秘剣はぐれ侍  斬る!斬る!斬る! 

ちょっとHなものから
シリアスなものまでをすこーし世の中からはぐれた
侍が書いているのでみてやってもいいよと言う人は
お付き合いください

腐った世の中に秘剣を振るう


はぐれの剣客日記




ここで、発表された書き物に関しての無断転載は禁じます。


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しっかし、2月になったというのに

大雪の日が絶えないな。降るのを見るとキレイだなと思うが

交通は麻痺するし、体調を崩すしいい事ねえよ

 

(33)

「サマル、お前だけでも逃げろ。俺はもうちょっと足掻いてみる」

「そんなこと出来るわけないじゃないですか」

「いいから、どうせ俺は呪いのお陰でここから離れられない。だけどお前は違う。ならば助かる道を考えろ。そしてこの問題を解決できそうな人間を連れてこい。できれば俺じゃない本物の勇者様って呼ばれるようなやつにな」

 ワイズは最後の力と言わんばかりに自分の呪文を込めた魔法石を取り出して割った。

「ほらこのゲートをくぐれば俺の家に繋がってるんだ。行け!」

「助けに来ますから!」

「期待してねーよ」

 一人逃がすだけで精一杯だった、魔法使いというのは前衛が居てこその存在だと言うのが嫌というほど分かった一夜だ。そして自分が英雄扱いされなかった理由にも頷けた。

 サマルの姿がゲートに消えた後、これ以上何も出来ない自分が情けなかった。多分もう大好きなラム酒を飲むことも無いのだろうと思うと涙すら浮かんできた。

「くそったれ、死にたくねえな」

 よくまあ防いでくれているが、その攻撃の凄まじさにワイズの体に傷が増えていった。そしてついには肩に一撃、腹に貫通するほどの怪我。絶命までカウントダウンが始まったような気がした。

 薄れそうな意識の中で最後ぐらいは、どんな攻撃で死んだのか確認してやろうと必死で目を開けて凝視していると信じられない事が目の前で起こった。

「おりゃあー」

 叫び声とともに消えゆこうとしていたゲートから黒い影が躍り出て、悪魔の体を足蹴にした。それだけでも十分衝撃的な出来事だったが、凄まじい剣風が一閃して悪魔の体を薙ぎ払った。

「おい、死んでないだろうな」

 したり顔のボイドを見ると腹が立ったが、治療をしてくれているので文句の言い様もない。いつぞやこんな光景を見たような気もするが、すごい昔のことのようであまり現実感がない。

「ワイズ、水臭いぜ。悪魔退治なんて俺達のパーティーの専売特許じゃないか」

 勇者に戦士、僧侶に踊り子まで居る。夢かと見紛う光景に現実味が得られない。しかし傷を負った体の痛みは本物でそれだけが現実という時間を感じさせる。

「ワイズ、あの首なし騎士は敵なのか?味方なのか?」

「ああ、カイン。それは使い魔だ」

「え、マジ?あれ使いこなせるの?」

「true nameさ、それで縛っている」

「お前、それを旅の時に出してくれよ。そうすれば俺の負担減ったのに」

 そう言っている間にもライアルと連携しつつ悪魔を斬っていく。タミールはその間を縫うように攻撃とアイテムを使用している。

「魔法使い。景気のいいやつを頼むぜ」

 とっくにガス欠だったのが、いつの間にか魔力が戻っている。これはタミールが持ち込んだアイテムだろう。

 

ご意見をお待ちしております

 

 

                                 はぐれ

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マジで春来ねえかな

寒いの嫌だよ

 

(32)

「サマル、第2段階へ行くぞ」

「了解です」

 足止めをしたら剣士の出番だ。これでトドメを刺せるのなら言う事ないのだがそんな簡単にいくならビッグファットはとっくに回収をしているだろう。想像通り足止めは程なく破られ、デュラハンの鎧に大きな傷を付けて飛び上がった。

「すごい悪魔だな」

「確かに」

 サマルの心が挫けてないか心配だったが良く動いて撹乱している。悪魔と息ピッタリというのもどうなのかと思うが、デュラハンの剣撃の間を縫って上手く攻撃している。

「大気に満ちる空気よ、我の声に応え氷の刃となって斬りつけよ。アイシクルブレイド」

 凍てつく氷の刃が悪魔を追い詰める。そこにデュラハンの思い一撃。間髪を入れずに続けざまに魔法を詠唱する。

「森羅万象の理。創生の炎よ来たりて全てを焼き尽くせ。ヴァスティンフレイド」

 炎の魔法も直撃したがあまり効いている素振りはない。どちらも結構高位の魔法なのだが先程と変わらずに悪魔は暴れて回っている。

「サマル。大丈夫か?」

「はい、でも全然効いてないみたいですよ」

「諦めるな。絶対効いているはずだ」

 ・・・はずなんだと信じたいが、全く変わらない動きにその自信は揺らいでいく。魔法詠唱も無限に出来るわけではない。その力が尽きれば気絶したようにブラックアウトする。そしてその時はもうそんなに遠くはない。

「サマル。時がもうそんなにない。覚悟を決めろ」

「はい・・・」

 闇の眷属に光の魔法を撃つ。王道だがそれがもし効かなかったら次の魔法は無い。主人が死ねばデュラハンはその鎖から解き放たれどこかへ言ってしまうだろう。そうすればもうサマルが生き残るという未来図はどう逆立ちしても出てこない。

「聖なる光、闇をすべて照らし拒絶せん。我を守りたまえ。ホーリーライト」

 光の渦が悪魔を包む。大暴れしているがその動きは先程と違い鈍い。チャンスだが悪魔であるデュラハンをここで攻撃させるわけにはいかない。

「サマル、今だいけ!」

「はい」

 これでダメならもう手はない。というかこの魔法を詠唱した時点でここに立っているだけで限界に近い。

「てえやぁあ」

 鋭い一撃が悪魔を襲う。喉元を掻っ切った剣先が天を向いた瞬間、それは起こった。いきなりその悪魔が回転をしだして魔法もサマルも吹き飛ばした。今まで見た悪魔の中でも最高クラスぐらいに強い。急造のパーティーでは勝てる相手ではなかったのだ。

 

ご意見・ご感想を残してください。

 

 

 

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雪ってマジで要らない天気じゃね?

 

(31)

 これは人間でなく悪魔に手を貸すということになるのだ。そこが彼のプライドをぎりぎりの所で保ったのだろう、こちらの提案は通った。

「ビッグファットが、ああもあっさり力を貸してくれるとは驚きですぜ」

 賭けではあったが、実は少し確信めいたものを感じてもいたのだ。あの手合は自分の損になるようなことは絶対にしない。だから変にプライドだけが高いわけでもなく合理的に物事を考えるタイプで助かった。

「さあ、後はあの悪魔に勝つだけだ。集中できるからいいだろう?」

「はあ・・・」

 げんなりする気持ちは分かる。流石にあの悪魔の所業を見れば戦うモチベーションを保つのは大変だ。しかし、あの悪魔はここでやっておかないと魂を捕まえにいずれは外へ出る。もし街にでも行こうものなら被害は底知れないだろう。いくらグータラしている魔法使いでもその状況を見過ごせるわけはない。一応魔王を倒した勇者のパーティーに居たわけだし、使命感みたいなものも生まれつつ有る。

「さてサマル。命を投げ出す時が来たぞ」

「死ぬ前提ですか?」

「死にたがりでは無いのか?」

「そんなわけ・・・」

 このぐらいの軽口を言えるようでなければツライ戦いなど乗り越えられない。それは旅で学んだことで緊張ばかりしている時にいい結果が得られたことなどなかった。タミールやドースが和やかにしていてくれたお陰で何度も救われたことを今でも忘れない。しかしその2人はここには居ないのだから、それを自分なりにやってみたのだが果たして上手くいっただろうか。

「来るぞ」

「はい、ここで死ぬわけには行かないですからね」

「酒おごってもらえるまで死んでもらっちゃ困るからな」

「違いない」

 人の目には捉えきれない速さの影が風圧だけを残して通り過ぎた。こちらをからかっているのであろう。でなければ首が飛んでいたに違いない。そんな嫌な予感がよぎった。

「デュラハン、あいつの動きを止められるか?」

「YES MY LORD」

 あの黒い影を真っ向正面から向き合って打ち合う音が凄まじい。悪魔同士の戦いとはこうも苛烈であったかと驚嘆するしかない。

「私も加勢します」

 デュラハンが抑えてくれているのでサマルも何とか攻撃に参加できている。少し光明が見えて来た。ここで予定の第一段階を行動に移す。

「まずは影を捉えるぞ!」

- うねる闇の波動よ、その五感をことごとく奪え・・・拘束せよ、その脚をつかみ闇へと突き落とさん! -

 その場へ足止めすることにはひとまず成功した。

 

ご意見をください

 

 

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では、どうぞ

 

(30)

 やはりデュラハンを味方に引き入られたのは大きい。彼がいなければすぐに捻り殺されていたかもしれない。

「単刀直入に言います。私達の目的は一致しています。邪魔をしないと約束してください」

「従う理由がこちらにはあると?」

「別に我々が死んでも貴方には何も不利益ないでしょう。しかも万が一私達が勝ったら楽して仕事が完了する。悪くないでしょう?」

 ここで引き下がってくれれば良かったのだが、やはりそう上手くはいかない。

「お前たちこそ俺の邪魔をするな!」

 話の流れが上手くいかない、しかも相手が何の理由かは分からないが苛立っている。ここは相手の喜びそうな提案をするしかない。

「勿論、反魂術者の魂はそちらに渡す。そしてここからが重要だ、あの悪魔を倒したら何が出てくると思う?」

「何だ勿体ぶらずに言え」

「あの赤子はまだ生まれてなかったんだ。どういう意味だか分かるよな?」

「元の媒体は母の方だったのか・・・ということは」

「そうお前にとってはレアな死体だろう?」

 あまり気乗りはしない。だが、こいつが出てきて邪魔をするとなると死ぬ確率がぐっと上がる。しかも条件次第では手を貸してくれるかもしれない。

「譲るというのか?」

「ああ、もう亡くなった者だ。埋葬してやりたい所だがそうも言ってられない」

「ワイズ殿何を勝手に」

「五月蝿い。お前が勝手に引き込んだだろう、俺にだって勝手にする権利ぐらいあるさ」

 実際そうなのである。サマルという男のわがままでここに居ることには違いない。しかも死にそうな目にまであって割に合わないことこの上ない。死体は気の毒だと思うが死んだ者は蘇らない。酷なことをするようだが、生きている者の役に立つと思ってどうか恨まないで欲しいと思うばかりだ。

「いいだろう。手は出さないと約束しよう」

 目的は達した。だが、ここからは想定にない交渉をしていく。

「あともう一ついいか?」

「調子に乗るなよ人間風情が」

「いや、お前だって成功を臨んでいるんだろう?だったら少しばかり協力してくれてもいいんじゃないか?」

 少しばかり黙った後ビッグファットが口を開いた。

「聞くだけは聞こう」

「簡単だ。デュラハンに少しばかり魔力をわけてくれ」

 あの威圧感だ、ビッグファットというやつはそこそこに強い。人間が彼の力を分けてもらっても毒にしかならないが、悪魔であればそれはドーピングに他ならない。

 

                                                             はぐれ

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あけましておめでとうございます。

今年も駄文にお付き合いください。

 

 

(29)

「ふふ、決まっている。この悪魔とお前と私。このスリーマンセルで事に当たるということよ」

「裏切ったりしないのですか?」

 それは愚問というものだ。それをしようと思っても出来ないというのが真名の恐ろしいところだ。しかもその知識がある者がそれを手に入れたのなら、今目の前にある光景となるわけだ。

一言で言うなら魂を握るというのが一番正しい表現なのかもしれない。今回は他人が縛った功績を横から奪っただけなので大したことはないが、本当はそこまで持っていくのに多大な労力や知識を要するのだ。少なくとも私はそれをやろうと思っても出来ない。例え勇者と言われたカインが手伝ってくれたとしても無理だろう。その素養が私には皆無で、メイザースという人がどれだけ優秀で嫉妬に値すべき人間なのかということも分かる。

「行こうか」

「勝てますかね」

「知らんが、死にたくはないな」

 解決しなければならない問題がもう一つ。ビッグファットが魂を回収しようと付け狙っている。勿論反魂などを実行したジジイなどそうなって当然だとは思うが、今は差し出せない状況にある。両方とも成敗できるぐらいのウデがあればそうしたいところだが、それは到底無理な話なので交渉することが先決だ。しかし全く弱い人間がそれを言えば門前払いもいいところだろう。しかし、今は状況が変わった。全く自分の功績ではないがデュラハンが居る。このモンスターを従える者となれば少しは交渉の余地が出ようというものだ。このモンスターは上級に部類されるだろうし、デュラハン自体絶対の個数が少ない希少種に値する。

「行きますか」

「ああ、ここ出たらお前の金で酒を嫌というほど奢ってもらうからな!」

「約束しますよ。一生だっていいくらいです」

「言ったな」

 先程も見た死体群を横目に奥の部屋へと足を踏み入れていく。特別な力がなくてもそこに悪魔が居るのを感じる。

「パペット橋渡しだけ頼む」

「私の契約は偵察だけだったはずですが・・・」

「ふむ。じゃあここにいる男の生還の保証がだいぶ下がるがいいか?」

「ふん、悪魔より悪魔らしいや」

「お褒め頂き光栄だな」

 すぐにビッグファットは目の前に現れた。その姿からは想像できないほどの圧力で存在している。油断すれば間違いなく殺されるだろう。

「何の用だ人間」

「一つ提案があるんだ。悪い話じゃないと思うんだが?」

「デュラハンか・・・誇り高い悪魔の騎士が情けない。まあいい、話は聞いてやる」

 

今年もよろしく

 

 

                                  はぐれ

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寒い寒い寒い・・・。

冬バテって言葉が出来たそうです。

新しい言葉が次々生まれるなあ(しみじみ)

 

(28)

 古代文字は失われた言語だが、こんなところに書いたのだから重要なことだと思っていたら中身はそうでもなかった。頭の上に掲げてただ一言唱えるだけ。

「我が名はメイザース!」

 その言葉を告げると刀身がまばゆい光を放ち刀身が真っ赤に変わっていき、錆びていた短剣が輝きを取り戻して行く。

「久しぶりに呼ばれたな。ずっと封印されしままだと思ったぞ人間。それに免じて殺さないでおいてやろう」

 随分と高飛車な物言いの首から上の無い騎士が現れた。

「な、なんですかこれは」

「デュラハンだな。これは結構な物が封印されていたな」

「久しぶりに外に出られたのだ。殺戮を楽しませてもらおうか」

 またかなり好戦的な性格のようだ。これを使役するのにはかなりの上位の魔法で縛らないと無理そうだ。

「ヘシアン・ブランカよ。我が呼びかけに従え」

「なぜ・・・その名を・・・」

 デュラハンの体は光を放ちワイズの声に呼応した。すると膝を折り彼の前に跪いた。その光景にサマルは不思議そうに見つめ、パペットは黙して動かなかった。

「今にもこちらに斬りかかって来そうな相手でしたよ?」

「だな。俺もそう思ったよ。しかし、あの魔法にどうして反応したのだろうな・・・」

「魔法?」

 先程大量の本を読む為に使用した魔法。その最中にどうしても忘れられずに頭に残ったワード、それが先程口にした名前だった。強烈に焼き付くように脳に刻まれた言葉が口から出た時、彼の者を使役することに成功した。この短刀に刻まれたヘイザースの言葉だったのかどうかの確証は無いが、短刀に彼が封じ込められたのもこれで納得はいく。普通あのクラスの悪魔を封印しようと思ったらかなり大掛かりな魔法陣や高位の術者が必要となる。しかしそれを使役していたというならば、それはそれほど難しいことではなくなる。

「ヘシアン、我が命令に呼応してその力を遺憾なく発揮せよ」

「イエス、マイマスター」

「true nameか・・・」

 パペットが口にしたこのtrue nameとはその言葉の示す通り真の名前ということであり、その名前を口に出された悪魔は魂を捕らわれて主従の関係となってしまう。今では居なくなってしまったがかつてはそれを得意とする魔法使いも居て、悪魔使いと呼ばれた大魔法使いも古い文献には記されている。

「パペットよ、お前の名前も教えてくれていいんだぞ?」

「ふざけるな。例え光の魔法渦に落とされようとも教えるものか!」

「ワイズさん。この悪魔どうするんですか?」

 

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年内の仕事の忙しさで

更新ができないかもしれません。

今日は気合で更新です。

 

(27)

「おい、これは良い物があったぞ」

「何か汚い短刀にしか見えませんが」

「だろうな。お前からしたら、ただの錆びた塊だろうな」

 その塊は知らない物からすると何も感じないだろうが、魔術をそれなりに修めたものならばそこに書かれている文字が読めるに違いない。

「これはな魔物が封じられている刀に違いない。その証拠に鞘に古い文字が刻まれている」

― 我、この短刀に古の剣士を封じ込め使役せしむるものなり ―

 直接的に何かとは書かれていないが、元王宮魔術師が所持していたものだ、しかも風格みたいなものも感じるので期待してもいいと思われる。

この術式をそのまま自分の物にできたなら、前の持ち主を引き継ぎここに封じ込められている魔物を使役できるだろう。しかしこの刀身にかかれている文字は全く読めない。しかもこの手の封印式は間違った解き方をすると術者に襲い掛かってくる可能性が高い。

「書物はここにあるだけか?」

「いえ、その壁を押すと」

 そう言ってサマルが壁を押し込むと中に壁は吸い込まれて小部屋が現れた。中には見たことのない蔵書の数々が山積みになっていて値段のつけられないような書物に不謹慎ながらも心が踊っていた。

「なあ、この件が終わったらこの蔵書貰ってもいいか?」

「え・・・?」

「もう誰も使わないだろ?」

「いいですけど・・・呑気ですね」

「そのぐらいの報酬いいだろう。命の代償にしたらこれぐらい安いだろうよ」

 緊張感が無いように思えるだろうが、魔法使いにしたらこの蔵書を見逃すのはそれぐらいに口惜しいものだ。

さてこの中から古代文字に関する案件はあるのだろうか。きっかけだけでも分かれば解けるとは思うのだが。そんなに時間も無いので全部読むという訳にもいかない。どうしようかと目を閉じると何故か皺くちゃの師匠の顔が浮かんだ。

「そうか・・・、あの魔法はそういうことか」

― 深淵に潜みし知識の海よ、我が声に応じ記憶の海に導かれん ―

 あの時は分からなかったが、膨大な情報を整理にするのに使用する為のものだったのか。だから師匠は今のお前には必要無いと言っていたのか。けれどいつか必要になるから必ず覚えておけとも言っていたな。

 なるほどこれが本に潜ると言うことか。しかもその知識が頭の中を高速で流れていくのが分かる。これはこの魔法の導入をしっかりしておいてくれた師匠に感謝しなければならないだろう。何も知らないで使用していたらたちまち知識が暴走して脳を破壊していたかもしれない。

「見つけた。古代文字の海を・・・あった。なるほど分かったぞ」

 

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先週はすっかり忘れてましたww

今週は更新するっす

 

(26)

「シンプルにいこう。お前が盾役でおれが魔法を撃つ。そしてトドメはお前が刺せ。一番の基本の戦略だ。お前と俺しか居ないんだから方法はそれしかない」

「はい、でも私が盾になりきれるかどうか・・・」

 確かにこれをやるには魔法詠唱を終えるまで誰かに囮になってもらわなければ成立しない。しかしあの悪魔にそれを出来るかと考えるとこの男がそれに耐えられるようには思えない。どうしたものか・・・。

 頭数が少ないなら増やすしかないのだが、自分が使える召喚獣といってもとてもじゃないがこの場面で使えるレベルではない。多分魔力の無駄になるだけだ。なんとか頭数を増やして作戦の成功率を上げたいがいい案が浮かばない。

「もう俺の役目は終わっただろ?では約束の・・・」

「ちょっと待て、まだ役目を果たせたとはいえないだろう?ちゃんと働け」

「チッ、細かいな。まあいい。だがお前たちが攻撃したら報酬は貰うからな!!」

 パペットと問答をしているうちにこの原因を作った張本人が何者であるのかを思い出した。

「なあここで反魂の術の研究をしていたんだよな?」

「だと思います。ここ1年ぐらいはあまり外に出てないようでしたから」

 魔術師だから分かる。ここで研究をしていたならば魔術書とか魔導具などが他にもあってもおかしくはない。

「研究室みたいなものはあるのか?」

「はい、あります」

「どこだ?」

「こちらです」

 中に入ると魔術書が出しっぱなしになっていて焦げた魔法陣がある。間違いなくこれがこの事件の引き金であろう残骸だ。

「この魔導書は・・・」

「なんです?」

これに手を出した奴の末路を見るのはこれで2度目だ。1度目もとある魔導士が弟子を復活させるのが目的で使用した。その弟子というのも自分の子供だったのだが、魔術の心得があるものだったので、取り付いた悪魔もかなり高位の者で我々パーティーも倒すのに相当苦労したのを覚えている。

「またあれを味わなければならないのか・・・」

「だから・・・」

「生きて戻ったら酒の席で聞かせてやるよ」

 かなりまずい酒になることは間違いない。それほどに嫌な結末だった。

「他に何かあるかな」

 部屋を物色していると、こんな状況でなければ読んでみたい書物が満載にある。口惜しいがそれらを無視して使えそうな物がないか探索する。

 

ご意見をどうぞ

 

 

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今日寒すぎない?

 

(25)

「彼は何が好みかな?」

「悪魔の好みを知りたいのか?」

「それも十匹十色だぜ。彼はまあちょっと変わっていて魂を抜いた後の体に興味があるみたいだな」

「死体ということか?」

「ああ、彼はネクロフィリアだ」

「ヤバイ方のか?」

「死姦という意味か?いや、そういうのではない。愛でるという点では似た所もあるかもしれないがな」

「そうか・・・」

 反魂で捉えられた魂を狙っているのだから、赤子の悪魔を倒せれば債権回収は可能になるだろう。しかしただ協力しろと言っても願いは叶わないだろう、ではどうすればそれが可能になるのか。ここは考えどころだろう。

「ワイズ殿、腹は決まった。私の死体はそいつにやってくれ」

 彼は絶対に勘違いしている。悪魔と契約するということは死よりツライということがあるということを。死体を愛でるという行為が意識があるまま行われた場合どうなるかということを全然考えていない。

「お前は悪魔をどう考えているか知らないが、彼らと本気で契約をしないほうがいい。今回のことも有事だからであって、本当は選択したくないんだぞ」

「悪魔の前でそれを言うかな」

 悪魔は利用するだけにトドメておくのが最良だ。一度でもかれらの提案に乗ればあとは真っ逆さまに落ちる。それを冒険の間嫌というほど見てきた。

「お前は本当の悪魔を知らない、ここは黙って私に従え。生きてこの屋敷を出ていきたいならな」

「私は生きて・・・」

「俺は生きて出たい!!酒も無いような所で男と死ぬなんてまっぴら御免だ」

 これは心の底から出た言葉だった。実はこういった戦いの場で自分を支えるのは大したことのないことだったりする。奥さんだったり酒だったり、下心だったりと・・・。

「まずやらないといけないのは赤子の方だ。あれを倒せば言い方は悪いがみんな丸く収まる。義父の魂は悪魔に行くことになるがそれは自らが望んだことだ。もうそこは諦めよう」

「無理ですか?」

「それを考えること自体無駄だからやめておけ。あんな強い術を使った対価ならもう其の人間は終わりだ」

 悪魔との等価交換、いやそれ以上を求められたかもしれない。反魂の思想は昔からあったがそれで生き返ったものを見たことがない。この世界に私生き返りました。と言っている人間が居ないことがその証明といっていい。

 

ご意見を待っています。

 

 

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冬物がまだ要らない。

もう11月が半分過ぎたのにね。

 

(24)

「感じられるか?」

「さっきからやっているけど、もう一体はどこかに身を潜めているのか全く分からないんだ」

 もう一体の方は美学とやらを持った悪魔なのかもしれない。しかし一度悪魔が狙った獲物を諦めてどこかへ行ったという甘い考えは捨てた方が良い。

「探してくれ」

「しょーがない契約だからな」

 これでどれぐらいの寿命が縮むかは知らないが、知らない方が良いということもある。実は自分も過去に一度だけこの契約をしていて、その時の報酬は聞いていない。実際自分がどれぐらいの寿命を持っているのかも知らないし、それを知りたいとも思わない。

「ワイズ殿・・・」

「何だ?」

「さっきの契約の事なんですけど、どれぐらい・・・」

 まあ、気になって当然だがこの状況で聞いてくるとはサマルも結構肝っ玉が座っているのかもしれない。

「知らない方が良いこともある。今は聞くな」

「ですが・・・」

 間違いなく納得はしていないだろう。だがそんなべらぼうに持っていくとも思えない。気にするなというのは無理があるがここで問答しても戦いの為になるとも思えない。何とかこの話題を遮る手立てがないか考えているとパペットから通信が入った。

「おい、居たぞ」

「居たか、どうだどういう相手だ?」

「やばい奴だ。ビッグファット。俺たち悪魔でも恐れるという回収人と呼ばれる奴だ。多分誰かの回収を担当しているのだろう。最初に争った悪魔とは違う奴だな多分」

「回収屋?そんなのがあるのか」

「ああ。悪魔もお前達の世界みたいに貸した者を返さない奴の債権回収を担当する商売があるんだ」

「なるほど。そしてビッグファットとやらは凄腕なのか?」

「いや、凄腕というわけではないがとにかくしつこいので有名な奴だよ」

「しつこいとは?」

「回収率95%だ。数字でわかるだろう?」

 なるほど驚異的な数字と言えよう。それほどまでの数字を叩き出せるのだから原因は何にせよ凄腕と言えるのは間違いない。

「で、そいつは好戦的なのか?」

「いや。そんなに好戦的というわけではなく、どちらかというと話しは分かる方だよ」

 こちらとしては好都合だ。話もできないような最初の方の悪魔よりもよっぽどかやりやすい。もしかしたら交渉のテーブルにつけるかもしれない。

「話をすることは可能か?」

「できないことも無いが、なにか好条件は必要になるだろうな」

 悪魔が好みそうな条件とはなんだろうか。名前の通りの悪魔なら大食漢だろうから、何かおいしい案件ならば話に乗ってこないことも無いだろう。

 

ご意見をくださいな

 

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