家族は誰も…

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 その方は、もともと、ご両親と姉、
そして自分という4人家族でした。


 お姉さんは早く結婚したのですが、
子供がいないうちに、亡くなりました。


 その後、父親が亡くなり、
母親と自分だけという生活が長く続きました。


 その母親も歳をとり、ついに亡くなりました。


 残ったのは、自分一人です。


 幸い、両親が残してくれ、現在、住んでいる、
土地と建物はあります。


 しかし、自分も歳をとり、今は、
両親が残してくれた預金や、
会社勤めのときの、自分の預金、年金で暮らしています。


 現在は、これらの財産で生きていけるとしても、
問題は、さらに、自分が歳をとったときのことです。


 配偶者や子供はいない。両親の親ももちろん亡くなっています。
兄弟やその子もいない。
 

 家族(あるいは相続人)は誰もいないのです。


 今は、何とか、自活できていますが、
実は、外見からはわからない病気も、体内に抱えています。


 その病気が顕在化したり、さらに自身が高齢になったときは、
自分一人では立ち居振る舞いができなくなります。


 そこで、このような場合のために、考えられるのは、
まず、信頼できる、友人あるいは専門家等と、
定期的に連絡をとり、将来に備える
見守り契約をする。


 さらには、生活、療養看護、財産管理に関する委任契約、
あるいは、判断能力が十分でなくなってきたときのため
任意後見契約を締結しておく。


 そして、自分が保有している財産について遺言、
また、自分の死後の葬儀、家財道具の処分等について
死後事務委任契約を行っておく、等です。


 以上のすべてでなくても、いくつか、
自分の気になったことについて、準備しておくと、
不安や憂いは、かなり和らぐでしょう。

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忘恩行為

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 ある相談者から聞いた話です。

 ある方が、近所に住んでいましたが、
その方には子がいませんでした。

その方は、近くに住む、遠い血縁の青年に、
常日頃から、あれこれとなく、
ずっと、様々な面倒を見てきてあげていました。

他方、その青年も、その方の老後は、
自分が面倒を見ると言っていたのだそうです。

そこで、その方は、その青年に、
自分が持っていた不動産を、全部、贈与する契約をし、
登記名義も移転したのです。

 しかし、その青年は、その後、家庭を持つと、
段々、疎遠となり、
その方が、身体が弱ってきて援助を必要とする頃には、
顔も見せないような状況になっていました。

 その方が、贈与した相手方に自分の窮状を伝えても、
暖かい返事は帰ってきませんでした。

 後悔しても、後の祭りでした。

 このような忘恩行為の場合、いろいろと考えることができます。

 例えば、贈与の撤回です。

 しかし、この場合は、
登記移転がなされ、贈与が履行されていますので、
撤回は、原則的には難しいことになります。

 例外的に、
忘恩行為を理由として、贈与の撤回が認められる余地があるとしても、
例外ですから、撤回が認められる要件は、
かなり厳しいことになるでしょう。

 それまでが、
面倒を見てくれると言っていたとか、
相手と良好な関係だった、としても、
それは過去の話です。

安易に、生前贈与という形を取るのではなく、
遺言という形を取るとか、贈与に負担を付けておくとか、
後になって後悔することのないような、
しっかりとした方策を、あらかじめ取っておくことが
適切といえるでしょう。
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名を変える

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 相続が発生し、遺産分割をすることになると、

その1つの手続として、

戸籍の収集が必要になります。



 そこで、相続人などの戸籍を

取得することになるのですが、

取得した戸籍上、

名(名前)が変わっていることがあります。



 もともと、名は、

個人の同一性を認識する働きがあります。



したがって、名の変更を簡単に認めてしまうと、

個人の特定が困難になり、

社会生活上、

様々な不都合が生じることになります。


 そこで、名の変更が認められるためには、
正当な事由が要求され、
この正当な事由があるかは、
家庭裁判所が判断することになります。


 ここで、正当な事由とは、名の変更をしないと、

その人の社会生活上、
支障を来す場合をいいます。


 具体的には、
奇妙な名であるとか、
難解な文字が用いられているとか、
通称として永年使用してきた、
というような場合です。

 

 また、同性同名の犯罪者に間違えられて、
社会生活上、支障が出ている場合や、
性同一性障害で、本人が自覚する性別と
名が示す性別が食い違うというような場合も、
正当な事由が認められることがあります。



 これらに対して、
姓名判断を受けたら
画数が悪いことが判明したとか、
自己破産しているので
別人になりすましたい、
というような場合は、正当な事由があるとは
認められないでしょう。


 そして、正当な事由があるとして、

家庭裁判所の許可が得られると、

市区町村役場に届出をすることになります。


 なお、この届出をすることによって、

戸籍には新しい名が表記されますが、

改名した事実がわかる

以前の名は、戸籍に残ります。
























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