政治資金規正法違反は形式犯だから、起訴するかどうかの基準は立法府が決めるべき、との立論の当否
面白い議論を紹介いただいた。
政治資金規正法違反は形式犯である、記載を脱漏した金額の多寡によって起訴不起訴を決めるべきである、形式犯の起訴不起訴の判断が検察官に委ねられているのは良くない、立法府である国会がその基準を法律で決めるべきである。
大体そんなところか。
形式犯だから処罰の対象にしなくとも良い、という趣旨ではないらしい。
検察官の判断で起訴不起訴を決めることが出来る、という現行のいわゆる起訴便宜主義に対する異議であろう。
起訴不起訴の基準を法律で明定すべし、というのは一つの考え方だが、よく考えれば現行法の不備を指摘する意見である。
現行法の規定の解釈や運用をこのようにすべし、ということにはならない。
法律違反は全件起訴、という制度もあり得る。
この場合は無罪率がグンと跳ね上がるだろう。
ラフジャスティスの世界では、こういう考え方も成り立ち得る。
日本は、どちらかというと精密司法の国。
無罪になる可能性が高い事件は、たとえ嫌疑があってもそれだけでは起訴しない。
一旦起訴したら、99パーセント以上の確率で有罪になる。
これが日本の司法の現状である。
しかし、検察審査会法の改正で少し趣きが変わってきた。
一定の嫌疑が存在する事件について検察審査会が裁判所の判断を待ちたい、というときには起訴相当の議決をすることが出来る、という制度に切り替わっている。
裁判所は無罪の判決を言い渡すかも知れないが、納得のために裁判所の判断を求める。
これが、起訴、公訴の提起だ、という社会になってきている。
こういう時代の変化を考えれば、現在の様々な法律の構成要件をより簡単明瞭にして、より予見可能性があるものにする必要があるだろう。
その限りにおいて、立法府よ、ちゃんと仕事をせよ、という意見に賛同する。







1 ■ご賛同ありがとうございます
少しだけ勘違いされているようですね。
政治資金規正法違反には実質犯と形式犯があるということが前提です。
裏金隠しや脱税などの目的で不記載・虚偽記載をしたら、明らかに実質犯で金額の多寡に拘わらず立件すべきであることは言うまでもありません。
小林節教授が言われているのは、3,000万円といった基準を「検察が」いきなり持ち出して、それは悪質だと実質犯として立件するのはおかしいと言われているだけなのです。
総務省の提示するルールや立法府の判断をも踏み越えた越権行為というか、ありえない話しなのだということです。
例えば、立法府が立替払いと言えども1回3,000万円を超えて記載しなければ実質犯にするという法改正をすれば、それ以降、これまで形式犯でしかなかった1回3,000万円超の立替払いが「実質犯」になるということになります。
そういう基準を決めるのは立法府の仕事であって、検察の仕事ではないということです。
ということは、今回検察が勝手に決めた3,000万円超の立替払いも起訴するなんてことはナンセンスの極みであり、これまで通り、「訂正」で済むということになります。
何れにしても、ご賛同頂けたということは、石川氏を含む3名の方は真っ白、無罪、小沢氏も真っ白ということにご賛同頂けたものと受け取ります。
弁護士としての、元代議士としての良識、良心を持って、今後各所で積極的に上記のように表明されることを期待します。