妄想近代史特殊講義

日々、日本近代史をそこはかとなく考察しつつ、全力で妄想しています。


テーマ:


どうも!
お久しぶりですね~皆さまお元気でしたでしょうか?

最近はお金がなくて長距離移動ができず、すっかりションボリな森田さんです。

さて、今回の講義はこちら

{16296D4F-E663-40F8-A4F9-BA8487FE81C9}



「うるう」の民俗学

小林賢太郎さんの舞台「うるう」と、絵本「うるうのもり」を、民俗学的な視点から考察しよう!という魂胆です。

長いです!
「うるう」を知らない人からすれば「なんのこっちゃ」という長文です!
舞台観たし絵本も読んだよ!という方向けなので、物語のあらすじが知りたい方には大変不親切な内容になっております。

これから「うるう」を観る!という方にはそこそこなネタバレになりますので、これ以降はスクロールしないほうが身のためです!
読んじゃったあとにイチャモンつけられても、「ゴメンな」っつってコーヒーおごるぐらいしかできません!
そして、あくまでこれは私の考えた「物語を考える視点のひとつ」であって、「絶対にこうだ!!!」と断言するものではありません。



それではいきます!







【凡例】
舞台「うるう」を以下「舞台」、絵本「うるうのもり」を以下「絵本」と記す。
絵本からの引用文は(p  )とページ数を表記する。
なお、『遠野物語』引用文における六三という番号は収録順のナンバリングであり原文ママである。


この物語は舞台と絵本では視点が違う。
舞台は小林さんのパントマイムで全て演じられ、視点も小林さん(役名ヨイチ)である
しかし絵本は舞台上では見えなかった少年・マジルの視点で描かれる。

マジルから見た森は「マヨイガ」
ヨイチから見たマジルは「マレビト」
として論じていく。

【マヨイガ】
山の中にある不思議な家。
生活感はあるが、人の姿は見えない。
ここを訪れた者は、この屋敷のものを何でも持ち出してもよい。
その者に与えるために現れるのがマヨイガである。

日本民俗学の父・柳田國男の編纂した、岩手県遠野地方の民話集『遠野物語』の中に採集されている

六三  (前略)この妻ある日門の前を流るる小さき川に沿ひて蕗を採りに入りしに、よき物少なければしだいに谷奥深く登りたり。さてふと見れば立派なる黒き門の家あり。いぶかしけれど門の中に入りて見るに、大なる庭にて紅白の花一面に咲き鶏多く遊べり。その庭を裏の方へ廻れば、牛小屋ありて牛多くをり、馬舎ありて馬多くをれども、いつかうに人はおらず。(後略)

家の中にも誰もおらず、ある部屋には朱と黒の膳椀がたくさん並べられ、またある部屋には火鉢に鉄瓶がかけられ、お湯が沸いていたという。

この妻は恐ろしくなり、何も持たずに家に帰った。
ところがある日、川で洗いものをしていると、川上から赤い椀が流れてきた。
この椀で穀類を掬うと、いつまでたっても尽きなかったという。
ここからこの家は豊かになり、村一番の金持ちになった。

(前略)遠野にては山中の不思議なる家をマヨヒガといふ。マヨヒガに行き当たりたる者は、必ずその家の内の什器家畜何にてもあれ持ち出でて来べきものなり。
その人に授けんがためにかかる家をば見するなり。
女が無慾にて何物も盗み来ざりしがゆゑに、この椀みづから流れて来たりしなるべしといへり。


マヨイガの類型はいくつもある。
亀を助けた浦島太郎は竜宮城に招待され、玉手箱をもらう。
老人が雀のお宿に招待され、手厚い歓待を受け、財宝の入ったツヅラをもらう。

いちばんわかりやすいのはジブリ映画「千と千尋の神隠し」である。
山中にある湯屋はマヨイガで、人の姿は見えないが、作りたての料理はあった。
(それを食べた千尋の両親が豚になるのはヨモツヘグリと思われるので、ここでは省く)
さまざまな人たちと出会った千尋は、最後にマヨイガの住人から髪ゴムをもらう。

「うるう」「うるうのもり」どちらにおいても、マヨイガの住人であるヨイチは、マジルに対して何も与えていない点に留意したい。



また、ヨイチはマジルに対し、「ここで私と会ったことは誰にも言うなよ。」と忠告をする(p20)。
マヨイガの存在を口外すると罰を受ける例もある。

柳田國男「隠里」より
大峰を通る修行僧が見知らぬ山村に入って黄なる泉の水を掬んでみたらことごとく酒であった。
僧であるがために一旦は助けられて帰ったが、由無い人たちにその秘密を洩らして、ついには慾の深い冒険者の案内をして再び往って帰って来なかった。

その点、マジルはヨイチの言いつけを守る。
「僕は家に帰っても、うるうに会ったことはだまっていた。
次の日の学校でも、誰にも言わなかった。」(p20)

マヨイガは、再訪しても見つからない場合もある。
以下「隠里」より
日暮れて里に帰りかかるところをこそ見て候つれと語り、翌日人を誘い行き尋ぬれども見えず、疑いなくこれ仙家なりとある。

(前略)苺の叢の下において壮厳なる石の神殿を見出した。急いで里に下り村の者を伴い鋤鍬を持ってその場所に往ったが、一度見た石室はさらになかった。
その後にもまたこの神殿を見た者がある。その時は枝を折って栞として置いたが、人を誘って行くとその栞の跡さえも見えなかったという。

絵本の最後ではヨイチに脅かされたマジルは森の外へ出される。
「やがて僕は、森の入り口の国道に出た。
ふりかえると、今走ってきたはずの、けもの道が見当たらなかった。
何事もなかったように、黒い森だけがそこにあった。」(p70)


マジルが一度ならず何度も森に入れたのは、善良な者がマヨイガの住人との約束を守った返礼で、
最後にヨイチのもとへ至る道が閉ざされたのは、ヨイチがマジルを拒絶したからではないだろうか。


私は「ヨイチ」と「おばけのうるう」は別のものだと考える。
こどもたちを追い払うために「おばけのうるう」に扮しているのはヨイチだが、同一ではない。
ヨイチは比較的ケの世界(私たちが住む俗の世界)に近い。しかし「おばけのうるう」は文字どおり「おばけ」であって、ある種の「神格」である。
だからヨイチがおばけのうるうになるには、「変装」が必要なのである。
世界の多くの民族でヒトが神や妖怪を演じる時、仮面を着けたり特別な衣装を纏って変身するのと同じである。ケの世界のものが、その本性を仮面や衣装で隠して、神格であるハレの世界の住人になる。

物語の最後、マジルが道を見失ったのは、神格となったうるうの力によるものとは考えられないだろうか。
うるうは森と同化した(森の神様になった)と言い換えてもいい。


さて、話を本筋に戻す。
今度は【マレビト】について。
マレに訪れるヒト、つまりは客人、旅人などのこと。

民俗学者で歌人の折口信夫は、元来この言葉は神に対して使うものであったとしている。
石川県能登に受け継がれる「あえのこと」という神事では、年末に田の神を家に招き、饗宴を催して接待し、年明けに田に帰して鍬入れをする。
家の主人が目に見えない神を「そこにいるもの」として振る舞うのが特徴で、神を客人として扱っている。

もっと身近なところで言えば、季節の節目などに門前にやってくる獅子舞なども来訪神といえる。
地域のこども会や青年団の人々が舞うケースが多いと思うが、地域によってはその専門職の人々を招いて舞ってもらうこともあると聞く。
かつては「大黒舞(だいこくまい)」「夷舁(えびすかき)」「春駒(はるこま)」など、祝いの舞を舞う遊芸民の人々が各家の門前を回って祝詞を唱えていたという。
余談であるが、大黒天も夷(恵比寿)も大陸から輸入されて福の神に転じた神格である。

今ほど交通網の発達していない時代、ムラというコミュニティはそこだけで全てが循環する完成した状態で、端的に言えば閉鎖的であった。
そこへ、ムラの外から人がやってきて、芸を見せてくれたり、新しい情報や技術などを持ち込んだりした。

さて、話をうるうに戻す。
まず、マジルは転校生である。ここですでに、コミュニティにとってマジルはマレビトである。
そしてヨイチにとってもマレビトである。
マレビトはコミュニティに何かをもたらす。田の神は五穀豊穣をもたらし、大黒天や恵比寿も家内安全・商売繁盛など様々な福をもたらす。
古代の渡来人もマレビトと考えられる。
彼らは進んだ技術や学問をもたらした。
余談だが、ジブリ作品「もののけ姫」のジコ坊が率いる唐傘連は、渡来系の技術をもつ集団である。
彼らが戦闘時に用いる兵器は、中国で用いられたものに似ている(石火矢、擂石)

ではマジルはヨイチになにをもたらしたか。
まず、マジルは「まちぼうけ」の楽譜を持ち込んだ。
これをきっかけに、マジルとヨイチは次第に仲良くなる。
そして物語では断言されていないが、マジルはヨイチの友達になったのだと思われる。(自分の秘密を話したりできるなら友達だと思うんだけど、どうだろう)

しかしマレビトは客人という性質上、一過性のものであるため、そのコミュニティに永住はできない。
田の神は祭りが終われば田に帰される。
マジルも、森から追い出された。

しかし「年神」と呼ばれる来訪神たちは、福をもたらし祝詞を宣べるために1年を周期として再びムラを訪れる。
マジルも、50歳の節目に、再び森を訪れた。


ふたりが再会出来たか否かは、舞台と絵本で結末が異なるが、
舞台は「マレビト論の世界(ヨイチ主観)であるため」再会できた
※マレビトは周期的にやってくるものであるため
絵本は「マヨイガ論の世界(マジル主観)であるため」再会できなかった
※マヨイガは再訪できないため
ととらえることができる





………………かもしれない!!!!!

マジルが森から何も持ち出していないことから、マジルは与える側(=マレビト)であり、やはり物語はヨイチ主観の舞台「うるう」が本筋なのかなと思う。

絵本でマジルが主人公なのは、舞台上では見えなかったマジルに実在性をもたせようとしたのかな。

だんだん何言ってるのか分からなくなってきたな。

まとめるとこう
{164CF582-A6A9-45B1-8D36-C8615D4A20BD}


■参考文献
舞台「うるう」再演版 小林賢太郎
絵本『うるうのもり』小林賢太郎 講談社

『新版 遠野物語』柳田國男 角川ソフィア文庫
『神隠し・隠里』柳田國男 大塚英志編 角川ソフィア文庫
『まれびとの歴史』折口信夫
『日本民衆文化の原郷』沖浦和光 文春文庫
『辺界の輝き 日本文化の深層をゆく』沖浦和光 五木寛之 ちくま文庫


やはりまだまだ資料の読み込みが足りない!
「こじつけじゃん!」って言われても言い返せないぜ!!
マレビトに関して言えば、舞台で出てきた国勢調査の関係で、飛鳥時代の律令制下の徴税方法がどうとかいう話もあるんだけど、長くなるし私も詳しく調べてないので省きました。

あと、舞台を見たのが去年なので、ところどころ記憶違いがあるかもしれない。
間違ってたら遠慮なく指摘してください。
あと「これオススメだよ!」って資料があったら教えてください……

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)
最近の画像つき記事  もっと見る >>

テーマ:

{A8106E43-E05D-4E61-BA39-49C6AF576A5D}

大変だァーーーーーーーッ!!!!!!

年に一度のお楽しみ「小林賢太郎テレビ」に、ついに!ついに!
片桐さんが出るぞーーーーー!!!


何がそんなに大変かと言いますとね、
7年ぶりなんですよ!
ラーメンズのお二人が「ラーメンズ」として活動するのが!!!!!
2009年のラーメンズ本公演を最後に、個々の活動が活発化して、コンビとして見られるのはとてもレアな状態になってたんです!

{E92956CE-C827-4E76-8E65-33A432B0BF67}

ほら、お二人の名前の下に、まとめて(ラーメンズ)になってますでしょ!?

まだ日の浅いファンである私ですらお祭り気分なのですから、7年間待ってた方々は感無量ですよね!!!

私が今まで見てきたラーメンズは過去作ばっかり。
すでにみんなが知ってるものしか知らなかった。
でも、ここにきてやっと、誰も見たことないお二人が見れるんです。すごく嬉しい!

「小林賢太郎テレビ」は、名前の通りラーメンズの小林賢太郎さんが、年に一度、テレビで作品を見せてくれる番組。
舞台作品がほとんどな小林さんを、テレビで観れる貴重なチャンスなのです。

しかも、どうですか、洋ちゃんも出るってよ!
洋ちゃん、以前小林賢太郎テレビ5に出演したんです。
私は運良く再放送で偶然観れました。
オープニング曲がシューベルトでしたね。

今までゲストの俳優さんが出ることはありましたが、相方である片桐さんは出たことがありませんでした。
この番組はあくまで「小林賢太郎テレビ」であって、「ラーメンズ」の番組ではない、という位置付けだったんでしょうか。


言い方を変えれば、久々に「小林さんが演出した片桐さん」が観れるということですよ!
片桐さんって素っ頓狂な部分ばっかりが注目されがちですけど、演じるキャラクターの振り幅かなり広いんですよ!
今まで小林さんが演出した片桐さんを見れば分かります!


そして今年、2016年は、ラーメンズ結成20周年のメモリアルイヤーでもあります!
何かある、たぶん何かあるとファンの間で憶測が飛び交っていましたが、来ましたね~!
まずはテレビから、ということでしょうか……?

どうしてもこのあとのこと(たとえば新作本公演とか)のことを期待してしまうのですが、
もし何もなかったら私の心はベッコベコに折れるので、余計な期待はまだしないようにしています!


とにかく、皆様!

小林賢太郎テレビ8 wonderland
6月26日(日)
22:00~
BSプレミアムにて放送!

みんな、観てくれよな!

上に貼った画像をスマホの待受とかにしとけば見逃し防止にいいと思うよ!

ちなみに、この記事の冒頭の「大変だァーーーーーーーッ!!!!!!」は、ダイレンジャーのOPの「転身だァーーーーーーーッ!!!!!!」のテンションでお願いします。相当なテンションです。


AD
いいね!した人  |  コメント(1)  |  リブログ(0)

テーマ:



職場でインフルが猛威をふるっております。


休日の朝、突然会社から電話があり、
同じ売り場の人がインフルに罹患したとのことで、森田さん強制出勤。
気づけば今までに見たことないような怒涛の連勤になり、しかもそのうち一日は開店から閉店までの丸一日拘束コース。


「やれと言われればやりますけど…」が最近の口癖になりつつある森田さんは、仕事中、薄れてゆく意識の中で妄想しておりました

奈良がなんかこう、ファンタジーな中世ヨーロッパ的な都市みたいな感じだったら…

{C87AA114-7E4B-4486-AFEC-BA22E2C5E369}
奈良と言えば鹿じゃろ、ということで春日大社の神鹿をイメージして鹿を紋章っぽくデザインしてみた

なんかホラ、アレだよ……
鹿に乗って東からやってきた王が築いた国とかなんだよ、きっと……

ドイツのヒルシュホルンという町の紋章を参考にしました
あと、春日大社の神鹿御正体。あれかわいいよね
背景が青いのは、うちの大学のスクールカラーがロイヤルブルーだからです。

{A5F74A6B-032A-4E17-B4BD-6CF38DE4C138}
ほら、なんかありそうでしょ?
城郭には紋章学とかに詳しいヤカラがたくさんいそうなので、装飾のアドバイスとかあったらぜひおねがいします
でも書き込むのが面倒くさそうなやつとかはやめてください
本当は城壁を描こうかと思ってたんだけど、ああいう直線的なやつほど描くのが大変なので諦めました
余裕のあるときに書き足します


{35B82EE7-E610-46F1-8459-D806F3C307AF}
工兵部隊のマークも作りました
なんかアレだよ、築城と攻城・守城に特化した部隊なんだよ、きっと……


っていうのを、連勤中に描いてました。
今日やっと休みです。午前中ずっと寝てたけど疲れがとれません。


ホントにインフルやばい。
うちの売り場で罹ってないの、私だけです。
珍しいでしょ!?あの「実はヒヨワ」なことで知られる森田さんが、インフルじゃないんですよ!
きっと養命酒のおかげですね……ふふふ……

なにより、もう流行のピークが過ぎているだろうと思ってたのに、まだしぶとく残ってやがったのか!というインフル菌にビックリです。

手洗いうがいは必須ですよ皆様!



AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

Amebaおすすめキーワード

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

ランキング

  • 総合
  • 新登場
  • 急上昇
  • トレンド

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。