先日、自販機のつり銭詐欺らしきものにあいました。


私がひとりで2階の教室で留守番をしていたとき、下から男性の大きな声。

「ちょっとすみません!」

なんだろうと下へいってみると、

自動販売機の前に60歳前後の作業員風のおじさんが一人。

「お金入れたんだけど、品物がでてこんがだけど」というおじさん。

キャップをかぶって、紺色の作業服を着て、両手はポケットにつっこんでいました。


自動販売機については、私は今まであまりかかわってこなかったので、

どうしていいかわかりません。


話を聞くと、1,000円入れてココアを買おうとしたけど、

商品がでてこないうえに、お金も返金にならなかったといいます。

でも、私が自販機の前にいったときには、

商品名のランプはひとつもついていませんでした。

なんとなく、不審に思ったのですが、現場をみていないので、

本当かもしれないし、うそかもしれない。

そして、おじさんは「なんとかしてくれ」というのです。

私は、困って1,000円私が用意して買ってみようかと思ったのですが、

そのとき、夫が外出から戻ってきました。


そしておじさんは、もう一度、夫にいきさつを説明。


教室の前には、自動販売機が1台あるのですが、

これは、メーカーが場所を借りるという状態で置いているものです。

管理は全部メーカーがしているのです。

その日は土曜日。

夫は、すぐに携帯でメーカーに電話をしましたが、

土曜日なのでつながりません。

それで、つながらないので、私たちには、どうしようもないということを伝えました。

そしたら、おじさんはだんだん声を荒げて、

こんなときどうしたらいいか対応の仕方をちゃんとしとけといいだしました。


私は、だんだん大きくなるおじさんの声にちょっと怖くなってきたのですが、

夫は平然と、落ち着いて、自分たちには自販機のカギもなければ、

どうすることもできないので、申し訳ありませんとただただ謝るのです。


そして、夫は聞きました。

「ところであなたは私たちにどうしてほしいのですか?」


おじさんはホッとしたような表情でいいました。

「とにかくお金をかえしてほしい」と。


たのまれて、買っていかなければならないココアはどこへいったのでしょうか?


夫は、おじさんに、電話番号、氏名、住所を聞きました。

あとで、メーカーにいってお金を届けさせるつもりでですが。

そしたら、おじさん、教えてくれません。

しばらく、押し問答が続きましたが、結局捨てぜりふをいってどこかへいってしまいました。


実は夫は、おじさんが歩いて教室へ向かっているところから見ていたらしいのです。

車を運転しながらみていたのです。

そして、自販機の前でたたずんでお金を入れるでもなく、

私を呼んだ一部始終を見ていて、タイミングよく現れたということでした。


ですから、確証はないけれど、なにか態度がちがうという疑いが

しっかりあっての話だったらしいです。


おじさんが、帰った後、夫は警察に電話して被害がほかに届けられているか確認しました。

1,000円という小さな額でもあり、

そういう被害は届けられてないということだったらしいです。

ヤフーの知恵袋で調べたら、やっぱり同じような被害があって、

お金を渡したらだめだと書いてありました。


後日、メーカーにも電話したら、実は近ごろ何件も被害があったらしいのです。


あの日、私ひとりだったら、絶対にお金を渡していたと思います。

そして、ひとり落ち込んでしまったことでしょう。 

大きなトラブルなく対応できたことが本当によかったと思いました。


このあと、こんな怖い思いをする人がでないことを祈っています。