路上生活者らに生活保護費を受給させ、敷金や家賃などをピンハネする「貧困ビジネス」をめぐり、大阪市が要注意として約30業者・団体を把握していることが1日、分かった。大阪府警は一部の摘発に乗り出しているが、こうした組織は問題を指摘されると、名称や所在地を変更したり、申請先を他の自治体に移したりして、「稼ぎ逃げ」を図る事例も相次ぎ、実態には謎も多い。市は敷金の支給上限額を引き下げるとともに、府警などと連携して悪質組織の排除に乗り出した。

 市関係者によると、こうした業者・団体の多くは、申請者の自立支援などを名目に、NPOや社団法人、株式会社として主に大阪市内に事務所を設置。生活保護受給者が多い西成区や浪速区などには複数の拠点がある。これらの団体と連携して賃貸住宅を斡旋(あっせん)しているとみられる不動産業者も数社把握している。府警が関係者を逮捕した2団体(1団体はすでに解散)も、このなかに含まれていた。

 問題として指摘されているのは、通常なら敷金、礼金を必要としない「ゼロゼロ物件」に生活保護受給者を入居、転居させ、支給上限の敷金、家賃を市から支給させピンハネする手口。市では今年2月だけで約1千件、2億8千万円の敷金を支給しており、これが狙われた形になっている。

 市の内部調査では、港区のマンションでは、あるNPOの仲介で生活保護受給者が入居した場合、敷金25万2千円、仲介手数料4万2千円の支給を受けていたが、一般の賃貸仲介業者が紹介した場合は敷金不要で、仲介手数料も家賃の2分の1相当額の2万2050円だった。旭区でも敷金不要で家賃2万7千円のマンションが、NPOの仲介で契約すると、敷金23万4千円、家賃も生活保護の住宅扶助費上限の4万2千円になった。市は、貧困ビジネスで悪用される可能性が高いゼロゼロ物件のワンルームマンションなど市内の約230物件の情報も集め、注意喚起している。

 市関係者によると、貧困ビジネスが問題化するとともに、団体関係者が露骨に申請に立ち会う事例は減ったが、役所の外などで申請者を待ち受ける団体関係者の姿は依然としてある。

 市は、4月から敷金の支給上限額を家賃7カ月分(単身者の場合29万4千円)から家賃4カ月分(同16万8千円)に引き下げるとともに、要注意の組織や物件の周知を図り、府警などと連携、対策を強めている。

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