1645 自主防衛権と銃社会 | 行政書士 みんみんのblog  

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№1645

去年からずっと、ジマーマン裁判として、テレビや新聞等で報道が続いていた事件。
有罪(殺人罪)になるかどうか、注目を集めていましたが、
陪審団の下した評決は、無罪、でした。

元自警団の  George Zimmerman (ジョージ・ジマーマン)が、
住宅街を自警中に、黒人の高校生を不審者とみて追跡し、もみあいの末、
正当防衛だとして、 Trayvon Martin (トレイボン・マーティン)を射殺した事件です。

フロリダ州法には、Stand Your Ground Lawと呼ばれる法律があります。
正当防衛法と呼ばれる法律で、
正当防衛の認定要件がなくても、起訴されない独特の法律です。
身の危険を感じたら、自分の身の安全は自分で守るという、
日本人の私たちが考えるよりはるかに強い自主防衛意識が法律に反映されています。
恐怖を感じたら撃ってもよいという社会なのです。
銃規制がない社会で、この法律が過剰防衛を引き起こすのは当然で、
こんなにも簡単に正当防衛が認められる社会は、私には倦んでいるとしか思えません。

当初、ジマーマンはこの法律の適用によって逮捕されませんでした。
人種差別的観点から抗議運動がおこり、大きな問題に発展していったのです。

ジマーマンは、
追跡しないようにと警察から制止されていたにも関わらず、高校生を追跡し、
結果、鼻や後頭部を激しく怪我するほどのもみあいになり、銃を発砲します。
通報義務を果たしただけであったなら発生しなかったこの悲劇の背景に、
ジマーマンに、黒人に対する人種差別意識があったかどうか・・・、
相手が白人であったなら同じリアクションをとっただろうか、そんなことも問題になりました。

この事件、
警察当局の姿勢にも、
センセーショナルに騒ぎ立てたメディアの姿勢にも、
被害者が黒人、加害者がヒスパニック系、という構図にも、
それぞれ、さまざまな問題が内包されていたように思います。
裁判中、黒人差別だと抗議デモが起こりました。
評決後も、評決を不服としてデモや暴動が起こっています。

そもそも根源的なことは、アメリカにおける銃社会という現実。
簡単な問題ではありません。