異邦人 ☆☆☆☆

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スカーペッタファンのあたくしとしたことが、新作「異邦人」が出ていたことをすっかり忘れていたなんて!
以前は予約を入れて、本待つ店頭どころか、待ちきれずに、読めもしない原作本を買って来たりしたほど待ち遠しかったのに!最近は、ほんまつまらなくなってしまって。(ウマいっ!)

そもそも、いつも不思議に思うんですけど、スカーペッタシリーズの邦題は、「神の手」以外、漢字のみなんですよね。


検屍官   POSTMORTEM

証拠死体  BODY OF EVIDENCE

遺留品    ALL THAT REMAINS

真犯人    CRUEL AND UNUSUAL

死体農場  THE BODY FARM

私刑     FROM POTTER'S FIELD

死因     CAUSE OF DEATH

接触     UNNATURAL EXPOSURE

業火     POINT OF ORIGIN

警告     BLACK NOTICE

審問     THE LAST PRECINCT

黒蝿     BLOW FLY

痕跡     TRACE

神の手    PREDATOR

異邦人    BOOK OF THE DEAD



それがなにか?

つまり題名が紛らわしくて、どれを読んだかわからなくなり。。。(ただのボケぢゃ!)

コーンウェルが、私財を投げ出して「切り裂きジャック」 に手を染め出したあたりから、めちゃめちゃ不評だったスカーペッタシリーズ。
登場人物の年齢を大幅に若くリセットしちゃったり、死んだ筈の人を勝手に生き返らせちゃったり(アレイズかっ!?)、ジョブチェンジしてたりと、ファンの期待を裏切ることばかりしてたからねえ。(スカーペッタのファンなのかFFのファンなのかはっきりしろよ!)

今回だって、たしか小柄で身長が160cmそこそこだったはずのスカーペッタが、50歳を過ぎてから身長が伸びたらしくて、167cm位になってるし。(汗)

相棒のマリーノも、昔はそれほど大男というイメージじゃなく、ずんぐりむっくりして加齢臭漂うだらしのないオジサンぽかったのが、これまた急に背も伸びて、筋肉隆々のマッチョマンに変身しちゃってるし。(汗・汗)

そりゃあね、登場人物はかっこいい方がいいざますわよ。

時代の流れというものもあるし。

これだけシリーズが続いて、主人公たちがみんな中高年というのも哀しい気もするしね。

でもあんまり露骨にアンチエイジングに変身されちゃうと、なんだかなあ。。。

とぶつぶつ言いつつ、それでも、最新の科学捜査テクに対するコーンウェルの情熱と努力はさすがだと思います。ただ残念なのは、コーンウェル自身が、ベントンにもマリーノにも興味と愛情を失ってしまったようで、特にベントンの魅力が半減してしまったのはどういうことかしら?

これだけシリーズが長く続くと、もはや犯罪科学サスペンスというよりも、「渡る世間は鬼ばかり」並みに、レギュラーメンバーたちの行く末が気になるだけの作品になっているのかもしれませんわねえ。








異邦人 上 (1) (講談社文庫 こ 33-26)
相原 真理子
4062759152





異邦人 下 (3) (講談社文庫 こ 33-27)
相原 真理子
4062759365
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赤い月 ☆☆☆☆

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事実がニュースになり、ニュースが史実になり、史実が歴史に変わるとき、悲惨な現実が時代を越えた人びとの心の中にやっと甦る。

何故ならば、事実とはそれほど過酷なものだから。

時間に洗い流された事実はもはや事実とは云えないかもしれないけれど。

太平洋戦争終結から63年を迎える今年。

当時の体験の事実を語れる人は、ぎりぎりの紙一重で残っている。

数々のヒット歌謡曲を生み出した作詞家・なかにし礼と、「満州」という言葉はそぐわない気もするけれど、この本は彼自身の、中国引揚者としての幼少期の体験を基にして描かれた自叙伝的小説でもある。

<国家運営に演も悪もない>

主人公は、満州で一旗揚げることを夢見た、なかにし礼の両親がモデル。

これは、戦争を美化するご都合主義の感動小説ではない。

戦争の悲惨さを訴えるだけの道徳的小説でもない。

当時を生きた人間たちが歴史という枠を超えて、等身大に描かれている。

人間の欲望、狡猾さ、醜さ、弱さがこれでもかというくらいに描かれている。
主人公である、なかにし礼の母親も、決して善人には描かれていない。

生きるための貪欲なまでの欲望と情熱。

それだけがすべて。

その情熱はどこからやって来るのか。。。


人間の野望を凝縮したような、新天地「満州」は、設立以前からすでに腐っていた事が、民間人の目線で淡々と語られていく。

善悪を判断することすら不可能なくらい厳しい現実の中で生き抜くことの意味。
その人たちを批難し裁く権利は、戦争を体験していない人びとにはない。
目を覆いたくなるような悲惨な場面の再現に、泣いたり憤るのは簡単だ。

途中で投げ出したくなるような場面も、辛抱強く読むことが、日本人としての義務なのかとも思いながら読み進んだ。
人間は肉体的苦痛よりも、精神的苦痛のほうに耐えにくいということがよくわかる。


甘い恋歌と対照的にどこか投げやりな暗い歌詞も多いなかにし礼。

過去のトラウマを歌や小説に昇華して表現できた彼は、やはり強運の持ち主なのだろうか。





なかにし 礼
赤い月〈上〉 (新潮文庫)


なかにし 礼
赤い月〈下〉 (新潮文庫)



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こういう本を買ったあたくしって、きっと「いい人」に違いないざますわ^^;。


曽野綾子さんはこう述べる。

<日本では、いい人の反対は悪い人だと多くの人が思っている。しかし現実には、いい人でも悪い人でもない中間の人が、人数として八割に達するだろう。 私もまたその中の一人、と思うとほっとして楽しくなる。>

白でもなく黒でもなく、その灰色ゾーンこそが安らぎの場らしいけど、曽野さん世代(戦中派)の人は、どうしても「日本」とか「日本人」ということを声高に言い過ぎる気がする。(それも否定的な意味で)
そうやって日本人を客観的に俯瞰しているように見せながら、「灰色ゾーン=八割=やすらぎ」という、典型的な日本人魂に気づいていないところがいい。(笑)

ともあれ、100%真っ白で「いい人」というのは、人ごとならば見ていて気持ちがいいけれど、実際身近に居られたら、無味無臭で案外魅力がないのかもしれない。
芸能人を見ていればわかるけど、ちょっと毒があるほうが魅力的なのは確かよね。

ただし、その毒の調合具合がとっても難しい。(笑)

で、この本は今までの曽野綾子さんの作品から、引用された文章を元に構成された、著者にとっても出版社にとっても非常にお手軽なリサイクル本なんだけど(笑)、曽野ファンには喜ばしい一冊だろうし、曽野さんを知らない人も一石二鳥で、その作風とかひととなりを知ることが出来る便利な本。


曽野綾子と三浦綾子(故)って、年齢も似ているし共にクリスチャン作家だし、曽野綾子の夫が三浦朱門なので混乱してしまうのだけれど、クリスチャン作家にしては、だるだるな性格みたいで、ぐたぐたなあたくしには嬉しかった。(笑)


しかし、曽野綾子さん的だるだるな性格は、様々な苦労を乗り越えた結果、身につけた処世術なわけで、この本には苦労人曽野綾子さんの人生哲学や知恵が満載。目次を読むだけでも参考になりそうです。(お得意の立ち覗き読みの勧め^^;)


<いい人をやっていると疲れる。>


まあ!どうも最近疲れると思ったら、やっぱりあたくしっていい人だからなのね。
(まだ言うか!)


というわけで、意外に面白かったこの本。

たくさん買って友人知人に片っ端から読ませたいけれど、それじゃああんまりあたくしが「いい人」みたいだからやめときますわ。




注:この記事は2007年10月に書たものです。

加筆訂正しようと思って下書きのままでした。(汗)

ごめんなさい。




曽野 綾子
「いい人」をやめると楽になる―敬老録



編集後記
久々に戻ってきたのになかなか毒者さまのお宅訪問がままなりません。(汗)
過去記事は全部読みたくなっちゃうしコメントを残したいけど時間がかかるし。。。
ってんで、今年もなかなか「いい人」にはなれませんわ。(笑)
だけど、遠くから皆様の幸せをいつも心からお祈り申し上げてます♪
完全にいい人。。。かよ!?


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おぞけ ☆

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隊長!不良ですか?


ってんで、どうにも体調不良で、またまたぐたぐたしてしまいました。


「おぞけ」なんていうタイトルに惹かれて読んでみたのはいいけれど、どうにも気分が悪い。。。

そりゃそうだよね。

人におぞけを震わせたいから書いた話なんだろうし、読む方だって、おぞけりたいという下心があるに違いないんだから^^;


「おぞけ」(怖気)とは、恐怖感。怖がる心。非常にこわい感じ。

などと辞書にあるけれど、あたくし的には、単なる恐怖と言うよりも、一歩手前の嫌悪感。不快感。ぞわぞわと鳥肌が立つ感じだと思ってるざます。


そんなこんなで、あまり深く考えもせずに買ってしまったこの本。。。
でもねえ、お金を出して不快感を買うっていうのはどのようなものかと^^;。

結局途中まで読んで、先に読み進めなくなった話ばかりで。(泣)


ぞわわ~ぞわわ~ぞわわ~。

ああもう駄目。あたくし本当におぞけがする。。。

と思って熱を測ったら38度もあるじゃないの!(隊長、やっぱり不良でしたね!)


((((;゚Д゚)))ガクガクガクブルブルブル


こここれは、この本の祟りかっ!?


途中で断念する覚悟のある方、ぜひ読んでみては?

どんなに後悔なさっても、あたくしは責任持ちませんけど。


こういう本が多いんだ最近。

世の中変わってきたなあ。。。






篠田 節子, 倉阪 鬼一郎, 草上 仁, 田中 啓文, 津原 泰水, 雨宮 町子, 泡坂 妻夫, 加門 七海, 高瀬 美恵
おぞけ (ノン・ポシェット)





この手の本はあまり好きじゃないんだってば!

と言いながら、結構読んでるのよね。(笑)

言い訳ると、ジャケットの女の子と目が合っちゃった!ってところかしら^^;


グリム童話の代表作は、「灰かぶり姫(シンデレラ姫)」「赤ずきんちゃん」「ヘンゼルとグレーテル」(以上は収監)その他には「白雪姫」「ラプンツェル」「ブレーメンの音楽隊」などが有名。

グリム童話はもともと、ドイツ人の言語学者だったグリム兄弟が、伝承・民話などの原話の研究の一環として収集した話を元に発行されたもの。したがって、初版は子供向け童話という意図はなく、残酷さや性愛シーンなど大人向けの話も多かったらしい。

イソップ物語やアンデルセン童話と比べても、グリム童話の世界は現実的な話が多く、また中世ヨーロッパの民族的要素が非常に濃厚なので、「ずっと隠されてきた残酷、性愛、狂気、戦慄の世界」という大袈裟な副題も、なんとなく納得なのでした。


また、パターンもだいたい決まっていて、レギュラーキャストは、王様、王妃様、お姫様、魔女、継母、ついでに王子様。(笑) それから、出てくる民衆はみんな貧しいと相場が決まってるざます。(笑)

人間のむきだしの欲望をコントロールする為に、さまざまな宗教で縛りつけられた社会。

迷信、魔法、魔女狩り、幽霊、呪術。。。混沌としていて、まだまだ精神的に成熟していない時代の残酷な出来事は、時代が移るにつれて、メルヘンの世界へと変容した。

元々の話はどういうものだったのか。

どうして子供向けの話に変わったのか。

そのような社会的文化的背景を元に読んでいくとなかなか面白い。


日本の民話も同じような経路を辿り、いつの間にか「童話」や「おとぎ話」という子供向けの教訓話に変化しているのは興味深い。

でもねえ、やっぱりこういう本は好きじゃないなあ。。。

だって、夢が毀れちゃうもの。




 画像がボケボケでんがな。。。(撮った人がボケボケ^^;)

由良 弥生
大人もぞっとする 初版『グリム童話』―ずっと隠されてきた残酷、性愛、狂気、戦慄の世界