2006-03-01 19:42:26

『しにがみさん』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか

野村たかあき

『しにがみさん』 

(柳家小三治 落語「死神」より)

個人的お気に入り度:★★★


野村 たかあき
しにがみさん

子どもができたばかりなのにお金がない若い夫婦がいた。

あるとき、夫の前に死神が現われ、
お金を稼がせてやるから、今日から医者になれと言う。

死神が枕元にいる病人は、助からない。

足元にいれば、助かる見込みがある。


死神が足元にいる場合には、
アジャラカ・モクレン・キュウライス・テケレッツのパァ 
と唱え、手を2回たたけば死神は消え、

病人はたちどころに治るという。


そこで男は医者の振りをして死にそうな人のところに行き、

死神が枕元にいる場合は手遅れだと言い、

足元にいる場合に上記の方法で病人を救う。
男は名医だと評判になり、あっという間に金持ちになる。


しかし、ぜいたく旅行をして、あっという間に一文無しに。


金に困った男はまた医者を始めるが、

死神がいつも枕元にいて、お金を稼げない。


そんな折、お金持ちの娘を助けてほしいとの依頼が。

行ってみると、やっぱり死神は枕元に。


報酬の5千両に目がくらんだ男は、

知恵を絞って死神をだしぬき(方法は伏せておく)、

娘を助けることに成功する。


だが、その帰り道、死神に地下の世界に連れ去られる。

そこにはあたり一面にろうそくが。

その一本一本は、一人一人の人間の寿命を表しているのだった。


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オチは結構ブラックで、

背筋がちょっとひやりとするが(でも笑えもするけど)、

死神の消し方を教えるときに、

死神が自分で手をたたいたら消える場面や、

男が死神をだしぬく方法などが面白い。


木版画が味わい深い。

黒子のような死神が、密度の濃い影、のようで、

ああなるほど、死神って見えるとしたらこんなだろうな、と納得した。



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2006-02-21 21:11:06

『ちいさなちいさな王様』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか

アクセル・ハッケ、ミヒャエル・ゾーヴァ絵、

那須田淳、木本栄子共訳

『ちいさな ちいさな王様』

個人的お気に入り度:★★★


アクセル ハッケ, Axel Hacke, Michael Sova, 那須田 淳, 木本 栄, ミヒャエル ゾーヴァ
ちいさなちいさな王様

以前から存在は意識していたものの、

micaさんのブログ で記事を見て、読もう読もうと思いつつ、

さらに月日が流れ(笑)、今頃読んでみました^^

micaさんの記事はこちら → 『ちいさなちいさな王様』


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全体の量としては少し長め。



「僕」 のひとさし指くらいの大きさの小さな小さな王様、

十二月王二世」 は、

しばらく前から僕の家に遊びにくるようになった。

王様はおなかの出っ張った立派な大人なのに

子どものようなところがある。
クマの形のグミキャンディ、グミベアーをこよなく愛し、
遊んだり空想したりするのが大好き。

王様の国では、生まれたときには大きくて何でも知っていて、

色々な仕事をしなければならず
時間がたつにつれてだんだん小さくなり、

色々なことを忘れていき、そのうち仕事から解放される。
最後には小さくなりすぎて、見えなくなってしまうのだという。


そんな王様との、

もし不死になったとしたら、などを想像したり、

王様の絵を売りに行ったり、

王様と一緒にいつもの通勤の道を歩いたり・・

といった、いくつかのエピソードが綴られている。

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王様の出生の秘密がなんともロマンチックで、

命がどこへゆくのかなどについて、考えさせられる。


また、空想したり遊んだりすることがとても価値があることで、

小さくなるほど偉くなるから、

大きな人たちに色々と質問して

答えを聞いたそばから忘れてもかまわない、

などという王さまの国での常識は、

私の考える一般的な価値観とはほぼすべて逆で、
なるほど、そう考えるのも悪くないなあと感心してしまった。


空想したり遊んだりすることは、

現実的な仕事よりも大事というわけでもないのだろうが、

少なくとも同じくらい価値のあることだと思う。

それなのに日々の生活に追われて、

そういうことをあまりに後回しにしてはいないだろうか、

と自問させられた。


夢をしまっておく箱や、プードル救い機など、

出てくるアイテムもおもしろい。


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2006-01-25 19:15:35

『がいこつ』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか

谷川俊太郎、和田誠絵

『がいこつ』

個人的お気に入り度:★★★


谷川 俊太郎, 和田 誠
がいこつ


昨日の『ガイコツになりたかったぼく』  につづいて、

これまた、死んだらがいこつになりたい男の子が登場。

がいこつになったらぼくは不死身だし、

いじめにもめげることはなく、

大好きなようこちゃんとずっと遊んでいたい、

そんな願望をつづっている。


骨のあいだを風が通り抜けて気持ちがいいことや、

目や耳は空洞だが、ちゃんと物事が感じられ、

生きていたときのこともちゃんと覚えているそうで、

ほとんど無敵のがいこつだ。



死んでもがいこつになって生きつづけたい。

そういえば子どもの頃は私もそんなことを考えたことがある。


生きているときのこともちゃんと覚えているのなら

ちょっといいかもしれないなあ。

しかし、死んでいるわけだから、

それ以上新しいことは覚えられないのかな。

それはちょっとさびしいかもしれない。


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2005-11-16 17:49:34

『おじいちゃんがおばけになったわけ』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか

キム・フォップス・オーカソン、エヴァ・エリクソン絵、

菱木晃子訳

『おじいちゃんがおばけになったわけ』

個人的お気に入り度:★★★


キム・フォップス・オーカソン, エヴァ・エリクソン, 菱木 晃子
おじいちゃんがおばけになったわけ


だいすきな「じいじ」 が死んで、悲しみにくれるエリック。


ママはじいじは天使になるのだと言い、

パパはじいじは土になるのだと言う。


ところが、お葬式のあった日の夜、

おじいちゃんはおばけになって戻ってきた。


エリックはおじいちゃんと一晩中話をして、

翌日は学校を休む。


パパとママは自分達もおじいちゃんの気配を感じつつも、

エリックがおじいちゃんが死んだショックから

立ち直れず、眠れなかったのだと思っているようだ。

じいじがおばけになったのは、

この世に何かを忘れたからだと思ったふたりは、

それが何かを探して、

夜中に散歩したり、じいじの家に行ったりする。

ふたりはそれを見つけることができるのだろうか。


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祖父が死んだとき、

もう祖父とはこれっきりなのだと悟って涙が出たのは、

死んだことを聞かされたときでも、

遺体を見たときでもなくて、
棺に釘を打ち付ける音を聞いたときだった。


死んだ人とさよならをするタイミングは、

人それぞれだと思う。

ときにはそれが、お葬式も終えて家に帰り、

その人のおばけと思い出話をした後だったりするかもしれない。



この絵本のページをめくっている間中、

なぜかオリーブの香りがした。

前に借りていた人が料理の合間に読んだのか、

それとも紙の材料のにおい?


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2005-11-15 20:56:19

『オフェリアと影の一座』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか

ミヒャエル・エンデ、フリードリヒ・ヘッヘルマン絵、

矢川澄子訳

『オフェリアと影の一座』

個人的お気に入り度:★★★


小さな町の小さな劇場の舞台の小さなボックスで、
役者たちだけに聞こえる小さな声で
セリフの補助を担当していた、
小さなおばあさん、 オフェリアさん。

彼女は仕事を愛していたが、劇場は閉鎖。
最後の幕が降りた日、
オフェリアさんの前に一体の影が現われる。
彼はカゲスキイと名乗り、誰の影でもないのだという。

オフェリアさんは寂しそうなその影を自分の影にしてあげる。

しかし、オフェリアさんにももちろん元々影があった。

ふたつの影があると怪しまれるので、

昼間は片方の影を小さく折りたたんで、

バッグにしまっておく。


ほどなく、持ち主のいない影が

次々オフェリアさんをたずねてくるようになる。


オフェリアさんの部屋は影でいっぱいになり、

影どうしがケンカを始める。

ケンカが嫌いなオフェリアさんは、

影たちにお芝居を教え、ケンカもお芝居の中だけで

してもらうことにするのだった。


やがて彼らは「オフェリアと影の一座」と名乗り

人気劇団として世界をまわることになる。


あるとき、吹雪の中で、

大きくてとても暗い影が現われる。

影は自らを「死」だと名乗り、

それでも仲間に入れてくれるのかとたずねる。


オフェリアさんは

「どうぞ、いらっしゃい」と穏やかに答えるのだった。


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絵本なので同じ作者の『モモ』や『はてしない物語』よりずっと短いし、

一見地味なお話なのだが、

おばあさんがいくつも影を持っていて、

その影がお芝居を演じるというのが面白いし、

結末(伏せておいた)には感動した。


孤独だが、幸せでもあるおばあさんの生涯。

うらやましくも感じるし、切なくも感じる。


影を折りたたんでバッグにしまっておく、

というところが特に気に入った。


クライノイヤー、ヒトリウス、ヤムヨール、マタトーナイ、

ムナシーゼ、などといった影の名前も面白い。



ミヒャエル・エンデ, フリードリヒ・ヘッヘルマン, 矢川 澄子, Michael Ende
オフェリアと影の一座

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2005-05-26 22:13:09

『そうべえごくらくへゆく』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか

たじまゆきひこ

『そうべえごくらくへゆく』

個人的お気に入り度:★★★


『じごくのそうべえ』 の続編、あるいは別バージョンのようなもので、
かるわざ士のそうべえが極楽に行く話。


はじめは死んで地獄に行くが、
仲間の山伏がふんにょう地獄をかためて閻魔を閉じ込め、

解放と交換に極楽へ連れて行くよう要求する。


医者は阿弥陀如来に睡眠薬を飲ませ、

絵かきは花のみつの色をブレンドしておいしいお酒をつくる。

そしてそうべえは極楽の牢屋からみんなを逃がすなど、
それぞれの特技を生かしてうまく極楽をわたっていくのが
このそうべえシリーズの面白いところ。

それにしても極楽にも牢屋があるとはびっくり。


著者: たじま ゆきひこ
タイトル: そうべえ ごくらくへゆく
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2005-05-12 18:51:15

『天国に近い村』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか

シンシア・ライラント、中村妙子訳、ささめやゆき絵

『天国に近い村』

個人的お気に入り度:★★★

 

人は死んだら天国に向かう(このお話のなかでは)が、

すぐには天国に行けない人がいる。

この世になにかやり残していることがあると感じている人、

大切なペットや人物を待っている人。


そういう人たちはまっすぐに天国に行かず、

なかば地球、なかば天国の、「天国に近い村」にやってくる。

その村での、色々な人のくらしぶりや、

生前はどんな人だったかなどを紹介する、というお話。

 

 

著者: シンシア ライラント, Cynthia Rylant, 中村 妙子, ささめや ゆき
タイトル: 天国に近い村
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2005-04-21 19:00:39

『アニーとおばあちゃん』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか

ミスカ・マイルズ、ピーター・パーノール絵、北面ジョーンズ和子訳

『アニーとおばあちゃん』

個人的お気に入り度:★★★

 

アニーはナバホ・インディアンの女の子。 

おばあちゃんはアニーと両親に、

今織っているじゅうたんが織りあがるころには

私は大地にかえるだろうと告げる。

 

アニーはおばあちゃんが死ぬのが納得できず、

じゅうたんが織りあがらないよう、

いろいろなじゃまをする。

 

アニーのやさしさが心にしみた。

人間も大地の一部で、

大地から生まれ、大地にかえっていく。

でも、それを悲しむべきではないと思うことは大人でも難しい。

 

『おじいちゃんと森へ』 と共通点あり。

  

著者: ミスカ マイルズ, Miska Miles, Peter Parnall, 北面・ジョーンズ 和子, ピーター パーノール
タイトル: アニーとおばあちゃん
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2005-01-19 21:07:38

『じごくのそうべえ』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか
田島征彦『じごくのそうべえ』個人的お気に入り度:★★★

上方落語「地獄八景亡者戯」(じごくはっけいもうじゃのたわむれ)を
もとにした絵本。
軽業師のそうべえが綱渡り中に転落死してしまい、
歯抜き師、医者、山伏とともに地獄めぐりをする話。

「まんが日本昔ばなし」で子供の頃に見たことがあるが、
落語が元になっているとは知らなかった。

地獄行きのメンバーが、
それぞれ得意なことを生かして危機をのりこえていくのと、
地獄の鬼や閻魔さまが仕事にならなくてほとほと困ってるようすが
面白い。
また上方方言が地獄の話なのに全体に呑気なかんじを出しているのが
気に入った。



著者: 田島 征彦
タイトル: じごくのそうべえ―桂米朝・上方落語・地獄八景より
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2005-01-15 21:00:35

『おねえちゃんは天使』

テーマ:ひとは死んだらどこにいくのか
ウルフ・スタルク、アンナ・ヘグルンド絵、菱木晃子訳
『おねえちゃんは天使』
 個人的お気に入り度:★★★

これまた死についてちょっと感じる本。
といっても説教くさいところはぜんぜんない。

生まれる前に死んでしまった「おねえちゃん」は、
天使になってすぐそばにいると思っている「ぼく」。
おねえちゃんに世界を見せてあげるために、
「ぼく」はへんてこりんな方法を思いつく。

主人公のいたずらだか、大真面目だか、わざとだか、無邪気だか、
どこまでがどの感情によるものかわからない行動が
笑えて、やがて切ない。

きちんときょうだいになってから死んだのではなく
生まれてくる前に死んでいるというところが、
「ぼく」とおねえちゃんの間の少しかわいた距離感や
淡々とした語り口にも出ているなんとも透明な感じを
出しているのかもしれない。

言っている意味が自分でもわからなくなってきたが。
どうも気に入ったおはなしほど表現するのが難しい。



著者: ウルフ スタルク, Ulf Stark, Anna H¨oglund, 菱木 晃子, アンナ ヘグルンド
タイトル: おねえちゃんは天使
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