頃なんですけど、未だに興奮が冷めやらない…。
当方が会場時間を間違えて2時間早く新宿に到着してしまい、花園神社などで時間を潰して会場予定時間の16:30に間に合うように、16:20頃に明治安田生命ホールさまにやってきました。
すると、もう開場してました。
自分は昼の部の終演時間が遅れたんだろうと思って、係の方に伺ってみた所、夜の部の開場という事で間違いないとのことでした。
既にお客さんが詰め掛けていました。
入り口で筋書きを頂いて、中に入りました。ちなみに無料でした!!
自分の席は『M列3番』という席でした。
会場の明治安田生命ホールさまは初めての劇場です。決して大きい会場ではないのですが、満員御礼でありました。
圧倒的に女性ファンの割合が多く、7対3の割合でした。まぁ年齢層が高めでしたが、皆さん歌舞伎だけでなく、普段から舞踊に慣れ親しんでいる皆さんとお見受けしました。
意外だったのは、3割の男性客のうち、殆どが20代前後の若い皆さんだったという事です。
今回の演目は以下の通りです。
一、 香華紫春秋(たむけのはな ゆかりのしゅんじゅう)
上 長唄「手習子」 娘おふじ
下 清元「玉兎」 玉兎
ニ、常盤津「独楽」 独楽売萬作
三、義太夫「吉野山道行(よしのやまみちゆき)」
佐藤忠信実ハ源九郎狐 市川猿紫
静御前 市川笑野
では、演目ごとの感想なぞ。
○「手習子」
春の野で寺子屋から帰ってきた娘の仕草を舞踊化した作品だそうです。自分は初見です。
最初見た感じでは、
「あ、中村福助(成駒屋)さんみたいだな!」
という印象でした。演じ方も似ているような印象でしたし。しかし、福助さんなら、もっとおてんば娘といった感じの踊りになりそうな気がします。しかし、猿紫さんのは、主人公の「娘おふじ」を演じられていたのですが、素養がある町娘という感じでした
娘道成寺を思わせる演出が随所に見られ、
「猿紫さんの白拍子花子を見てみたい!」
という気にさせてくれました。おそらく、師匠の市川猿之助(澤瀉屋)さんから抜擢されても、ちゃんと応えてくれるであろう事は間違いありません。
というか、「紫派藤間流(むらさきはふじまりゅう。初代家元は故藤間紫氏。二代目は猿之助さん)の舞踊会では、時折演じられているようですけどね。
ともかく、歌舞伎独特の女形の芸が見られた美しくて楽しい作品でした。
○「玉兎」
今回の舞踊会では、上下二段の早替わりで舞台が進行するという趣向となっていました。
暗転から、舞台中央に丸い月が描かれた大道具があります。その中で、兎が餅つきをしているようなシルエットが映しだされるという、凝った演出でした。
そこから兎が飛び出して、御伽噺の「カチカチ山」の世界を踊ると言う物です。
何か、若い頃の中村橋之助(成駒屋)さんか、当代の板東三津五郎(大和屋)さんが演じられる若い男の踊りのような印象を受けました。
「流すべき所は受け流し、ポイントはきっちり抑える!」
という感じがしました。
好印象です!!
○「独楽(こま)」
20分の幕間の後に上演されたのが、「独楽」という舞踊です。
これは、浅草の浅草寺の境内に来ている独楽売りの男を舞踊化した作品です。
初演は昭和三年九月の歌舞伎座様だそうですが、曲などが残っておらず、新作として後に作られた物を、今回は上演して下さったそうです。
この明治安田生命ホール様には、下手側舞台前方寄りに、斜めに数メートルほどの短い花道があります。そこから、
「さぁさぁこれはかくれもないお子様方のお手遊び…。」
というセリフのあと、独楽売萬作に扮した猿紫さんが登場します。
猿紫さんの声を始めてお聞きしたような気がしますが、市川染五郎(高麗屋)さんっぽい声質の方だと思います。
その後、曲独楽の場面に移ります。
「キセルの先での独楽廻し」
など、現在でも浅草演芸ホールさまなどに行くと、時折見られる独楽を使った曲芸を、次々と披露してくれます。もっとも、実際に曲芸を披露されるわけではないんですけどね。
最後には衣装を引き抜き、猿紫さんご自身が独楽になってグルグルと廻り始め、舞台や花道でも廻り続けます。目が回らなかったんでしょうか?
この間、舞台は幕が下りていたのですが、再び幕が開くと、舞台中央に抜き身の刀が置かれていました。この抜き身の刀を使った「刃渡り」という芸が、曲独楽にはあるのですが、この上をグルグルと回り続けているうちに、幕が下りてきてお終いとなります。
見ていて、非常に楽しい演目でした。これを見る事が出来ただけでも、会場に足を運んだ甲斐があったというものです。
これ、どこかの劇場で再演してくれませんかね?
○「吉野山道行」
25分の幕間のあと、今回の舞踊会最後の演目となったのが、皆さんもご存知の「吉野山道行」です。
何度か見ているんですが、演出が違うような…。
セリフは全て義太夫が語ると言う、文楽みたいな方法でしたし、静御前が持っている初音の鼓を慕ってやってくる狐が、人形だったり…。
あとから筋書きを拝見したら、これは澤瀉屋の家の芸なんだそうです。また、最後の花道への引き込みの際に衣装を引き抜き、狐六方で引き込むのも家の芸なんだそうです。
今回の道行きでは、市川笑野(いちかわえみの 澤瀉屋)さんが花を添えてくれました。ただ、笑野さんの女形の演技と猿紫さんの演技とをどうしても比較してしまうのですが、笑野さんが演じられていたのは静御前というお姫様であるわけです。いっぽう猿紫さんが演じられたのは町娘です。前者の方が役柄の上でも気品があるのはモチロンなんですけど、澤瀉屋の中でも先輩にあたられる方であります。この方のように、静御前や八重垣姫などを演じられる日も、そのうちにやって来られるのではないでしょうか?
舞踊に慣れていない方だと、次の動きに移行する間に止まってしまったり、ギクシャクしたりする物なんです。しかし、猿紫さんは幼少時から舞踊に親しまれているだけあって、全くそのような感じには見られません。ですから、
「もう何年も、この人の芝居や芸を見に通っているんだ!」
という錯覚を覚えたのは事実です。
しかし、紛れもなく初の舞踊会なのですから、末恐ろしい気がしました。
間違いなく、数年後の澤瀉屋(おもだかや)を支える役者さんの一人になるであろうと確信しました。しかし、源平合戦を語る場面など、もう何年もトップで看板をはっている役者さんと、区別が出来ないほどの風格がありました。
次回の舞踊会も、絶対に来ようと思った管理人でありました。
なお、最後になりますが、市川猿紫さんを初めとして、舞台に後見や共演者として参加された皆様。関係者の皆様にたいし、心から御礼を申し上げます。
PS.終演後、カーテンコール後に閉まった幕の前で、20代位の女性が床に座り込んで、ハンカチで目頭を拭われていたのが、今日の舞踊会の全てを物語っていると思います。
自分も同様でした。













