俵万智さんはテレビや雑誌で見ていて、可愛い人だなあと思うけれど、読まず嫌いだった^^;。

彼女が「サラダ記念日」で華麗なるデビューをしたときも、ベストセラーが苦手なあたくしは何となく横目で眺めていて、ほとぼりが醒めたら読もう読もうと思いつつ、ここまで来てしまった。


ところが、先日与謝野晶子の記事を書いたところだし、ちょっとした好奇心で読んでみた。

「チョコレート語訳」???っていう奇を衒ったネーミングが、橋本治の「桃尻語訳」を連想させて不快だったけど、読まず嫌いもいけないなあと思って。 

まあ、奇を衒った日本語はあたくしもなんざますけど。←とってつけてみました!(笑)


もうねえ、なんと評していいのか。。。


この本自体が、2匹目のどじょう狙いみたいな戦略が見え見えで妙にいやらしい。

期待が大きかった分だけ、俵さんの実力ってこんなもの?とがっかりしてしまった。


当時の与謝野晶子は、現代の俵万智さんと同じような、新鮮さや斬新さや好奇心で世間に迎えられたはず。

与謝野晶子は生前に5万首もの歌を読んだとも云われる。

ということは日常のおしゃべりのごとく口から歌がでてきたのだろうから、本人にしか理解できない意味不明の歌や支離滅裂な歌だって相当あったはず。


それでもねえ、このチョコレート語訳は却って意味不明なものが多くて、俵訳を先に読んでから、与謝野晶子の原文を読んで、ああ納得という感じで。(笑)


字数が限られた短歌の中に現代訳を当てはめるのは、英語の字幕スーパーを作るくらい難しいことだと思う。しかし、チョコレート語訳が、原文の都度、直訳になったり意訳になったり創作になったりしているのは何とも痛々しい。


そしてこうして、原文と訳文を並べられちゃうと、見事なまでに原文が引き立って、古文の美しさが際立ってきてしまう。






「逢いたくて500キロひたすら来たんだ」とそんなあなたがいたならいたなら

さびしさに百二十里をそぞろ来ぬと云うあらばあらば如何ならむ



ペアルックなんか着ないわ新しい服をくれるという人が彼

八つ口をむらさき緒もて我れとめじひかばあたへむ三尺の袖



鶯よ歌え二人の朝のためメイクアップがまだ終わらない

ゆるされし朝よそほひのしばらくを君に歌へな山の鶯



春雨に濡れる燕の羽のしずく朝のへアムースに使いたい

つばくらの羽にしたたる春雨をうけてなでむかわが朝寝髪





紅(べに)をルージュと訳したり、うすものをブラウスと言ってみたり。。。

まあ現代語訳なんだから当たり前といえば当たり前なんだけど^^;。

当時は斬新だったに違いないチョコレート語訳も、妙に空々しく、せっかくの与謝野晶子の大胆な官能美がちっとも伝わってこない。80年代のバブリーな印象も強く、ベストセラーは旬で読まねば意味がないと思った次第でした。


と、ここまで書いて、源氏物語を訳した与謝野晶子も当時は相当叩かれたんだよなあと思いつつ。(笑)

俵万智さんの感性は認めるけれど、けっして意地悪な意味でなく、この本の功罪は、与謝野晶子の「みだれ髪」の素晴らしさを引き立ててくれたことにあるように思えちゃう。





関連記事:

伝説になった女たち 与謝野晶子


俵 万智, 与謝野 晶子
チョコレート語訳 みだれ髪

リース・モートン
与謝野晶子の「みだれ髪」を英語で味わう

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「ぐるぐる日記」 のぐるぐるさんがお薦めのこの本。

さっそく読んでみました。

この本は毎日新聞に連載されているそうで、出戻り編は4巻目。
(追々、1巻目から読むつもりです)

漫画家の西原理恵子さんの日常を描いた漫画です。

絵だけは時々目にしていたのですが、まったく予備知識もなく突入^^;。

まず、ページを繰ってみて、「なんじゃこりゃ~!?」

大仏頭の西原さんと極彩色と手書き文字で埋め尽くされた絵は、曼荼羅そのもの。(笑)

ここここれは、読むのにけっこう時間がかかるぞ!

と思ったけど、面白くて一気読みしちゃいました^^。


内容は、漫画業の西原理恵子さん+息子(約小3)+娘(約小1)+出戻り夫の4人家族のお話。

ぐるぐるさんのお話では、最後は悲しい結末と聞いていたので、恐る恐る読み始めたのですが、可笑しくて可笑しくてひいひいしちゃいました。(一番好きなのは「男の背中」でした^^)


だいたい子供というのは、世界共通で不可解で面白いものなんですよね^^;。

実はあたくし、「クレヨンしんちゃん」も大好きだし、鬼嫁日記や松本ぷりっつさんの「うちの3姉妹」も大好き♪


それにしても、西原さんのユーモア感覚には感心しました。

でもただのギャグ漫画だけではなく、時々文学チックだったり、ホロリとさせられたり、西原さんの感性が粗い画面の中にキラキラ光っています。




***ここからネタバレです***





そして、ドキッとしたのは、こんなページ。

西原さんと離婚して世界中を放浪していた夫が帰ってきたのです。

彼は治らない ふたつの病気をかかえていた。

ひとつは アルコール依存症。

もうひとつは ガン。


夫婦喧嘩を子供たちに見せたくないために離婚した西原さん。


彼は私をはじめまわりのすべて人になまけ者と言われ続け、

たった一人で10年近くこの病気と闘わなければいけませんでした。

淡々としたことばの中に、アルコール依存症の恐ろしさと孤独を感じる一ページです。

そして、病んで傷ついた夫は、結局西原さんと子供たちの元に戻ってきたのでした。

それからのあっけないほど短い家族の団欒の日々。
でもそれは、人生で一番キラキラと輝いて、家族ひとりひとりの胸に永遠に残るのでしょう。







西原理恵子
毎日かあさん4 出戻り編


うん、似てるっちゃあ似てる気もする。。。(髪型が)






ぐるぐるさん、素晴らしい本を薦めてくださって、ありがとうございました♪


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モーパッサンはもーたくさん!?(笑)

なにしろ、あまりにも多作で疲れるし、わけわかねえことばっかり書いてるし(笑)、ってんで、あんまり好きじゃないんですけど、なんとなくジャケ買いしてしまいましたわ。

おおお~! モーパッサンもずい分ハイカラになったぢゃないの♪(笑)

白と黒のゴチック的なカバーと「怪奇傑作集」という紫色のタイトルが素敵♪
(とっても単純で商業的手練手管に騙されやすい素直なあたくし^^;)

英語本の翻訳は、最近やっと、日本語との違和感がなく訳せる若い人がたくさん出てきたので、読みやすくなったけど、それ以外の言語の本はなかなかなあ。。。
かといって、訳者を選ぶわけにもいかず、よっぽど売れる作品以外は、一作品には一訳者が相場だし。

という現状なので、お仏蘭西語で書かれたこの本。

実はめちゃめちゃ分かりにくいです。(泣)
日本語とフランス語の相性が悪いのか、訳者が悪いのか(日本翻訳家協会理事ですけど何か?(^^;)、あたくしは存じませんけど、いまさらフランス語を習って原語で読むことも出来ませんし。(笑)

なあんて、さんざん訳のせいにもしましたけど、モーパッサン自体が、精神を病んでいたので、内容が分かりにくい原因は張本人なんですわ。笑)

19世紀末のベル・エポック。
何度も言いますけど、どういうわけか、芸術面での天才が彗星のごとく現れて、綺羅を競うゴージャスな時代というものが、古今東西ありますよね。

モーパッサンもその一人です。
フローベルに師事し、ゾラ の親友で、30歳でベストセラー作家になったモーパッサンは、19世紀末という華やかな時代で享楽的かつ退廃的な生活を送ったあげくの果て、麻薬や性病に冒されて、自殺未遂などの末、狂死してしまいました。

つまり、フローベルの超自然主義の教えに基づき、自らの錯乱をそのまま作品に残した、稀有の作家ともいえます。

皮肉なことに、写実主義的リアリストを目指していたモーパッサンは、その狂気錯乱ゆえに、シュールリアリズム作家としての名声までも手に入れてしまったのでした。。。

ううむ。芸術家は転んでもただでは起きない。

というか、芸術的才能というものは、どんな境遇にあってさえも、必ず花開くものだということですのね。




maupassaunt

ギ・ド モーパッサン, 榊原 晃三
モーパッサン怪奇傑作集
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夢幻美女絵巻 ☆☆☆☆

テーマ:


stainedglass


艶やかな大人の絵本、みーつけた♪(*´д`*)ハァハァハァアハァ


まずは中身を見もせずに、これはジャケ買いに決まり♪(爆)

こんなに素敵な本が、この価格でいいのかなぁ^^;


江戸川乱歩賞作家・山崎洋子と異色の天才イラストレーター・岡田嘉夫のコラボレーション♪


岡田嘉夫はさまざまな作家とコラボっていますが、本当にこの人の絵は凄いと思う。

タイトルの夢幻美女絵巻が表すとおり、とにかく、妖艶、壮絶、豪華、絢爛、幻想、耽美、などという言葉がぴったりなのだ。


12人の美女を世界中から集めた夢幻美女絵巻。


その美女たちとは、


楊貴妃、かぐや姫、サロメ、アナスタシア、クレオパトラ、舞姫、出雲阿国、カルメン、カビヤカ、マタハリ、ペトラの女、マリーアントワネット。

(あれ?ぐた姫がいない。。。)

お呼びでない?


岡田嘉夫の華麗な絵と豪華な色彩は、世界の名立たる美女に引けをとらない。(美女たちの顔は怖いんだけどね^^;)

山崎洋子の物語も、岡田嘉夫に負けないくらい、妖しげで艶やかで美しい。


なんでも、この本は、作家は絵を見ないで文章を書き、画家は文章を読まずに絵を描いたそうで、それぞれ勝手きままに仕上げたというのも興味深くて楽しい。


美女に関する、この手のアンソロジーは数々あるけれど、この物語は、山崎洋子が伝説の美女たちに、自由奔放に創造を加えて、とても新鮮で面白いものに仕上げてある。その語り口も見事ながら、物語の発想の面白さにぐいぐい惹きこまれてしまう。


とってもとっても贅沢な一冊♪


山崎 洋子, 岡田 嘉夫
夢幻美女絵巻


編集後記
田辺聖子と岡田嘉夫の「絵草紙 源氏物語」、たしか読書感情文を書いたつもりなのに見当たらない。(泣)
どなたか見ませんでしたか?(知るわけねえだろっ!)


ぐた犬

私は読書好きなのに、どういうわけかぐた夫の蔵書にはあまり興味を示さない。

我が家のぐた犬が、客が来れば大喜びではしゃぎまわり、まるで猫のように体をくねらせるのに、ぐた夫には見向きもしないのと似ている。(へ?)

彼の蔵書に興味を示さない理由はといえば、専門的な本が多くて、私には理解不可能なものが多いし、理解できたとしても、彼の本のタイトルは、ほっんとに面白そうじゃないのだ!

ところが、たま~に気が向いて、嫌々読んでみれば結構掘り出しものがあるんだな、これが。(にやり)


「ものぐさ精神分析ー二番煎じ」もその一つ。

何しろ、タイトルの二番煎じに惹かれて読んだけど、

ものぐさ精神分析
ものぐさ精神分析―二番煎じ
ものぐさ精神分析―出がらし
ものぐさ箸やすめ


というシリーズらしい。

「ぐた夫ちゃん、面白いねえ、この本♪ これの前後はないの?」

「あったけど。。。」

「どこどこ?」

「ぐたちゃん、捨てたやないか」

があああん!(号泣)

そうそう、あたくしって自分の本は絶対に捨てないくせに、ぐた夫の本だけ時々焚書するんですわ。(泣)

あらま、また前置きが長くなってすみませんねえ。。。(巧みに話しを逸らす)



ちなみに本書は昭和55年発行なので、大分古い本なのだが、著者の岸田秀氏は昭和8年生まれ。早稲田大学大学院で心理学を学び、和光大学人文学部教授(発刊当時)となっている。

本の内容は、大学の授業内容などをエッセイ風にまとめ、雑誌などに掲載したものをまとめたもの。
したがって、話題は多岐にわたり、目次を見ても統一感はないのだが、「ものぐさ」という言葉に釣られて、だらだら読み始めたら結構面白かった。

何が面白いかといえば、心理学の先生的な物の見方がちょっと変わっていて面白かった。
それでいて、昔の大学教授にありがちなアカデミックに大上段に構えたところがなく、どこか突き放しているような、気が抜けているような処が新鮮に感じた。
「ものぐさ」なんて形容詞があたくしの好みにピッタリだし、なんともいえないシニカルな脱力感も良い。それでいて、結構きちんと自分の言いたいことを伝えている点は、さすが大学教授である。

私たち一般ピープルは、目前の事例に対して、自分の経験や知能や知恵や感情だけで判断しがちである。
しかし、それらがどこからどのようにして来て、それを判断し対処したのかという心理分析まではなかなか行なわない。
当たり前の事とはいえ、心理学者はすべての物事の原因から結果までを、心理学的に判断する。

こりゃ、しんどいだろう。と思うのだが、ある意味では、頭の中で精神や思考の流れをバーチャルしているわけで、これはゲーム感覚で楽しいだろうな♪と。(笑)

いま読んでも、まったく違和感のない本だが、インターネットやゲームもなかった昭和55年当時、こういう本が出ていたことは驚きである。

と、またあたくしの悪い癖で、抽象的過ぎて、何を言っているかわからないでしょ?とにかく、エッセイの方も話題が多岐に亘っているので、一度にああだこうだと説明できないのだ。(笑)
と笑って誤魔化す。

てなわけで、気が向いたら後半へ続く。

後半へ続く。とあるときは、一応ちびまるこちゃんのナレーション風に想像してください。(笑)

後半へつづく


岸田 秀
ものぐさ精神分析―二番煎じ b-blue