諸君、ご壮健かな。
全艦。
というロマンを求めて。
見てきた。
SPACE BATTLESHIP ヤマト。
宇宙戦艦ヤマトと機動戦士ガンダム。
この違いは、そのサブタイトルを見ればわかる。
ヤマトは「愛の戦士たち」。
ガンダムは「哀・戦士」。
ヤマトは、戦争での死を意義ある美しいものとして描き。
ガンダムは、それを虚しくただの現象として描く。
この差があるから。
沖田十三艦長と古代進の関係が、パオロ艦長とブライト・ノアと似ていても。
様々なオマージュが、物語の中で垣間見えても。
決定的な差として現れる。
シャア!的にはありだ。
今回のヤマトは、あまりにもリアルすぎて。
お国のためにと、旧日本軍の若者が命を散らせてきたのと同じく。
後世の人々に未来を残すため。
その命を散らしていく。
そのあまりの死の美しさが。
逆に妙なリアル感をもって迫ってくる。
この物語が現実。
あのアニメが、それを紡ぎあげた物語。
しかし、その双方には。
確実にロマンが流れていた。
シャア!はそう思った。
さて。
デスラー総統とスターシャが出てくるかどうか。
これについて語ると、諸君の楽しみを奪ってしまうからあえて書くまい。
ただ確実に言えるのは。
デスラーの胸に宿っていた、ロマンと生への渇望の魂は物語全体に生きている。
つらかったのは沖田十三。
彼が若者を率いて葛藤するのを。
同世代の佐渡酒造が、分かち合い語り合っていた。
佐渡先生が女性なのは悪くないな、と思ったが。
この重圧を一緒に背負ってくれる盟友がいないのが切ない。
だから、彼の重圧を古代が一部背負い。
その一部を森雪が背負い。
森雪の仕事を相原が背負うために、彼もまた女性となった。
この重圧の玉つきが。
老兵から若者へと引き継ぐ流れに竿をさすこととなる。
でも。
シャア!は涙した。
この宇宙戦艦ヤマトの総括とも言える作品。
これを見ると、やはりあの人を思い出す。
故・西崎義展プロデューサー。
彼の足跡は。
あまりにも力強く。
そして、誰にも消すことはできない。
ありがとう、ヤマト。
少年時代のシャア!は、確実にそのロマンにしびれていたんだ。