ガダルカナル戦書籍一覧


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亀井宏氏が昭和四十年代から取材を続け昭和55年に出版されたガダルカナル戦記という大作がある。
自分の知る限りではガ島戦全般をここまで詳細に記録した書は他に無いと思う。


そのガダルカナル戦記よりタナンボコの戦いの一部を引用させて戴きます。
タナンボコにたいする海と空からの攻撃は、七日の昼間からはじまっていたが、上陸部隊が進撃してきたのは夜になってからである。
闇に隠れて北東岸にある桟橋に上陸しようとした。
一部は目的をたっしたが、たまたま沖合いから飛来してきた砲弾によって、付近にあった航空用の燃料タンクに火がついた。
引火は、日本軍にとって照明弾の役目を果たした。
それは折から隠密裏に行動をしようとした敵上陸部隊の大部分を、赤々と照らしだした。
真昼のような光の輪のなかに浮かび上がった敵は、絶好の攻撃目標となって、日本軍はこの機会を逃さなかった。
機関銃と小銃がいっせいに火をふいた。
このとき米軍上陸部隊は舟艇六隻に分乗してきたが、そのうち三隻の人員がこの短い時間に死んだといわれている。
午後八時ごろの出来事であった。
海岸で約半数が戦死という損害の大きさに驚いた敵は、ふたたび舟艇にのって沖に向って後退していった。
ちなみに、小規模といえばそれまでであるが、この戦闘は、太平洋戦争全般を通じて、日本軍が勝ったためしのない上陸防衛戦において、水際で撃退したまれな戦例のひとつであろう。

以上引用終わり

ガダルカナル戦関連書籍 Guadalcanal
この画像が撮影された昭和17年8月8日、宮川・櫻井両氏は士官壕の中に閉じ込められていた。



次に平塚柾緒氏著「米軍が記録したガダルカナルの戦い」より
夜になり米軍はタナンボコ島の北東岸にある桟橋に上陸しようと、六隻の上陸用舟艇が突進してきた。
そのときであった。
上陸部隊を支援する艦砲射撃が浜空(横浜航空隊の略)燃料タンクに当たり燃え上がった。



次にエドウィンPホイト氏著「ガダルカナルの戦い」より
五分間の艦砲射撃が行われた。不運にも最期の砲弾の一つが海岸近くの燃料置場に命中したため、砂浜は真昼のように照らし出された。

ガダルカナル戦関連書籍 Guadalcanal
左がガブツ島、下がガオミ島、右がタナンボコ島。
タナンボコの中央下より黒煙がのぼる。
北東岸の桟橋付近である。
宮川・櫻井両氏は壕に50日閉じ込められた後、ガオミ島へ泳いで脱出をされた。




次に宮川政一郎氏の手記「横浜航空隊玉砕」より
我々の航空隊にはガソリンと爆弾は沢山あります。
爆弾は露天に集積所がありましたので、それがやられて物凄い爆発が起こりましたが、ガソリンはまだ沢山あります。
それで翌日の敵を迎えるため、このガソリン缶を桟橋付近や敵の上陸して来そうな海岸に並べ、これに火をつける作戦が考えられ、その準備が行われました。


次に櫻井甚作氏著「地獄からの生還」より
空襲のやんだとき、あちらへ何個、こちらへ何個と上陸してきそうな波止場や海辺へ、200リッター入り燃料のドラム缶を全員で急ぎ配置した。
(中略)
勝田副長の指揮で、飛行機からはずした13ミリ(機銃)や機関銃で、ならべておいた燃料用ドラム缶を一斉に撃った。ガソリンに火がついて瞬く間に引火、途端にあたり一面真昼のようにあかるくなった。敵の姿がまるみえになり、それを目当てにこちらから銃撃をくわえた。上陸できないとみた敵は退却していった。




亀井宏氏や他の著作を貶そうなどと思っている訳ではない。
昭和の時代には宮川・櫻井両氏は手記や著書を発表されていないし、亀井氏もお二人への取材へ辿りつけていない。
米軍の資料を基に記録を残されたのだ。
宮川・櫻井両氏の証言は平成に入ってからなのだから仕方の無い事である。
※宮川氏の最初の記録は昭和33年に発表されたとの情報を頂きました。訂正しお詫び申し上げますm(_ _)m




この時の浜空の所持した武器は小銃37挺と飛行艇からおろし修理中であった20ミリ・13ミリ・7.7ミリ機銃が数挺・・・
亀井氏の仰る
太平洋戦争全般を通じて、日本軍が勝ったためしのない上陸防衛戦において、水際で撃退したまれな戦例のひとつ
は艦砲射撃の砲弾が偶然ドラム缶に当たったのではなく、タナンボコ横浜航空隊の御英霊が圧倒的な米軍を前に智恵を絞りに絞って成功させた見事な作戦であった。


艦砲引火説をとる三冊の書は出版部数も多く広く入手可能な書で、反面、宮川・櫻井両氏の著は発行部数も限られ手にすることは困難である。
全国紙と地方紙くらい認知度が違う。

些細なことかも知れないが・・・浜空御英霊のために此の場で記録として残したい。

つづく

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歩兵第十六連隊 連隊本部 最後の人事係 准尉  長谷川榮作さまのホームページ
ガダルカナル戦関連書籍 Guadalcanal
冥府の戦友(とも)と語る
お立ち寄り戴けましたら幸いです。



新発田歩兵第十六連隊の兄弟部隊である高田歩兵第三十連隊の従軍記録等を公開されているウェブサイト

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石坂准尉の八年戦争さま
と相互リンクさせて戴きました。



平成23年8月20(土)~9月3日(土) 日本青年遺骨収集団さま主催による ガダルカナル島「丸山道」自主派遣隊 の皆様がガ島御遺骨収集をされ38柱の御遺骨をお迎えされたそうです。
派遣隊の活動の様子を現役大学生フロッグクレーンさんが綴られております。
第二次派遣隊の募集が開始されました。
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○原発関連情報○

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文科省発表 → 全国放射能濃度一覧

武田邦彦教授の → ブログ





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