非親権者や非監護親が子どもと会ったりすることを面会交流といいますが、面会交流をめぐる争いは年々増加しており、慰謝料請求に発展することもあります。

 

以下にご紹介する事例も慰謝料請求に発展しましたが、元配偶者の再婚相手に対しても損害賠償責任を認めたという点で画期的ともいえる判決でした。

 

元夫と元妻は、離婚調停で離婚しましたが、その際、元妻が親権者となること、元夫と子どもとの面会交流は月2回程度ということで合意しました。

 

離婚後約6年間は面会交流が行われていたのですが、元妻が再婚後、元妻は元夫に子どもと会わないように連絡をしてきました。

 

そこで、元夫は、面会交流の調停を申し立て、元妻の再婚相手を連絡調整役とすることで合意し、再び子どもと会えるはずだったのですが、元妻や元妻の再婚相手からの連絡が滞ったため、子どもと面会ができない日々が続きました。

 

その後、元夫は、妻と元妻の再婚相手2人を相手取り、慰謝料300万円の損害賠償を求める訴訟を提起、元妻は、自身の体調不良や再婚相手と子どもとの父子関係の確立のために面会できなかった旨主張しましたが、裁判官はその主張を認めず、子どもが7歳から10歳に成長する大切な時期に交流できなかった元夫の精神的苦痛は相当大きいと指摘したうえで、元妻と元妻の再婚相手双方の賠償責任を認めました。

 

かつては、子どもの親権者が再婚し、子どもと再婚相手が養子縁組をして一緒に暮らしているような場合には、子と養親との心理的な結びつきの形成を優先し、子どもを取り巻く環境を乱すことを避けるため面会交流を認めないということもよくありましたが、現在は、面会交流を禁止、制限する事情にあたらないとされており、今回の事例も実親との面会交流を重視した判決内容となっております。

 

今回の事例でもっとも心配な点は、損害賠償が命じられた後、元夫と元妻側との対立がさらに悪化し、その対立が子どもに影響を与えること、円滑な面会交流の実現が難しくなることです。

 

離婚後、子どもが、離れて暮らす親から愛情を受けられないということはとても悲しいことです。

親が子どもに愛情を注ぐという観点から、面会交流に対してより積極的になって頂けることを心から願うとともに、私なりにそのような体制づくりに努めていきたいと考えております。

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