「安楽死という選択」 | オプトHLD CEO 鉢嶺登 オフィシャルブログ

「安楽死という選択」

日本は世界一の長寿国。
長生き=良い事とされているが、本当にそうだろうか?

実際には世界一の自立生活困難老人長寿大国だそうだ。
寿命は83歳(女性86歳、男性80歳)でも、健康寿命は72歳(女性74歳、男性70歳)。
この差の10歳強は治療で延命しているだけの苦しい人生の人が大半だと言う。

 

<http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG30H8W_Q5A730C1EA1000/>

 

<http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/chiiki-gyousei_03_02.pdf>

 

<予想される未来の日本>
・人口の2割以上が75歳以上、そのうち8割が自立生活困難
・国内都市の7割で介護施設が不足
・介護を受けられない高齢者が2030年までに47万人孤独死
・国民医療費の50%以上が75歳以上の治療に使用
・2050年には1.2人で高齢者を支える『肩車型』社会へ
・税・社会保障負担が増加し給与の4割負担に


上記のような社会課題を抱える日本において、私は「安楽死」が実は本人にも、家族にも、社会(国)にも、全員ハッピーなのではないか?と考えるようになってきている。

「安楽死」は先進国では徐々に法制化されつつある。
米国の一部の州やスイス、そして2000年代になりオランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、そして昨年はカナダでも法制化された。
日本においても「安楽死」が法制化されれば、多くの自立生活困難老人が自分の意志で幸せな死を選択できる。
介護する家族にとっても過大な負担がなくなる。
また当然国民医療費も大幅に削減できるし、いつ死ぬか分からないが故に取り崩せない預金も有効利用できる等、高齢者社会にとっても一石を投じる有効な手段となり得る可能性がある。


私が「安楽死」について考えるようになったのは、父の介護生活を見てから。
とても元気だった父が体調を崩し、死の直前まで行った。
本人は何の治療も受けずにそのまま死ぬ予定でいたが、現実には入院治療になり延命。
結果、今では不自由な状態で好きな事は何一つできず、毎日施設で座ってラジオを聞くだけの日々。
楽しみと言えば「食べる事、寝る事、お風呂だけ」だそうだ。

下記書籍は介護現場で長く老人を見てきた医師の書。
いかに老人の大半が「安楽死」を求めているか書かれている。
かつては人間は苦しまず静かに死んでいったそうだ。動物同様に。なまじ治療をすることで延命し、逆に苦しい時間を過ごすようになっていると。

日本こそ「安楽死」の法制化を検討しても良いのではなかろうか。

 

 

日本人の死に時―そんなに長生きしたいですか (幻冬舎新書) 新書 – 2007/1
久坂部 羊  (著)
<http://ur0.link/zcMb>

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