早川忠孝の一念発起・日々新たなり  通称「早川学校」

弁護士・元衆議院議員としてあらゆる社会事象について思いの丈を披歴しております。若い方々の羅針盤の一つにでもなればいいと思っておりましたが、もう一歩踏み出すことにしました。新しい世界を作るために、若い人たちとの競争に参加します。猪突猛進、暴走ゴメン。


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ちょっと愚かな展開になってきた。


これまで全会一致を慣行としてきた証人喚問の実施を、昨夜、参議院の財政金融委員会が自民党、公明党の議員が反対の意思を表明し、欠席する中で強行採決したようだ。


良識の府、常識が通用するはずの参議院が、どんどん党派性を帯びてくる。

参議院には解散がなく、しかも6年もの任期が保障されているのだから、じっくりと構えて国政に臨めるはずなのに、政局にすることだけを狙って、額賀財務大臣と守屋前防衛事務次官の2人を12月3日に証人喚問するという。


既に数日前から守屋前防衛大臣は収賄の容疑で東京地方検察庁から逮捕されることが必至と言われている状況で、なぜ再度守屋氏を国会に呼び出す必要があるのか。


財務行政について所管する財政金融委員会として、国の財政運営の方針等を巡って財務大臣に問い質すというのであれば一般の質疑でも十分なはずだ。

証言拒絶、証人喚問不出頭、虚偽の証言等について重い刑事上の処罰が予定されている証人喚問の席に現職の閣僚を引きずり出し、特定の日時の宴席の場に出席したか否かの事実関係だけを問い質す、というのは、明らかに異常だ。


国会の証人喚問は、あくまで国政の課題についての審議をより充実させ、促進させるものでなければならない。


特定の日時の宴席の場にいたか、いなかったかが、どんな具合で国政の重要な課題に直結するのだろうか。

不正確な供述をするような大臣は大臣の適確性を欠くから、大臣を罷免させるための手段として証人喚問を実施する、とでも言うのだろうか。


国会の審議の名を借りたリンチ(しかも、目下のところは、電話で守屋氏の一方的な話を聞いただけの、言いがかりに近い不確かな証言を根拠にしているように思われるものである。)を行おうとしているように思われる。


何か犯罪を犯したというのであれば、その捜査は司法当局の役目だ。


大臣としての非違行為があって、その罷免を求めるのであれば、不信任決議なり、政治倫理審査会における審査を求めるのが筋である。


単なる証拠探知のために証人喚問を多数決で決定してしまえば、公務員か民間人を問わずあらゆる人を国会で証人喚問できることになる。

なにしろ国会は国権の最高機関だから、国会が証人喚問を決定したらこれに従わざるを得なくなる。


仮に裁判官や検察官の証人喚問を決めたらどういうことになるか。

司法の独立などどこかに飛んでいってしまう。

一般の行政官を証人喚問で国会に呼べば、行政上秘匿すべき情報などがどんどん公開されることにもなりかねない。

宗教団体の代表や政党の党首なども国会で証人喚問の対象にすることも、当然可能である。


これで国会の一つの箍が外れてしまった。

国会の規律や理性といったものが、時の勢いでどんどん失われていっている。

もし、衆議院で小沢一郎氏の証人喚問を決定したら、どういうことになるだろう。


30億円を超えると言われる資産の取得経緯、10億円以上の個人名義の不動産取得、解党になった政党に対する政党助成金の残金を自分の政治団体に献金したことにして国庫への返還を免れた経緯、山田洋行からの600万円の政治献金を受領した経緯と、これを急遽返還した理由、野中広務が小沢一郎だけは許さないと言った背景事情、湾岸戦争の際の日本の資金提供を決定した経緯とスイスにあると言われる隠し資産の有無など、単なる揣摩臆測、すくなくとも具体的証拠をもって立証することは困難な、さまざまな巷の噂を国会が取り上げ、証人喚問することができることになる。


もし私に相応の時間が与えられれば、証人喚問の場でこういった噂についても十分解明できるようになる。

それでいいのか。


国会がそういう見苦しい場になることを国民は本当に期待しているのだろうか。


参議院議員は、良識の代表者であって欲しい。

党利党略からもっとも遠い存在であって欲しい。

このままでは、参議院は無用の存在から有害な存在になってしまう。

参議院議員にはこの際、全員各自の所属政党を離脱し、一人ひとりの良識で行動できるようになっていただきたいものだ。

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