小川軒 | 今宵の勝負レストラン

今宵の勝負レストラン

東京限定!ちょっとエッチな大人のレストランを紹介します。




小川軒
ジャンル:フレンチ
予算@¥18,000~20,000
勝負界の中で【小川軒】と聞いて、『えっ?これって近所のラーメン屋か中華料理屋?』と思ってしまった輩は、もし今が江戸時代なら【打首獄門】、中世のヨーロッパなら【魔女裁判】、男塾なら【江田島平八】というくらい、お先真っ暗なことだけは確かである。そんな奴等は、ここを知って『お~きくなれよ~』(丸大ハンバーグのCM調)。
代官山の【小川軒】。かつて東京の食通達はフランス料理か洋食というと、きまって【小川軒】に出かけたというぐらいの老舗の店だ。当時の食通の中には、政財界の重人をはじめジョン・レノン、渥美清、長嶋茂雄など多くのグルメな著名人がいたという。なぜそういう人達が通ったかというと、その当時の小川軒は都心の2大高級ホテルのレストランにもまったく引けを取らないグルメレストランだったからだ。この店は懐石風スタイルをフランス料理に取り入れた日本で最初のレストランでもあり、そのスタイルは逆にフランスのレストランにも取り入れられたほど。平成天皇が好んだと噂に高いカレー、料理評論家の岸朝子氏が大絶賛のハンバーグ(裏メニュー?)など絶品揃いだが、やはりこの店の名物として知られているのはオムライスだろう。卵にライスを混ぜ込んで焼くという独特なもので、周囲には香り高いソースがかかっていて、この組合せが絶妙な味を生み出している。ただしどれも一品数千円という洋食単品にしては驚きの値段だが。また忘れてはいけないのが、この店の【レイズン・ウィッチ】だ。さっくりしたサブレ、薫り高いレーズン、クリームのコク。全国に似たようなレーズンサンドはたくさんあるが、ここのは格別だ。50年間変わらずに愛され続けているだけのことはある。この老舗を仕切るのが三代目小川忠貞氏。食べていると厨房の忠貞氏の怒鳴り声がたびたび聞こえることもあるが、それもある意味この店ならではのもの。
決して安くないこの老舗。しかし食通の彼女を連れて行くのならば、失敗はないだろう。失敗するとしたら、それは君が店の雰囲気に萎縮してしまった時だろう。だからこそ『お~きくなれよ~』(しつこいが丸大ハンバーグのCM調)。(鱈)