現職首相の「政治とカネ」をめぐる事件は、東京第4検察審査会の不起訴相当議決で刑事責任追及にピリオドが打たれた。だが、議決は「何も知らなかった」とする鳩山由紀夫首相の上申書に疑問を投げかけ、「素朴な国民感情」に対する首相の説明責任は残されたままだ。近く検審の議決が出る見通しの小沢一郎・民主党幹事長をめぐる事件と合わせ、政権与党を直撃する「政治とカネ」の問題はくすぶり続ける。

 ■判決迫り“変心”

 鳩山氏は昨年12月、資金管理団体「友愛政経懇話会」をめぐる偽装献金事件で、東京地検特捜部に「ご説明」と題する上申書を提出。「政治資金もプライベートな金も区別せず、すべて勝場(啓二・元公設第1秘書)らに任せていた」「母から金を出してもらったとは知らなかった」と強調した。

 これに対し、議決では「素朴な国民感情として、このようなことは考えがたい」と疑問を示した。

 昨年6月の疑惑発覚以降、首相就任後も含め2度の記者会見を開いて釈明した鳩山氏は、億単位のカネの使途などについて「捜査によって全容が解明された後に説明する」と述べていた。国会などでも「すべてが終わってから(検察に)書類の返還を求め、見ていただきたい」「事務所費など示せるところは示したい」と話し、詳細な説明を前向きに検討するかのような発言を繰り返した。

 ところが、勝場被告の判決公判が間近に迫った今月21日。公明党の山口那津男代表との党首討論で「基本的に提出は必要ない」と一転、消極姿勢に。22日、勝場被告に執行猶予付きの有罪判決が出されても「裁判の中で結論が出た話で、国会に提出する必要はない」とした。

 こうした鳩山氏の「変心」に、5年間にわたり勝手に名義を使われていた千葉県内の男性会社役員(65)は26日、産経新聞の取材にこう憤った。

 「まったく関係ない人や故人の名前を使ってあれだけのことをして、知らなかったでは済まされない。資料を出すといっても出していないし、説明責任を全く果たしていない」

 ■首相と重なる姿勢

 民主党では小沢氏も、資金管理団体「陸山会」の土地取引をめぐる政治資金規正法違反罪での不起訴処分について、検審の審査の俎上(そじょう)にある。

 元秘書3人が起訴されたのに、小沢氏は「検察の捜査に勝るものはない。不正なカネはもらっていないことは明らかになった」と述べ、司法の判断を盾に詳細な説明を避けており、鳩山氏の姿勢と重なっている。

 小沢氏に対する東京第5検察審査会の議決は週内に出る見通しで、どのような「国民感情」が表明されるのか、注目が集まっている。

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