(3)
の続きです。
正典に登場するdragonの最後の例は「ショスコム荘」で、“the Green Dragon”という宿屋の名前として4回登場します。なんだ固有名詞か、とがっかりしないでください。わざわざホームズが、依頼人にこんなふうに宿屋の名前を聞き返しているんですよ?
“What is the name of that inn you spoke of?”
“The Green Dragon.”
“Is there good fishing in that part of Berkshire?”
(「犬を遣った宿屋は何とかいいましたね?」
「“グリーン・ドラゴン”です」
「バークシャーのあのへんには、魚釣りにいい場所はありませんか?」)
依頼人の相談より魚釣りに興味あり~?!
そうではありません、周囲に疑われないように釣り好きを装って宿屋に泊まり、事件を捜査する作戦ですからねっ
。
では、「ドラゴン」と名のつく宿屋は、近くに魚釣りの場所があって、釣り好きな主人がいるというだけで、女性の受難や隠し財宝とは無縁なのでしょうか? いや、ここで「囚われの身」となっているものがありましたよね!
By the way, that was a most beautiful spaniel that was whining in the hall.
(ときにホールでクンクンいっている犬は、すばらしく美しいスパニェルだね)
イギリスで最も純血な種類で、どこの犬の展覧会でも必ず名を聞くという高価なショスコム・スパニエル犬が宿屋のホールに繋がれて、クンクン泣いていたようです。といっても、宿屋の主人が略奪して虐待しているわけではありません。ショスコム荘のサー・ロバートが、妹のビアトリス夫人と兄妹げんかの末(?!)、夫人の愛犬を宿屋に追いやってしまったのです。犬を放せば館へ戻ってしまうでしょうから繋いであるのです。
このスパニエルを「グリーン・ドラゴン」から散歩に連れ出し、解き放してあげる「二人の騎士」は、もちろんホームズとワトスンです!
ビアトリス夫人の乗った馬車に喜んで駆け寄ったスパニエルでしたが……
。
いかがでしたか、
正典に出てくるドラゴンは? ずいぶん風変わりなドラゴンばかり出てきましたよね。でも、ホームズとワトスンが立ち向かう本当の敵はドラゴンではなく、人間の悪事でした!
正典の十二支の動物検索シリーズ
寅 トラ(tiger)
卯 ウサギ(rabbit)―(1)
, (2)
, (3)
辰 竜(dragon)―(1)
, (2)
, (3)
, (4)
Camden House: The Complete Sherlock Holmes
http://www.ignisart.com/camdenhouse/canon/
- シャーロック・ホームズの叡智 (新潮文庫)/コナン・ドイル
- ¥500
- Amazon.co.jp