この人の履歴はよくわかりませんが、思想家や評論家ではなくこてんこてんの古典系の人なんですね。歴史上の気に入った人物に想いを馳せていたら、一冊の思想が出来上がり、本になりベストセラーになったという感じ。という訳で、ちょっとこじつけっぽい箇所もあるのですが、著者の日本人に対する熱さが伝わってくる一冊。この本がベストセラーになった当時は、私も「そうだ、そうだ!」と、かなり感化されたのですが、今読むと妙に醒めている自分に自己嫌悪。時には世の喧騒の中で立ち止まって、こういう本を読むのもいいかも。

追記
この本を読み終わって、数週間後に中野孝次氏死去のニュース。これって虫の知らせ?私って霊感があるのだろうか?(ないない!)これを機に、また多くの人々に読まれるといいのですが。ご冥福をお祈りいたします。


著者: 中野 孝次
タイトル: 清貧の思想