ガダルカナル戦書籍一覧


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↓ガ島中央戦跡要図

ガダルカナル戦関連書籍 Guadalcanal

西山日誌17 より続いております。


第38師団歩兵第228連隊 
第三大隊長 陸軍少佐 西山 遼 氏の日誌

十一月二十八日 土 晴 ガ島上陸24日目

敵は昨夜艦砲射撃を各方面に加え来りしも前線異常なし。
思えば苦しき戦闘なり。
連戦連勝常に攻撃を以て戦闘を解決し来りし皇軍が今や全持久専守防衛に陥る。
持久、我の目的は時間の余裕を得るにあり。
而して今や只要線を固守するのみ。
只一縷に現陣地を維持強化し時間的余裕を保有し空中権を獲得し後方補給を確保し以て兵力維持増大し攻勢に転ずるのみを唯一の手段とす。
然れども尚一ヶ月以上を要すべし。
第一線将兵は我掌により毅然と一寸尺土と雖も敵に委することなく如何なる猛爆も敢えて怯え
ることなく頑張り頑張り通せり。
若し之が敵と反対の立場なりせば如何。
米軍は二三日を出でずして撃滅し盡ざるべし。
突撃を知らざる彼、我夜襲の剣突に大声で泣き叫びつつ敗退する彼。
嗚呼速やかなる上空と後方の確保の時機を待つ。
我部隊は今は師団の否全軍の中核をなす。
軍の戦捷ひとつに我等の頑張りによる。 我等の重責。

我家を思いざること幾日ぞ。
京戦況稍静かなるまま思ひ出るともなく妻や子等を偲ぶ。
千鶴子、紀雄、武彦、時折の便りに元気に通学なし居る由。
今、父苦闘知るや知らずや。
母上の病状如何。
先日、香港攻略戦に於ける感状上聞に達せる記事が毎日新聞紙上に出てあるを良洋丸一等運転士より送り来るを見るに母上の予の幼年時代を語られあり。
妻の新聞記者に感想を慎ましく語れりあり…子等の集ひて撮れる写真、なつかし。
「スラバヤ」にて便りせるが最後なり。其の後如何。
戦場今稍静かなり。
木の間洩る月光。南東の風に砲声絶えし森の稍静かにゆる。
  塹壕の夢さめ勝に子等(妻)思ふ
  砲声に夢醒め勝ちの塹壕に
    しのぶともなく妻子しのばる



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同日、海岸線小川陣地を守る歩兵第十六連隊亀第三機関銃中隊長亀岡隆夫中尉の日誌。
昨夜友軍機の飛来、敵飛行場を空爆せるを見、心強きものあり。
中隊全員敵砲火の中にありて意気旺盛、異常なし。
糧食が全くなく、何時補給し得るや見透しつかず。
各自の有する食糧を出来る丈け長く食い延ばしすることと共に現地の食い得る食物をもって代用食たらしむべく命ず。
食も無く、しかも重要な陣地死守の任に邁進せざるべからず。
将兵一同の労苦と辛酸は只涙あるのみ。



11月に上陸した第38師団の歩228連隊と10月上陸した第二師団歩16連隊。
歩16連隊は総攻撃のため丸山道の往復し疲弊した状況での海岸線守備。
歩228連隊は第三次総攻撃のため新たに上陸した精鋭部隊。
第二師団歩16では既に糧秣補給が途絶えているようである。
第38師団歩228ではまだ後方に幾らかの糧秣備蓄があるのが感じ取られる。

糧秣について第17軍の管理ではなく各師団単位で管理していたようである。


今回はすべて解読できました。
いつも御教示ありがとうございますm(_ _)m

つづく

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歩兵第十六連隊 連隊本部 最後の人事係 准尉  長谷川榮作さまのホームページ
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冥府の戦友(とも)と語る
お立ち寄り戴けましたら幸いです。



新発田歩兵第十六連隊の兄弟部隊である高田歩兵第三十連隊の従軍記録等を公開されているウェブサイト

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石坂准尉の八年戦争さま
と相互リンクさせて戴きました。



平成24年9月8日 日本青年遺骨収集団さま主催による ガダルカナル島「丸山道」自主派遣隊 の皆様がガ島御遺骨収集をされ7柱の御遺骨をお迎えされたそうです。
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○原発関連情報○

独逸天気予報より →  放射能予報

文科省発表 → 全国放射能濃度一覧

武田邦彦教授の → ブログ




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